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3、現代版「軍産複合体」の恐ろしい構造
戦争が一番儲かる
同じことが現在もっと大規模に行なわれているのです。悲しいことに戦争が一番儲かるのです。少なくとも、きちんとした国家の軍隊は堕落していない。しかし、いい加減な国家というのは、いい加減という差別的用語はいけないけれども、ほんとに自国を売り物にしている。アメリカの会社に対して、ダイヤモンドの採掘権を与えるから、その代わりに我々の治安を維持するためにあなた方の民間の警備会社を貸してくれ、ということを平気でやるのです。多くのアメリカあるいはイギリスの軍事請負会社というのは、武力的に言えば貧しい途上国の国軍よりも兵器も戦闘能力も上なのです。そういう連中が戦争を請け負ってしこたま儲けていくということです。
当然といってはおかしいですが当然の成り行きなのです。昔のように正面線で軍隊と軍隊が衝突していくということはまずない。今の戦争は必ず暗殺である。少なくとも政治的指導者は暗殺しなければならない。暗殺していくときに暗殺の資金はどこから出るのだろうかと私は疑っているのです。いろんなところに麻薬とかいろんな覚醒剤があるけれども、果たして当局のお目こぼしなしに、ああいったものがアフガニスタンから日本へ来るだろうかと思います。アヘンの70%はアフガニスタンから来ているのです。その間いろんな国を通って行かなければならないと考えたときに、私はかなり怪しいと思います。
そういった非合法の戦争をしていく資金源は非合法な稼ぎ方をしているだろうし、非合法の人員は民間軍事会社から調達しているだろう。現在そういった形で世界的な軍事編成が変わってきているのではないだろうか。
戦争がらみの企業集団
問題は、そこですごいワンセットの集団が出来上がっているのではなかろうかということです。まず金融会社が巨大事業を受注してきて自分の関連会社に生産させていく。そしてその関連会社が出て行くときに、その関連会社を警備する警備会社も連れて行く。そういう意味では、すべての一番後ろにはアメリカのペンタゴン(国防総省)がいて、ペンタゴンの認可の下でワンセットの戦争がらみの企業集団が形成されている。多国籍企業は平和の顔をしておりますけれども、まず汚らしい表面に出せない裏家業的な事を平気でしなければいけない。ただ戦争するだけじゃなく、お金と物と暴力とのワンセットを備えた一群の企業集団ができている。そして、それの後押しというか連係プレイをペンタゴンが保障している。そういった軍産複合体というものがほんとにできているのだ、と私達は理解しなければいけないと思います。
典型例はカーライル
正直なところ固有名詞を挙げるのはだんだんと恐いのです。ほんとに『民営化される戦争』を書いた時に、「1人で飲むなよ、やられるぞ」と言われました。ほんとに恐いのですが、例えばカーライルという会社があるのです。ここは主として、武器を売る宇宙産業、ミサイル産業といったところに融資、融資というよりもM&Aによる企業の吸収・合併を後押ししている会社です。軍産複合体の大元締めと考えてもいいと思います。
その大元締めの会社で親父ブッシュの元大統領がアジア担当だったのです。中国、朝鮮半島、日本の担当だった。実は親父ブッシュは自分の子供達3人を就職がなかった頃にカーライルに面倒を見させておりました。さすがに世間の批判が厳しくなってアジア担当の役職を辞任しましたけれども。これだけでも、カーライルは非常に大きな影響力を持っただろうなと想像できます。そのカーライルが今流行のMD(ミサイル防衛)に関与してきているのです。