一顆明珠~住職の記録~

尽十方世界一顆明珠。日々これ修行です。いち住職の気ままなブログ。ときどき真面目です。

檀家さんと接する

2005年12月04日 | 禅・仏教
今日は法事が3件ありました。

私にとっては数ある法事の1件であっても、それぞれの檀家さんにとっては、数年に一度の法事です。

そう思うと、法事1件の重みを感じることができます。
とてもおろそかにはできなくなる。

檀家さんには法事を営むことで、すがすがしい気持ちになっていただきたいというのが私の願いです。

私は法要前の時間を大切にします。

法要前に、一緒に控え室でお茶をいただきながら世間話をすることで、檀家さんと私との距離感がグッと近くなるんです。

まず、控え室に入るとき、障子を開けた瞬間が勝負です!

にこやかな笑顔と、明るい挨拶。
かなり古いギャグですが「つかみはオッケー」にするためです。

檀家さんの中には、一応住職が入ってくるということで多少緊張されている方もいます。こちらの出方を伺っているようなところもあります。

だから、まずは、その緊張をほぐしていただく。

お決まりですが、お天気の話をはじめにします。
するとちょっとなごむ。
それからは、臨機応変に歓談しながら、もっぱら聞き役に回り、ご家族のこと、お仕事のこと、などいろいろとお尋ねします。

さまざまな職業の方のお話が聞けて、これがなかなかおもしろい。
聞き入ってしまうこともしばしば。
年配の方からは、戦争の頃のお話とか、地域の昔の話など。
「人に歴史あり、ドラマあり」ってことを実感します。

檀家さんとの話に夢中になっていると、法事の開始時間を30分くらいは普通にまわってしまいます。

せめて、数年に一度の法事くらいは、檀家さんとゆったりした時を共有し、数ある檀家さんの1軒として接するのではなく、「いま」、「ここ」、「あなた(たち)とわたし」のかけがえのない出会いにしていくことを心がけていこうと思っています。

※なんて、かっこいいこと言ってますが、どうしても会話が弾まない時もありますし、時間的に余裕がないときは十分にお話しする時間が取れないこともあります。
まだまだ大いに改善の余地ありです。