どの時代、どこの国でも「オートバイと不良」はつきものの様で、日本に限らずオートバイに乗る「ならず者」は世界中にいるものです。
日本では言わずと知れた、60年代のカミナリ族と言われた若者から派生した「暴走族」たちの存在です。
彼らの活動は70年代から80年代が全盛期で、今も若干ですが「時代錯誤」な若者が爆音で市街地を走りまくっていますよね。
全盛の「暴走族」は四輪も含め数十台、もしくはそれ以上の大集団でチームが構成され、道路を封鎖する様に走り警察を欺き、
互いの「縄張り争い」で決闘なる喧嘩もしくは殺人を起こす事もあったほどです。
この「暴走族」の場合、面白いのはチームによって大きく「信念」が異なり、走りに徹するチームもあれば喧嘩を目的とするチームもあったという事です。
今から思えば、あれも「ツッパリ」という一時期の流行りの様なもので、
いわゆる根性をどこまで見せる事が出来るかがステータスとなってしまい、仲間内でのガッツが彼らには重要だった様です。
更にチームの頭を張るほどの実力者の場合、引退後の大半は、そのままヤクザに転向して行くと言う優等生なレールまでありました。
現在は、もうそこまでの状態ではない気がしますけどね。(笑)
また海外の目を向けると、アメリカでは60年代から現在にかけてハーレーを愛する「バイカー」なるギャング集団が存在します。
彼らの全盛期は60年代後半から70年代中盤にかけてで、一時期は社会現象もしくは政治にも関与するほど勢力を誇った時期がありました。
密輸入、クスリ、大麻、強姦、暴力、殺人、ビールと、ほぼ悪の限りを尽くす勢いがあって、仲間同士でも厳しい掟があり、
ロサンゼルスやシカゴの様な大都市では、数千人と言う規模を誇った大きなチーム(ヘルズエンジェルスなど)も存在してて、
時には仲間同士で殺し合う事もよくあった様です。
この時代は今と違い、放浪者(アウトロー)の様な生活の中で、表向きには「モーターサイクルチーム」として存在していました。
今ではその数も劇的に減少しており、オートバイに乗る本物のギャングはほとんどいなくなり、
逆に当時の若者だった年配者が雰囲気だけアウトローな格好をして、週末のイベントを楽しんでる状況まで回復してるのが現状です。
そして、最後にイギリスではカフェショップ(有名なところではエースカフェ)に溜まる「ロッカーズ」なる公道レーサー集団がいました。
彼らはイギリスならではの階級社会の底辺をいく「労働者階級」の子供達で、
生まれながらに夢も希望もない、将来や現状を悲観もしくは反抗心として、社会に対する反逆意識で生まれた現象です。
恵まれた環境で悪さをする日本人とは、ちっと違う「ちゃんとした理由」が彼らにはあったんですよね。
彼らは一般道でレースをする事を目的として集まっていた為、激走し事故を起こし、死人も多数出てこれまた社会現象になった経緯があります。
更に中流階級で構成された、おしゃれな悪ガキ集団「モッズ」と言うベスパー集団との抗争も有名です。
いやぁ、世界中でオートバイに関わる「悪」が、こんな感じで色々あるんですね。
ただ、これに対していつまでも過剰なほどオートバイを「怪訝(けげん)」する国は、まさに日本です。
この事で相変わらず「オートバイ=悪」というイメージを持ってるのも日本が一番で、趣味としてオートバイを愛する我々にとって、
とても邪魔で、いい迷惑となってることは間違いないでしょうね!(笑)