大阪で日本酒と言えば、ここ。大国町の「山中酒の店」。
店構えというものではありません。「山中酒の店」は、日本酒ファンをひっそりとさりげなく待っています。
今日は「日本酒と料理の相性を楽しむコース」です。お店のお任せでお酒と料理をセットで次々と出してくれます。
とはいうものの、乾杯はビールで。木内酒造が作っている「常陸野ネストビール」から選びます。
私はイギリスで愛飲されている種類の「ペールエール」を。付き出しは「豆アジの南蛮漬け」です。
さぁ、コースが始まります。まずは、、、
宮城の銘酒「伯楽星」。料理はお造りです。
白身の魚に合うさっぱりした飲み口。一杯目としては確かにこのテイストのお酒でしょうね。お造りは醤油は不要。昆布〆された刺身を白醤油のジュレでいただきます。
2品目は「グレの何とか味噌焼き」(忘れました)。お酒は和歌山の「黒牛」。飲んだことがある方も多いのでは。
この味噌最高。まさに日本酒の肴です。お酒が進みます。
「黒牛」は癖のない香り高いお酒。味噌とケンカしない相性ばっちりの上品な味わいですね。
3品目は、貝柱と魚の八幡巻風の揚げ物をバルサミコ酢のソースでいただきます。お酒は三重の「妙の華」。
料理がとにかく凝っているし、うまい! 貝柱にはジャガイモ?の細切りを衣として纏わせています。
かなりの大皿。バルサミコ酢の甘酸っぱさが料理のアクセントですね。これと合わせられた「妙の華」はしっかりとした味わい。どちらかと言えば癖があります。バルサミコ酢にも負けない存在感。純米酒独特ですね。
4品目。ここからは更に日本酒の癖が強くなってきます。福岡の太刀洗の純米吟醸酒「チカーラ」。全く聞いたこともありません。
料理は何とグラタン。チーズと日本酒。なかなかのチャレンジです。
このグラタンがまたうまいこと。タコがプリップリです。下にはさつま芋のペーストが敷かれています。
「チカーラ」の印象は、酸っぱい、しっかり。ここまで酸味のある日本酒って珍しいと思います。ラベルもそうですが、どうも白ワインを意識しているのでは。そのせいか、チーズとの相性はいいですね。
ちなみに、「チカーラ」とはイタリア語で「セミ」のことだそうです。一升瓶の裏には、、、
「夏純吟」という表記が。夏のお酒なんですね。
そろそろ終わりかなと思ったら、ここで本日一番の大皿登場!
酒のアテの盛り合わせだそうです。写真では分かりませんが、この皿、直径40cmはあると思います。
これでもびっくりなのに、出てきたお酒にびっくり。にごり酒です。
奈良の「生酛のどぶ」(なまもとのどぶ)。
店員さんが「冷と燗どっちにしますか?」。えっ、にごりの燗?! これは燗でいくしかないでしょう。
絶妙のぬる燗で再登場しましたが、これがまた癖があっていい感じです。これぞ「ポン酒」という味わいです。シンプルな酒のアテとともに最後に仕上げろという意図がビンビン伝わってきます。うまい!!
〆はカニ雑炊。
いやぁ、カニの身ががっつり入っています。出汁も最高。酔い覚ましには最高の〆です。
満足満足、、、って思っていたら、「食後のお酒です。」と。
愛知の「人生劇場」。
これが強烈。本日一番の癖のあるお酒。確かに相棒の料理は不要なほどの自己主張のある日本酒です。
最後にガツンとやられました。常温で出てきましたが、かなりの辛口・濃厚さですので、個人的にはロックでいきたいと思いましたね。
「山中酒の店」、評判に違わぬ名店です。¥6000のコースでしたが、これだけの料理と6種類の日本酒。かなりのお得度だと思います。
今日の個室は4階。4名でゆったり。同じビルの2階には、4種類の日本酒と簡単なアテで¥1000というショットスペースもあります。
日本酒好きの方は一度は行くべき名店ですよ。
大国町まではちょっと、、、という方は、直営店が、心斎橋に「まゆのあな」、天満に屋台風の「山中酒の店」がありますので、こちらもおススメです。