消された伝統の復権

京都大学 名誉教授 本山美彦のブログ

野崎日記(84) 新しい金融秩序への期待(84) 平成恐慌の序幕(6)

2009-02-15 18:57:13 | 野崎日記(新しい金融秩序への期待)


 


(1) ホットマネーとは、短期的に国際金融市場を駆け回る資金のこと。ある国が経済危機に陥った場合、ホットマネーは短期間のうちにいっせいにその国から退避する。情報化社会においては情報の伝達速度、資金の移動手段どれもが非常に速くなっており、ホットマネーの金融市場へ与える影響は大きいものがある(    http://www.1keizai.net/fx/kaigai/000262.html)。

(2) WTIは、米国テキサス州西部とニューメキシコ州南東部で産出する低硫黄の軽質原油のことをいう。WTIは、硫黄分が少ないため、ガソリンを多く取り出せるのが特徴。WTIの原油先物は、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で取引され、その取引価格は原油価格の国際的指標となっている。なお、北米のWTI、欧州のブレント(Brent Crude)、アジアのドバイ(Dubai Crudeが世界の三大原油指標。

 WTIは、世界的な原油価格の指標にとどまらず、世界経済の動きを占う重要な経済指標となっている。WTIの原油先物は、大手石油会社・精製会社・卸売会社だけでなく、投資ファンドなど石油業界と関係ない投資家も幅広く取引に参加している。参加者が多様で売買が成立しやすい点で人気を集め、世界で圧倒的な取引規模の原油先物となっている。

 ちなみに、原油の単位であるバレル(barrel)は、英語で「樽」を意味する。石油をシェリー酒の空樽に入れて運んだことから、原油や石油製品の国際単位となった。一バレルは約一五九リットル(http://www.ifinance.ne.jp/glossary/market/mar037.html)。

 ブレント原油は、主に北海にあるブレント油田から採鉱される硫黄分の少ない軽質油である。 ブレント油田の他にノルウェーのオセバーグ油田やイギリスのフォーティーズ油田から採れる原油も含まれるが、こういった原油を混合(ブレンド、blend)しているからではなく北海のブレント(Brent)油田から主に採れるためブレント原油という。ブレントという名前の由来は岩層区分のBroom, Rannoch, Etieve, Ness and Tarbatから取られた(Wikipediaより)。

 ドバイ原油は、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで産出される原油のこと。産出量自体はそれほど多くないが、ほぼ全量がスポット取引(長期契約ではなく、短期での取引)であり、その時々の需給関係や国際的な思惑などで、価格が大きく変動する。そのためオマーン原油と共に、中東産の原油価格の基準となっており、さらにはアジアにおける原油相場の指標銘柄にもなっている。

 日本の場合、原油のほぼ全てを輸入に頼っているうえに、その大半を中東産の原油に依存している。また、ドバイ原油とオーマン原油のスポット価格を基準にした市場連動価格方式で価格を決定している。そのため、オマーン(Oman)原油にも影響を与えるドバイ原油の価格に大きな影響を受ける。ちなみに、ドバイ原油価格の発表はプラッツ (Platts)社がおこなっている。

 プラッツは、エネルギー関連情報の主要な配信社。一世紀以上に渡ってビジネス情報を配信しており、現在はマグロウヒル社の一部門となっている。主な配信は産業ニュースと各商品市場の価格指標であり、原油、天然ガス、電気、原子力、石炭、石油化学、金属などの価格を発表している。アジアの原油市場ではこのプラッツ社発表のドバイ原油およびオマーン原油の価格が基準になっている。東京工業品取引所の中東産原油の先物価格はプラッツ社の指標に大きな影響を与えている(Wikipediaより)。

