
先日お話しした、初期型となるカワサキ「ZX-6R」が海外の「4スト600ccクラス」で始まった専用の「スプリント(SS)レース」に向けて、
初めて投入を開始した、その2年後の1997年に、スズキからも同等クラスのモデルとなる「GSX-R600」の初期型(W/X/Y型)を発売開始します。
このモデルも基本的には「海外輸出モデル」として登場した経緯で、この排気量に馴染みがまだない国内では逆輸入と言うカタチを取ってたんですよね。
ただ、急ぎ開発を進めた(これはボクの想像です…)ためか、同時期にモデルチェンジが行われた1997年式の「GSX-R750」をそのままに、
排気量のダウンモデルとして登場した感がありました。(笑)
見た目はほぼ同じで、ただよく見ると「GSX-R750」のフロントが「倒立」なのに対しこの「GSX-R600」は「正立」であったり、
こっちの「GSX-R750」がフューエルインジェクション(FI)化されたのに対し、この「GSX-R600」は機械式キャブであったりしています。
比べると、そこまで違うので、やはり上記で述べた「ただの排気量ダウンモデルじゃないですよ!」って事なのかもしれません。(笑)
また、スズキにとっての大型スポーツ「レーサーレプリカ」は、初期モデルとなる1985年式の「GSX-R750」から既に長い伝統を持っており、
他社より少し開発が進んでた状況だったので、この600cc「スーパースポーツ(SS)」の先駆けとなるモデルに対しても「早い反応であった」とも言えます。
ちょうど世の中が2ストに対して排気ガス規制を厳しく考え始めた時代にあって、それまで存在してた2スト250ccで行われる「WGP」で言うところの、
「GP250」を筆頭とするこのクラスのレースが、4スト600ccによる現在の「moto2」となる前兆が既にこの時代から始まってたと言う事も考えられます。
特に北米で行われてる「AMAスーパーバイク選手権」や、ヨーロッパ各地で行われてた「市販車改造クラス」による国際レースなどが先にそうなって行きます。
実際、国内4メーカーを見返しても2ストモデルに関しては1994年を境に新たな開発は各社とも行なっておりません。
分かりやすく車種で言うところの、ホンダ「NSR250R」やスズキ「RGV250ガンマ」であったりヤマハ「TZR250R」などがそうです。
ただ、1999年まで生産販売されてはいたんですけどね。(笑)
そんな「角期を迎える事となった時代」が、ちょうどこの頃だったと言える訳です。
で、話をこの「GSX-R600」に戻しスペックを調べてみますと、エンジンは水冷式4スト並列4気筒DOHC4バルブで排気量が599cc、
最高出力は106psで最大トルクが6.7kgとなってて、タイヤサイズがフロント120/70ZR17(58W)のリア180/55ZR17(73W)となっており、
カワサキ「ZX-6R」より、現在の大型ミドルに近いサイズとして太いものが採用されていました。
また、当時のレース成績を見てみますと北米を中心に「圧倒的な強さ」を誇ってた様で、スズキがいかにこのクラスに強いかを実証した結果を残しています。
結局、この初期型「GSX-R600」の最終モデルは2000年までで、2001年からは次の2世代目になる「K1/K2/K3型」へと進化を遂げます。
で、最後に中古市場を見てみますと、大体安いもので50万円あたりから高いもので80万円前後で取引されている様です。
もちろん最終モデルでも20年以上経ってて古いですし、国内での販売はなかったので球数は非常に少なめです。
先日の「ZX-6R」同様、どうしてもこの時代のモデルが欲しいって方がいれば、時間をかけてじっくり探すか、海外サイトで見つけるしかない気がします。
さで、今日の初期型「GSX-R600」いかがだったでしょう!(笑)
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