今発売中の月刊ホビージャパン5月号に、模型のお仕事が載りました。お題は九六式三号艦戦です。※この写真は私の撮影したセルフ写真です。誌面には載っていません。
ファインモールドの二号一型キットからの改造記事です。興味のある方はぜひご覧下さい。計3ページで、写真も大きく、製作過程も紹介していただいております。
この作品は製作途中、当ブログにて紹介していましたが、中断していました。製作中、編集部から声を掛けていただいたため、アップを控えていました。何卒ご了承下さい。
これはずっと以前から作りたかった大好きな機体で、頑張って製作しました。モーターカノンのテスト用に、九六艦戦にフランスのイスパノスイザエンジンを載せたと言われている幻の機体(写真などが現存していない)です。洗練された九六艦戦の機体に液冷エンジンを載せた姿は非常に美しく、作りがいのある飛行機でした。試作型と実戦型の二機を製作しています。
新製品でもない、かなりマイナーな機体の製作記を掲載していただいて、本当に感謝感激です。記事にも書きましたが、これを見てこの機体に興味を持たれる方が少しでも増えてくれれば嬉しいです。また、現存しないと言われるこの機体の写真や図面が発見・発表されることを願っています。その際に「もう根本的に違うじゃん!」となっても全然OKですし(笑)、恐らく出てくれるであろう(希望)キットを粛々と作るつもりです(笑)
<2019年8月25日追記>
後日、調査の結果、記事に書いた機首の形状については「世傑」図面が正しいらしい、という結論に達しています。お詫びの上訂正します。詳しくはこちらをご覧下さい。
<追記終わり>
で、私の好きなホリエカニコ氏の漫画の隣というのも嬉しかったです(笑) ホリエカニコ氏の「第二次大戦紳士録」(HOBBY JAPAN)は日独の将官の人間的魅力を軸に、戦時での苦闘苦難を描いた漫画で(パウルスの回とかたまらん、、、)、お勧めです。
あと、話題をもうひとつ。先週、九四式拳銃に関して悲しい出来事(前回の投稿参照)があったので、メインの作業の合間にコリコリと作ってみました。グリップとコッキングピースは板鉛を張って、デザインナイフで筋を入れています。ここまで小さくなると、エポパテよりも使いやすいですね。
銃は、小さいので少しでもバランスが狂うと似なくなるので難しいですね。横にモデルガンを置いてチラチラ見ながら作りました。似てますかね?(拳銃も弾丸ももちろん合法品のレプリカです)ホルスターはキャンバス地のタイプ(もちろんレプリカ)。タミヤもドラゴンも皮製のタイプなので、これも作ろうかなと思ってます。南方では湿気に弱い皮よりもキャンバスタイプがよかったのではないかと思います。また、十四年式のホルスターや小銃の弾薬盒も、綿またはリネンにゴムを染み込ませたゴム引きタイプがあり、南方ではこれまたこちらの方が長持ちしたそうです。九四式用のゴム引きタイプもあった可能性も高いのですが、見たことがないですね。あったなら見てみたい、、、。どーでもいいですかそうですか。
どーでもいいついでに書きますが、九四式拳銃というと必ず「トリガーを引かずともトリガー上のシアバーを押せば暴発する欠陥拳銃」と、枕詞のように言われます。実際、そうなので(笑)欠陥なのですが、これは例えば軍の訓練を受けない市民用に市販された護身用拳銃とすれば欠陥だ、ということであってそのまま日本軍の制式拳銃としても欠陥になるかといえばそうではありません。
Wikiにも書かれていますが、非戦闘時には拳銃から弾丸を抜いておくという規定があったそうで、その規定を受けて開発された拳銃ですから、軍内では問題になりえないわけです。まがりなりにも主要参戦国の軍用制式拳銃として11年もこの「欠点」が改良されずに使用されていたことから考えると、軍内で欠点として認識されていなかったと考えたほうがよさそうです。例えば、十四年式拳銃は、途中からマガジンセフティ(マガジンを抜くとトリガーが引けなくなる安全装置)を追加していますが、それまでの旧型もわざわざ回収してセフティを追加して再配備しています。その正確な理由はわかりません(いろいろ推察はできますが、、、)が、これは、軍内で「これは欠点であり、改良の必要がある」と認めたということです。
日本軍はいろいろと誤解されている点が多々あると感じているのですが、私がこれまで知りえた範囲では、かなり冷静で現実的な組織(というか、軍隊というものはそうでなければ存在し得ないのですが)だったという印象です。精神主義や官僚主義が横行・先行して日本を破滅に導いた、という点も確かにあるとは思います。しかし、決してそればかりではなかった、ということです。簡単に言うと「いいところも悪いところもあった」という感じでしょうか。うーん、なんかすごく当たり前のことを書いてますね(笑)
閑話休題。兵器は、採用する軍(まあ、今風にいえばクライアントですね)の要求に応じてメーカーが開発・製造・生産し、晴れて納品されるものですので、現在のユーザー(消費者)視点のみでの価値観(しかも、それは人によって違うわけで)で評価しても仕方がないのですね。これは、兵器に限らずいろんなことにいえますよね、、、。なんであれ昔の物事を現在の価値観で批評批判する際は、ほんとに細心の注意を払いたいところです。
いや、銃の話(途中からそうじゃなくなったけど)になるとつい長くなりますね。すいません。日本軍の弁護はほんと大変ですね、、、。
というわけでまた。ホビージャパン、ほんとよかったら見てくださいね。