先日紹介した一〇〇式機関短銃を持たせるフィギュアの製作が、なんとかじわじわ進んでいます。フィギュアを作るときの工具は、デザインナイフと金属製の針(なんていうのかな、これ)と、楊枝、ペーパー、スポンジやすりです。楊枝はほんと重宝してます。
フィギュアを作るときはまず、2ミリのアルミの針金で芯を作ります。その上に麻紐を巻いて、瞬間接着剤でコチコチに固め、ある程度ポーズを決めてからタミヤの速硬化型のエポパテを盛り付けていきます。麻紐を巻くのは、単にエポパテの節約のためです。これが芯にエポパテを盛り付け始めたところ。
こうやって見ると「お前、大丈夫か?」っていうくらいひどいですね(笑) 芯をアルミにしているのは、後でグネグネ曲げて修正しやすいからです。また、さらに体のバランスを根本から修正したいときも、アルミなら切ったり削ったり出来るので安心です。今回もアルミの芯まではいかずとも、麻紐が露出するくらいまでは修正しています。最初からピシッと決められるなら、こういうことはしなくてもいいんでしょうけど、私は全然未熟者なので、仕方ないなあと。
大体のポーズが決まったら、足元からディテールを付けていきます。まずは編上靴を作り、おおまかな形が出来たところで、最初の難関の脚絆(ゲートル)に手をつけます。
まずふくらはぎの形を出し、その上にパテを薄めに盛り付けます。
パテがある程度硬化し始めるころから、ディテールを付けていきます。エポパテは、硬化時間によって作業のやりやすさが変わってきますので、自分がしっくりくる時間をつかんでおくとやりやすいですね。私は大体、練ってから2-3時間くらいがちょうどいいような。
資料を見ると、脚絆の巻き数は大体こんなもののようです。印象だと、もっと巻いているような気もしましたが、そうでもないみたいです。
脚絆は日本兵のシンボルみたいなものですので、出来るだけ頑張りました。巻き方は通称「竹の子巻き(営内巻き)」と「戦闘巻き」の2種類があったようです。「戦闘巻き」は緩みにくくするために脚絆の端についている紐を脛の前でクロスさせる巻き方です。
戦闘中だから必ず戦闘巻きだというわけでもないようです。最前線の写真でも、兵士によってまちまちです。好みの問題もあったのかもしれません。
というわけで、苦労しましたがなんとか形になってくれました。
しかし、足を切って左右別々に作ったために、巻いた感じが左右でアンバランスになってしまい、この後で修正しました。編上靴の紐は、糸ハンダで表現しましたが、ちょっと太いですね。後で、リード線などに置き換えようかなと思ってます。スクラッチは、いつもそうなのですが「できた!」と思っても、「やっぱやり直し!」の繰り返しですね、、。
後ろから見たところ。最後にふくらはぎの上部で、脚絆の紐を巻いて縛って終わりますので、結び目をそれらしくします。
次に、太ももから上の胴体に入ります。九八式軍衣跨はしわとか着膨れの感じが独特で、写真とにらめっこしながら作ってますが、それっぽくするのが難しいです。
何と言いますか、欧米の軍服に比べるとちょっとボテッとしているというか、野暮ったいというか、、。裁断の違いなんですかね。欧米のは、体のラインがもっとはっきり出ていてシュッとしているような気がします。こういうのは、一般社会のファッションの洗練度を反映してるんでしょうね。日本軍のはあえて言うと、ソビエト軍の軍服に近いような。まあ、結局はそれぞれ「●ナカもん」ってことなのでしょう(笑) 今回は夏服なのであまりそうでもないのですが、冬服だとお腹が「ポコッ」としてることが割とあります。やせてる兵士でも「ポコッ」としてます。装具のベルト類の締め付けの具合のせいにも見えますし、着膨れのようにも見えます。そういえば、ファインモールドの四一式山砲のフィギュアは、この「ポコッ」がきっちり再現されています。さすがであります。
この上に装備を付けるので、胴体のしわとかはほとんど隠れちゃうんですけど、それなりにきちんと作りたいなあと思ってます。
で、これくらいのスケール(1/12)だと、階級章など細かいディテールが付けられるのが嬉しいです。階級章も、ほんとは立体的になってますからね、、、。
腕前の問題でもあるのですが、こういうのは35だと再現が難しく、バックルとかはそれっぽくしか出来ないのですね。バックルや脚絆の結び目など「機能している」という感じになんとか出来るのは、大スケールの醍醐味だと思います。
