令和2年1月31日に,JAいしのまき稲作部会主催の稲作総合検討会が行われ,管内の生産者60名が出席しました。今回の検討会では,JA全農みやぎから,米穀情勢や農薬開発の動向について説明があり,普及センターからは令和元年産水稲の生育概況と次年度に向けた対策について説明を行いました。
令和元年は,田植え後の天候に恵まれて初期生育が旺盛だった一方,6月中旬から7月中旬の低温と日照不足,8月上旬の出穂後の高温により,宮城県の一等米比率は,過去10年で最も低い,65.4%となりました。JAいしのまき管内においても白未熟粒が多くみられるなどの影響がありました。このため普及センターから,白未熟粒の発生を防ぐために,品種の特性に合わせた茎数・穂数の確保,後半の幼穂形成期以降の葉色を低下させないため,追肥の実施や緩効性肥料の施用,堆肥等の散布による土づくりによる登熟期間の稲体の栄養分の維持について説明を行いました。
また,宮城県の新品種のだて正夢と金のいぶきの栽培では,品種に合った栽植密度での田植えで穂数が確保され,また追肥の実施により,生育後半の葉色が維持されて収量が向上したデータを示しながら,品種に適した栽植密度と追肥の重要性を説明しました。
普及センターでは,令和2年産”高品質宮城米づくり”推進方策で示された,「晩期栽培や直播栽培等の取組拡大」,「品種とほ場条件に合った施肥と水管理や栽植密度」,「堆肥等の有機物施用による土づくり」に基づいて,今後も石巻地域の水稲栽培を支援して参ります。
令和2年2月14日,名取市閖上公民館を会場に第2回女性農業者ステップアップ講座を開催したところ,管内の若手女性農業者4名が参加しました。
8月の第1回講座で農場PRのポイントを学び,その後参加者それぞれが作成した資料をもとに3名がPR演習を実施しました。2名については農場を案内しながら,1名は会議室で演習を行いました。参加者の経営内容が異なったため,各自作成してきたPR資料は,それぞれ個性的で,作成者の特徴がでていました。資料の改善点等について(株)スリーデイズ代表取締役伊藤理恵氏にアドバイスをいただくとともに,参加者からも多くの意見が出され,予定していた研修時間では足らないほど盛り上がりました。
終了後,参加者からは「自分と違う作物の作業内容を知ることができて良かった」「いろいろな意見が聞けてよかった」「資料をさらにバージョンアップしていきたい」と好評でした。
普及センターでは,今後も次世代を担う女性農業者を支援していきます。
<連絡先>
宮城県亘理農業改良普及センター 先進技術班
TEL:0223-34-1141 FAX:0223-34-1143
大谷地区を含む気仙沼・本吉地域は,かつて馬鈴薯の全国的な産地として知られていました。旧大谷農協では,大谷の頭文字をとった「丸大(まるだい)印の馬鈴薯」として東京市場等に出荷し,昭和25年には香港に輸出したこともありました。
道の駅「大谷海岸」と本吉農林水産物直売組合では,このブランド馬鈴薯を復活させようと「まるだいいもプロジェクト」として動き出し,直売組合の20人ほどが栽培に取り組むこととしています。1月28日には普及センターが講師となり,栽培講習会を行いました。
道の駅「大谷海岸」は,東日本大震災による防潮堤工事に伴う移転により,来年3月にリニューアルオープンします。馬鈴薯の加工品を含めて,新しい道の駅の看板商品に育てたいと構想を膨らませているところです。
<連絡先>
宮城県気仙沼農業改良普及センター 地域農業班
TEL:0226-25-8068 FAX:0226-22-1606
去る1日24日,今年度2回目の栗原地域普及活動検討会を開催しました。
この検討会は効率的で効果的な普及指導活動を推進するため,農業者や教育機関,流通事業者,関係機関・団体等の外部有識者から普及活動の内容や手法,今後の普及事業のあり方等について検討いただくため毎年開催しております。
今回は,今年度計画した5つのプロジェクト課題の活動結果と次年度新規に計画する1つのプロジェクト課題について検討を行いました。
