一顆明珠~住職の記録~

尽十方世界一顆明珠。日々これ修行です。いち住職の気ままなブログ。ときどき真面目です。

転換期

2011年03月29日 | 思い・日常
毎日、震災のニュースを観ると心が痛み、胸が締め付けられる。

しかし、悲しんでばかりいては前に進めない。

悲しんだからといって被災者の代わりになることもできない。


いま、私にできること。

それは、

義援金の寄付。毎月継続すること。

照顧脚下。日々、地に足をつけて、己のなすべきことをなすこと。

そして日本を再生させるには何が必要かを考え、実行すること。



みんなこのままではいけないと心のどこかで思いながら、

ここまで来てしまったのではないか。


そして大震災は突然やってきた。

それは断じて天罰ではない。

大自然の営みに善悪はないのだから。

しかし、メッセージを読み込むことによって、

未来が絶望から希望に変わるのなら、

私たちはそこに大いなる意味を見出して、行動していくべきではないか。

すなわち「今が変わるとき」ということ。

今まで慣れ親しんだゆるやかな破滅の道に決別し、

道は厳しくとも真実に生きる道を歩まなければいけない。

一人ひとりの力が結集したとき、

日本は震災が起こる前よりも、強く優しく美しい、比類なき和の国に生まれ変わるに違いない。

そして、その実現が世界をも変えていくだろう。

今は日本と世界にとって一大転換期に違いない。

どちらに転ぶかは私たちしだいなのだ。


『後世への最大遺物』内村鑑三

「しかるに今われわれは世界というこの学校を去りまするときに、、われわれは何もここに遺さずに往くのでございますか。その点からいうとやはり私には千載青史に列することを得んという望みが残っている。私は何かこの地球にMementoを置いて逝きたい、私がこの地球を愛した証拠を置いて逝きたい、私が同胞を愛した記念碑を置いて逝きたい。それゆえにお互いにここに生まれてきた以上は、われわれが喜ばしい国に往くかも知れませぬけれども、しかしわれわれがこの世の中にあるあいだは、少しなりともこの世の中を善くして逝きたいです。この世の中にわれわれのMememtoを遺して逝きたいです」


少しでもこの世を善くして逝く。

それはその人の美しい生き様を後世に遺して逝くということ。

李登輝さんからのメッセージ

2011年03月12日 | 台湾
みなさん、大地震の方は大丈夫でしたでしょうか。
当寺は揺れは大きかったものの、お蔭様でたいした被害はありませんでした。
もちろん家族も犬たちも無事です。
まずもってこの度の地震で命を落とされた方々の報地荘厳をお祈りするとともに、救助を待っている方々の無事を祈るばかりです。

ところで、カミさんの母国台湾でも日本の大地震のニュースが四六時中流れているとのこと。親日国台湾の人々は強い関心を持っているようです。

ちなみに台湾政府は各国に先駆けて約3億円の義援金を送ることを約束し、いつでも派遣できる救援部隊を用意しているとのニュースがありました。本当に有難いことです。


以下、台湾元総統、李登輝さんから日本の人々へ日本語によるメッセージです。
李登輝さんは日本統治時代、日本語による教育を受けた台湾のいわゆる日本語世代。

【李登輝元総統】切り裂かれるような心の痛み
「台湾の声」、メルマガより転載

日本の皆様へ

日本観測史上最大の「東北・太平洋沖地震」の発生をテレビで知りました。

津波で押し流された家や車、そして、火災、家に戻れない方々。亡くなった方もおられます。次々報道される災害状況を見て、1999年9月21、台湾で起きた大地震を思い出すと同時に、現在日本の皆様の不安や焦り、悲しみなどを思い、私は刃物で切り裂かれるような心の痛みを感じております。

人間には力の及ばない大自然の猛威を前に、畏敬の念を抱いても、決して「運命だ!」とあきらめないでください!元気を出してください!自信と勇気を奮い起こしてください!

今は、一刻も早く地震の余波が収まることと復旧を、遠い台湾の空の下でお祈りしております。

台湾元総統 李登輝