(3) ダウ平均株価(Dow Jones Industrial Average)は、米国の経済ニュース通信社であるダウ・ジョーンズ社が算出している米国の代表的な株価指数。日本では、「ダウ工業株三〇種平均(ダウ平均)」、「NYダウ」、「ニューヨーク平均株価」などと呼ばれている。工業以外の産業も含まれているのに、慣例的に「工業株三〇種平均株価」という。その構成銘柄は時代に合わせて入れ替えがおこなわれている。算出が始まって以来、現在まで継続して構成銘柄に残っている会社はゼネラル・エレクトリック(GE=General Electric)社のみである。〇八年九月二二日現在の三〇社は以下の通り(シンボルのアルファベット順、(No)シンボル、企業名、業種、採用日)。
 (01)AA、Alcoa Inc.、アルコア、アルミニウム、一九五九年六月一日。(02)AXP、American Express Co.、アメリカン・エキスプレス、金融、一九八二年八月三〇日。(03)BA、Boeing Co.、ボーイング、航空機、一九八七年三月一二日。(04)BAC、Bank of America Corp.、バンク・オブ・アメリカ、金融、二〇〇八年二月一九日 。(05)C、Citigroup Inc.、シティグループ、金融、一九九七年三月一七日。(06)CAT、Caterpillar Inc.、キャタピラー、重機、一九九一年五月六日。(07)CVX、Chevron Corp.、シェブロン、石油、二〇〇八年二月一九日。(08)DDE.I、du Pont de Nemours and Company、デュポン、化学、一九三五年一一月二〇日。(09)DIS、The Walt Disney Co.、ウォルト・ディズニー・カンパニー、娯楽・メディア、一九九一年五月六日。(10)GE、General Electric Co.、ゼネラル・エレクトリック、総合電機・金融、一九八六年五月二六日(最初に指定された)。(11)、GM、General Motors Corp.、ゼネラルモーターズ、自動車、一九二五年八月三一日。(12)HD、The Home Depot Inc.、ホームデポ、小売業、一九九九年一一月一日。(13)HPQ、Hewlett-Packard Co.、ヒューレット・パッカード、精密電機 一九九七年三月一七日。(14)IBM、International Business Machines Corp.、アイ・ビー・エム コンピューター、一九七九年六月二九日。(15)INTC、Intel Corp.、インテル、半導体、一九九九年一一月一日。(16)JNJ、Johnson & Johnson Inc.、ジョンソン・エンド・ジョンソン、医薬品、一九九七年三月一七日。(17)JPM、JP Morgan Chase and Co.、JPモルガン・チェース、金融、一九九一年五月六日。(18)KFT、Kraft Foods Inc.、クラフト・フーヅ、食品、二〇〇八年九月二二日。(19)KO、The Coca-Cola Co.、コカ・コーラ、飲料、一九八七年三月一二日。(20)MCD、McDonald's Corp.、マクドナルド、外食、一九八五年一〇月三〇日。(21)MMM、3M Company、スリーエム、化学、一九七六年八月九日。(22)MRK、Merck & Co.、メルク、医薬品、一九七九年六月二九日。(23)MSFT、Microsoft Corp.、マイクロソフト、ソフトウェア、一九九九年一一月一日。(24)PFE、Pfizer Inc.、ファイザー、医薬品、二〇〇四年四月八日。(25)PG、Procter & Gamble Co.、プロクター・アンド・ギャンブル (P&G)、医薬品、一九三二年五月二六日。(26)T、AT&T Inc.、エーティーアンドティー、通信、一九九九年一一月一日。(27)UTX、United Technologies Corp.、ユナイテッド・テクノロジーズ、航空宇宙・防衛、一九三九年三月一四日。(28)VZ、Verizon Communications Inc.、ベライゾン・コミュニケーションズ、通信、二〇〇四年四月八日。(29)WMT、Wal-Mart Stores Inc.、ウォルマート・ストアーズ、小売業、一九九七年三月一七日。(30)XOM、Exxon Mobil Corp.、エクソンモービル、石油、一九二八年一〇月一日。(Wikipediaより)。