今年度の活動結果については,「収量水準」など技術面の達成状況や課題対象者の「新技術」導入意向の確認等に加え,「商品の取扱店舗等のパンフレットがあると良い」,「利益の視点を加えた活動が必要」,「農泊や観光との連携も検討」,「収量だけでなく,収穫・調製もネックとなる」といった,意見・助言をいただきました。
また,次年度の新規計画については,活動地域の現在の状況や普及活動の出口の確認に加え,対象者の抱える課題に対する優先順位のつけ方や現地活動の際の留意点などの助言をいただきました。
今回の普及活動検討会でいただいた助言・意見等については,今後,所内でとりまとめを行い,これからの普及活動に活用していくこととしています。
<連絡先>
宮城県栗原農業改良普及センター 地域農業班
TEL:0228-22-9437 FAX:0228-22-6144
これまでの普及活動の方法や内容などを振り返るとともに,今後の普及活動の効率化と効果的な方法を探るため,外部検討委員9名に出席をいただき,「令和元年度第2回石巻地域普及活動検討会」を2月6日に開催しました。
本年度に石巻農業改良普及センターで行っているプロジェクト課題4課題すべてが終了するため,活動実績の検討に加えて,令和2年度の普及指導計画からスタートする新規プロジェクト課題5課題の内容についての検討を実施しました。
委員の方々からは,法人の経営安定や環境制御技術の更なる技術定着に向けて,継続して支援していくことに併せて,今後の産地づくりを目指した高収益作物の導入と普及拡大に向けた取り組みの必要性などについて御意見をいただきました。
今回の検討会で各委員よりいただきました御意見等を参考に,次年度の普及活動方針や普及計画等を策定し,これからの石巻地域の農業振興を力強く推進していきます。
<連絡先>
宮城県石巻農業改良普及センター 地域農業班
TEL:0225-95-7612 FAX:0225-95-2999
石巻農業士会は,令和2年2月3日から4日にかけて,現地視察交流会を開催し,7名の会員が参加しました。
今回の内容は,①有限会社 川口グリーンセンターの取組,②ブルーファーム株式会社が企画し,岩出山・鳴子地域の生産者の方々と共に行っている「農ドブル」の体験,③有限会社 今野醸造の取組について現地視察研修を行いました。
①有限会社川口グリーンセンター 白鳥代表取締役より「地域農業の担い手として、農地を守る」という強い意志に一同感銘を受けると同時に、更なる規模拡大や事業展開を計画していることについて、経営基盤の安定化が大変重要だということを教えていただきました。
②ブルーファーム株式会社 早坂社長より,「農ドブル」で農産物を食文化と共にブランディングをしていることを紹介いただきました。加えて,早坂社長をはじめ、生産者の方々,研修場所を提供いただいた大沼旅館の大沼社長と情報交換ができ、参加された会員の資質向上につながる新たな刺激を得ることができました。
③有限会社今野醸造 今野代表取締役から,醸造の施設を見せていただきました。良質な味噌や醤油を製造するために、自ら大豆の作付けを始めたという信念や,地域のことを考えながら大豆の生産から味噌、醤油の醸造に取り組まれ,地域と一体となった活動をされていることに、効率や利益だけにとらわれない本来の製造業の姿を感じました。
今回の現地視察交流会では,会員の情報交換や親睦も図られ,有意義なものとなりました。
<連絡先>
宮城県石巻農業改良普及センター 地域農業班
TEL:0225-95-7612 FAX:0225-95-2999
令和2年1月24日(金)と2月7日(金)に,新規就農者等延べ36人を対象に,登米農業改良普及センターみやぎ農業未来塾「農薬の基礎知識」を2回シリーズで開催しました。
公益社団法人「みどりの安全推進協会」の森島靖雄講師から「農薬の基礎知識と適正な使用について」と題して,1回目は「殺虫剤・殺菌剤」,2回目は「除草剤」について,それぞれ前半部分は農薬の役割や法律の関係,安全使用上の注意点等について,後半は殺虫剤・殺菌剤及び除草剤の種類や作用機構,薬剤抵抗性・耐性の発達と対策等について,非常にボリュームある内容をかみ砕いてわかりやすく説明いただきました。参加者は熱心にメモをり,たくさんの質問も出され,終了後のアンケートでは,もっと深い内容も学びたい等の意見もあり大変前向きな様子がうかがえました。
