五月晴れとは梅雨の季節に、たまたま晴れた状態を指す。紺碧の日本晴れを示す言葉ではない。これは、梅雨の鬱陶しい季節に、まれに見る晴れた空にほっとするという心境を示す天候用語である。ここ、福井県立大の兼定島(けんじょうじま)キャンパス(上の写真)で、五月晴れ下に「やまぼうず」の花が咲いた。坊主が座禅をしている様子からきた名前であろう。真ん中のおしべは坊主の頭、白い花びらが僧の衣に似ているから名付けられたとも言われている。
「やまぼうず」は日本原産の木で、「みずき」科に属する。米国から送られた「ハナミズキ」は親類である。このハナミズキは「アメリカン・ミズキとも呼ばれている。原種が日本なのに、米国から来たものと多くの日本人は思ってしまっている。福井県立大から福井大医学部に至る道は、ハナミズキを街路樹にしていて、4月末、それはそれは美しい風景を醸し出してくれた。この辺り、花で埋まっている。ありがたいことである。