というわけで、胴体の大体の目処が付いたので、次は手と頭、装備に進みます。作業をやりやすくするため、手足などは分割できるようにしています。
これが一つになる日が来るといいんですけどね。いつになることやら、、、。フィギュアって、35でもそうなんですが、大体形になってからの方が大変なような気がします。細部の修正や仕上げなどはやってもやっても終わらないような印象で、最後の最後のころになると、見るだけで「ロッパー!」となりそうなくらいです(わからない人は「えの素」「ロッパー」で検索。※責任は持ちません)。今回の写真も「まあ、大体できたかなあ」ってところなんですね。結局は自分がどこで納得できるか、という。でも、完成後数ヵ月後くらいに見ると「あちゃー!!」って頭を抱えるという。そんなのの繰り返しですね、、、。ほんと奥が深いと思います。
とかいって、頭を抱えていても仕方がないので(笑)、どんどん前に進みます。頭はとりあえず、耳からはじめています。耳は、見れば見るほど変な形をしてますね。面白いです。
参考にしてるのは、なんのことはない、鏡に映った自分の耳です。日本人を作るときは、自分が資料になるのでいいですね(笑)
資料は「日本軍装備大図鑑」(アグスティン・サイス 原書房)がほんと役に立っています。高価な本ですが、実物の装備をこれでもかというくらい詳細にカラー写真で紹介してくれている、稀有で貴重な資料です。しかし、残念ながらちょこちょこ間違いがあるのでちょっと注意が必要です。「ん?」というところがあれば日本の書籍やサイトなどでクロスチェックするのがベターみたいです。ただ、その間違いが本の価値を下げてるかというと、全然そんなことはなく、素晴らしい内容だと思います。脚絆の巻き方については小林源文氏の「GENBUN MAGAZINE Vol001」にて、古田和豊氏が詳細に紹介してくださっており、非常に参考になりました。この記事がなかったら、かなり中途半端なものになってたと思います。アグスティン氏ともども、地道な研究を積みかさね、かつ私たちに情報を提供してくださっている方々には足を向けて寝られませんね、ほんと、、。
余談ですが、本のページを抑えるのはモデルガンが結構使えます。押さえやすくて、見やすいんですね。ガバメントなのはご愛嬌、ということでお許しを(笑)
それでは。
フィギュアを作るときはまず、2ミリのアルミの針金で芯を作ります。その上に麻紐を巻いて、瞬間接着剤でコチコチに固め、ある程度ポーズを決めてからタミヤの速硬化型のエポパテを盛り付けていきます。麻紐を巻くのは、単にエポパテの節約のためです。これが芯にエポパテを盛り付け始めたところ。
こうやって見ると「お前、大丈夫か?」っていうくらいひどいですね(笑) 芯をアルミにしているのは、後でグネグネ曲げて修正しやすいからです。また、さらに体のバランスを根本から修正したいときも、アルミなら切ったり削ったり出来るので安心です。今回もアルミの芯まではいかずとも、麻紐が露出するくらいまでは修正しています。最初からピシッと決められるなら、こういうことはしなくてもいいんでしょうけど、私は全然未熟者なので、仕方ないなあと。
大体のポーズが決まったら、足元からディテールを付けていきます。まずは編上靴を作り、おおまかな形が出来たところで、最初の難関の脚絆(ゲートル)に手をつけます。
まずふくらはぎの形を出し、その上にパテを薄めに盛り付けます。
パテがある程度硬化し始めるころから、ディテールを付けていきます。エポパテは、硬化時間によって作業のやりやすさが変わってきますので、自分がしっくりくる時間をつかんでおくとやりやすいですね。私は大体、練ってから2-3時間くらいがちょうどいいような。
資料を見ると、脚絆の巻き数は大体こんなもののようです。印象だと、もっと巻いているような気もしましたが、そうでもないみたいです。
脚絆は日本兵のシンボルみたいなものですので、出来るだけ頑張りました。巻き方は通称「竹の子巻き(営内巻き)」と「戦闘巻き」の2種類があったようです。「戦闘巻き」は緩みにくくするために脚絆の端についている紐を脛の前でクロスさせる巻き方です。
戦闘中だから必ず戦闘巻きだというわけでもないようです。最前線の写真でも、兵士によってまちまちです。好みの問題もあったのかもしれません。
というわけで、苦労しましたがなんとか形になってくれました。