普及センターでは今年度,12月に「土壌の基礎知識」,そして今回の「農薬の基礎知識」について学ぶ場を設け,農業全般に共通した基礎知識の習得支援を行ってきました。今後も集合研修会等をとおして,新規就農者の技術力向上を支援していきます。
<連絡先>
宮城県登米農業改良普及センター 地域農業班
〒987-0511 宮城県登米市迫町佐沼字西佐沼150-5
電話:0220-22-8603 FAX:0220-22-7522
今後の農業経営における人材確保や雇用定着等の経営戦略を考える一助とするため,令和2年2月4日(火)に栗原市内の認定農業者,農業法人等を対象に「令和元年度栗原地域農業経営セミナー」を開催しました。
講演の講師には,社会保険労務士・中小企業診断士・行政書士である,すずき労務経営コンサルタンツの鈴木大輔氏をお迎えし,「農業経営における労務管理と人材育成について」と題して,若者が持つ農業に対するイメージや求職内容,魅力を感じる職場環境等のあり方や雇用環境整備に必要な社会保障制度,人材マネジメント等について御講演をいただきました。また,意見交換では,講演の質疑応答のほか,法人経営者からの組織運営における苦労話などの事例紹介もあり,活発な意見交換が行われました。
出席した農業者40名は,全員熱心に聴講し,今後の農業経営を考える上で有意義なセミナーとなりました。
<連絡先>
宮城県栗原農業改良普及センター 先進技術班
TEL:0228-22-9404 FAX:0228-22-6144
令和2年1月16日,せんだい農業園芸センターみどりの杜を会場に,「『儲かる農業を実践する』みやぎ農業ICT活用セミナー」を開催しました。100名を超える参加があり,ICT活用に関する関心の高さが感じられました。
セミナーでは,始めに,「農業ICTの経営データを活用した儲かる農業を実践するために~全国の活用事例から見えてきたこと~」と題し,株式会社日本能率協会コンサルティング シニア・コンサルタント 今井一義氏から講演いただきました。これからの農業経営では,農業ICTを活用し,経営の特徴や課題をデータで見える化し,改善することが重要であり,ICTデータを効果的に活用する手順とポイントを,事例を交え,わかりやすく説明いただきました。
また,株式会社一苺一笑代表取締役 佐藤拓実氏及び有限会社アグリードなるせ 佐々木和彦氏からは,導入の経緯や経営・栽培データの活用事例を紹介いただき,その後,情報の共有化の定着をテーマにパネルディスカッションを行いました。
セミナーと同時開催したICT活用機械・機器展示会では,ほ場管理システム,生産管理センサー,ドローン等10社の展示を行い,多くの生産者で賑わいました。来場者からは,「数種類のシステムやドローンを実際に見ながら説明してもらうことで,導入に向けて参考になった。」などの声が聞かれました。
県では,今後も県内の農業生産者にICT技術の活用について情報提供を行い,普及推進していきます。
〈連絡先〉
宮城県農政部農業振興課 普及支援班
〒980-8570 仙台市青葉区本町三丁目8番1号
TEL:022-211-2837 FAX:022-211-2839
E-mail:gbfs@pref.miyagi.lg.jp
令和2年2月7日金曜日に,蔵王町文化会館で蔵王なし病害虫防除研修会が開催され,JAみやぎ仙南蔵王地区なし部会員約50人が参加しました。
蔵王町のなし生産量は県内一ですが,令和元年は,開花期の雨に加え,6月~7月の長雨と低温で推移したことにより,なしの黒星病の発生が多かった1年でした。
普及センターからは,JAみやぎ仙南蔵王地区なし病害虫防除暦の内容及び薬剤の使用方法について説明しました。また,宮城県農業・園芸総合研究所園芸環境部の職員から,なしの黒星病防除対策の落葉処理や薬剤防除等について講義いただきました。
今回の研修会で伝達したなしの黒星病防除対策を実践することで,本年も蔵王町の安全・安心なおいしいなしが,数多く消費者に届けられることが期待されます。
〈連絡先〉大河原農業改良普及センター
TEL:0224-53-3496 FAX:0224-53-3138
蔵王町の収穫間近のなし(令和元年10月)