森男の活動報告綴

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九六式三号艦戦改造キット製作記 (その3)

2019年08月25日 | 模型の話題
昨日、三号艦戦改造キットの製作記(その2)をUPしたのですが、えーと、、、結論から先に言うと大問題が発生しまして、リリースを延期させていただきます。

昨日ブログをUPして、今日は「じゃあラストスパートに入ろうか」と思って、キットのインストなどの準備を進めていました。これは、イスパノスイザエンジンのイラスト。
パーツ複製の目処が付いたころから、こういうのをちょっと前からちょこちょこ描き進めてまして、インストを製作し始めてたのです。4年前に着手したときは、このエンジンの図面が見つからなくて、手に入れた写真だけで外寸を推測して、機首のアウトラインを決めました。以前のエントリーでも書きましたが、「日本航空機総集」「世界の傑作機」の図面の機首の形状では、エンジンが納まらないように見えたんですね。

今回、インストのイラストのために「もうちょっとエンジンの資料が欲しいなあ」と思ってウェブ上で探してみたら、寸法付きの図面が手に入りました。当時はなかったように思いますが、その辺は不明瞭です。探し方が悪くて、当時からあったのかもしれませんが、まあなんであれ、ありがたくDLしました。
機体の図面とエンジンの図面を重ね合わせて「ほら、ね、「総集」「世傑」図面にはイスパノはやっぱり入らないでしょう」的な略図も入れたいなあ、と思ってたので渡りに船でした。

これが、そのインスト用に「総集 三菱篇」の三号艦戦の図面をトレースしたもの。

こちらは、「総集 輸入機編」のドボアチンD510の図面をトレースしたものです。
これが、上のイスパノエンジンの図面をトレースしたもの。
どれも、ちょっと線がガビガビですけど、寸法・アウトライン的にはほぼ正確だと思います。そして、線が太いので、実物のアウトラインは線の内側くらいだと考えて下さい。

で、三号とイスパノのトレースを合わせてみたら、びっくりでした。ほぼピッタリなんですね。

完璧といっていいくらい綺麗に収まりました、、、。キットの準備を進めている身としては「何かの勘違いじゃないのか!?」「図面の縮尺を間違えたんじゃないのか!?」「責任者出てこい!! あ、俺か!」などとジタバタして、何度となく寸法を確認したのですが、間違いなかったです。多分、これが本当です、、。
図の矢印は、空冷エンジンのエンジン架基部のラインです。なので、ここから後ろにエンジンが位置することは多分ありえません。前に位置したとしても、エンジンの先端がスピナーまではみ出ますのでありえません。なので、この位置がほぼ正確なんじゃないかと。「とても収まらない」という感じではありません。ピッタリです。多分、この機首形状で収まるでしょう。

もちろん、機首下部に何らかの部品が付いている可能性もないことはないのですが、ドボワチンにそれが見られない上に、そもそも「そういう部品はない」という前提でこちらが考えてデザインしていたので、もう完全にアウトです。

モーターカノンの尾部はそのラインからはみ出ていますが、計器板とフットバーの間にギリギリ収まりそうな感じです。計器板から独立して、下部にはみ出ている計器の「酸素圧力計」と「前後傾斜計」が邪魔になりそうですが、ちょっと脇にどければ大丈夫な感じです。この点も、かなりリアリティがあるような、、。

正面図もほぼピッタリでした。シリンダーヘッドと機首バルジは、クリアランスがちょっと変な感じもしますが、まあ許容範囲です。少なくとも「この図は怪しい」とはとてもいえないレベルです。
上の図のシリンダー部左右の黒い出っ張りは排気管です。これは私が描き足しています。シリンダーヘッドの角度的に、排気管の位置は正面から見て斜め下になると思われるのですが、側面図との位置関係も「総集」「世傑」図面とほぼ一致します。

ドボアチンD510はどうだったのか、と思って当てはめたのがこれです。
シリンダーヘッドに比べると、機首のバルジが大き過ぎるように見えます。設計上、出っ張りの類を不必要に大きくすることはまあありえないと思いますので、これは縮尺を間違えたのかなあ、という気もします。実際、「総集」の図面を全長と側面図を合わせると、上面図の全幅が合いませんでした。この辺の狂いもあるのかもしれません。排気管の位置も、いまいち合わないような感じです。しかし、エンジン機体とも縮尺がちょっと間違っていたとしても、アウトライン上の矛盾点はあまりないように思えます。でも、このD510との整合性はもうちょっと突き詰めてみたいところです。きちんとスケールが出てる図面って、見当たらなかったもので、、。

なんであれ、「総集」「世傑」の三号艦戦図面は「恐らく正しい」ということがわかりました。

というわけで、最後の最後に来て、キットをいろいろとやり直さなければならなくなってしまいました。

まずそれよりも、これまでの拙ブログで「「総集」「世傑」図面が疑わしい」というスタンスでいろいろと書いてきたことを、関係各位に心からお詫びしたいと思います。

これまで書いたことは、いろいろな資料を元に自分なりに咀嚼した上で「自説」として展開していました。しかし、その「自説」は、そもそもとして、基本的な資料の収集とそれを元にした検証を怠った上での「あやふやな自説」だった、ということです。これは、100パーセント私の過失です。この点についてはお詫びのしようもありません。

過去のブログ内では該当箇所に追記の形として、この点が間違っていたことを説明するとともに、このエントリーをリンクしております。本当に申し訳ありませんでした。

というわけで、キットの完成はもう少し先になってしまいました。これまた申し訳ありません。変更点としては、前述の通り機首形状を「総集」図面にしたいと思います。これが「総集」図面です。



4年前の最初の製作時は「総集」を持ってなくて「世傑」図面を参考にしました。今回、見比べていたら「この2つは全く同じものではない」ということも分かりました。なので変更に関しては大元と思われる「総集」図面を基本に造型してみたいな、と考えています。パーツ以外にいろいろやり直すこともあるので、リリースはまあ3ヶ月から半年後、くらいに考えていただければと思います。ほんとすいません、、。

というわけで、やっぱり「山」がもう一つありました、、、。頑張って一歩一歩登って行きたいと思います。いやー、ほんと3歩進んで2歩下がる、って感じですねえ、、。でも、間違ったものをリリースしないですんで、ほんとによかったなあと思ってます。きわどいところでした、、。

それでは。




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