しかし、足を切って左右別々に作ったために、巻いた感じが左右でアンバランスになってしまい、この後で修正しました。編上靴の紐は、糸ハンダで表現しましたが、ちょっと太いですね。後で、リード線などに置き換えようかなと思ってます。スクラッチは、いつもそうなのですが「できた!」と思っても、「やっぱやり直し!」の繰り返しですね、、。
後ろから見たところ。最後にふくらはぎの上部で、脚絆の紐を巻いて縛って終わりますので、結び目をそれらしくします。
次に、太ももから上の胴体に入ります。九八式軍衣跨はしわとか着膨れの感じが独特で、写真とにらめっこしながら作ってますが、それっぽくするのが難しいです。
何と言いますか、欧米の軍服に比べるとちょっとボテッとしているというか、野暮ったいというか、、。裁断の違いなんですかね。欧米のは、体のラインがもっとはっきり出ていてシュッとしているような気がします。こういうのは、一般社会のファッションの洗練度を反映してるんでしょうね。日本軍のはあえて言うと、ソビエト軍の軍服に近いような。まあ、結局はそれぞれ「●ナカもん」ってことなのでしょう(笑) 今回は夏服なのであまりそうでもないのですが、冬服だとお腹が「ポコッ」としてることが割とあります。やせてる兵士でも「ポコッ」としてます。装具のベルト類の締め付けの具合のせいにも見えますし、着膨れのようにも見えます。そういえば、ファインモールドの四一式山砲のフィギュアは、この「ポコッ」がきっちり再現されています。さすがであります。
この上に装備を付けるので、胴体のしわとかはほとんど隠れちゃうんですけど、それなりにきちんと作りたいなあと思ってます。
で、これくらいのスケール(1/12)だと、階級章など細かいディテールが付けられるのが嬉しいです。階級章も、ほんとは立体的になってますからね、、、。
腕前の問題でもあるのですが、こういうのは35だと再現が難しく、バックルとかはそれっぽくしか出来ないのですね。バックルや脚絆の結び目など「機能している」という感じになんとか出来るのは、大スケールの醍醐味だと思います。
というわけで、胴体の大体の目処が付いたので、次は手と頭、装備に進みます。作業をやりやすくするため、手足などは分割できるようにしています。
これが一つになる日が来るといいんですけどね。いつになることやら、、、。フィギュアって、35でもそうなんですが、大体形になってからの方が大変なような気がします。細部の修正や仕上げなどはやってもやっても終わらないような印象で、最後の最後のころになると、見るだけで「ロッパー!」となりそうなくらいです(わからない人は「えの素」「ロッパー」で検索。※責任は持ちません)。今回の写真も「まあ、大体できたかなあ」ってところなんですね。結局は自分がどこで納得できるか、という。でも、完成後数ヵ月後くらいに見ると「あちゃー!!」って頭を抱えるという。そんなのの繰り返しですね、、、。ほんと奥が深いと思います。
とかいって、頭を抱えていても仕方がないので(笑)、どんどん前に進みます。頭はとりあえず、耳からはじめています。耳は、見れば見るほど変な形をしてますね。面白いです。
参考にしてるのは、なんのことはない、鏡に映った自分の耳です。日本人を作るときは、自分が資料になるのでいいですね(笑)
資料は「日本軍装備大図鑑」(アグスティン・サイス 原書房)がほんと役に立っています。高価な本ですが、実物の装備をこれでもかというくらい詳細にカラー写真で紹介してくれている、稀有で貴重な資料です。しかし、残念ながらちょこちょこ間違いがあるのでちょっと注意が必要です。「ん?」というところがあれば日本の書籍やサイトなどでクロスチェックするのがベターみたいです。ただ、その間違いが本の価値を下げてるかというと、全然そんなことはなく、素晴らしい内容だと思います。脚絆の巻き方については小林源文氏の「GENBUN MAGAZINE Vol001」にて、古田和豊氏が詳細に紹介してくださっており、非常に参考になりました。この記事がなかったら、かなり中途半端なものになってたと思います。アグスティン氏ともども、地道な研究を積みかさね、かつ私たちに情報を提供してくださっている方々には足を向けて寝られませんね、ほんと、、。
余談ですが、本のページを抑えるのはモデルガンが結構使えます。押さえやすくて、見やすいんですね。ガバメントなのはご愛嬌、ということでお許しを(笑)
それでは。