山元町・亘理町内では,新たな園芸品目として「いちじく」が注目され,栽培面積も急激に増えています。ただ,用途としては「甘露煮」が殆どであるため,消費量の限界が感じられます。
そこで,いちじくの消費拡大の一環として,新たな用途を生活者に提案し,需要を伸ばすため,平成22年10月26日(火)に「平成22年度 いちじく活用講座(第1回目) ~いちじくの品種特性及び活用法の提案について~」を開催しました。
当日は,いちじく栽培に取り組んでいる農業者やJA担当者13名の参加がありました。
第1部の「いちじくの品種特性」では,宮城県農業・園芸総合研究所園芸栽培部総括研究員菊地秀喜氏から,いちじくの歴史,種類,品種,栽培方法,活用方法,食文化などについての講話がありました。いちじくはぶどうとともに旧約聖書にも登場する「人類最古の栽培食物」であること,日本では江戸時代に中国から伝来したことなどの話がありました。また,新たな栽培方法として農業・園芸総合研究所で取り組んだ「ジョイント栽培」の紹介があり,生産者は興味深く聞いていました。
第2部の「いちじくを活用した新たな料理」については,わたり温泉鳥の海料理長佐藤信氏から,「無花果三題」として「無花果煎り出し」「無花果田楽」「コンポート2種」が提案されました。煎り出しは「桝井ドーフィン」※による揚げ出し,田楽は「ビオレソリエス」※による天麩羅田楽,コンポートは胡麻飴かけ及び梅垂れかけのシロップ炊きとしていちじくを活用する提案でした。それぞれいちじくの甘み・風味を生かした今までにない料理で,生産者の方からは「このような食べ方もできるんだ,美味しい」といった感激の声が聞かれました。
当普及センターは,今後とも地域の農産物の新たな活用方法を生活者に伝えることにより,生活者に選んでもらえる農産物の生産を支援し,生産者の所得向上と地域の振興に向けた活動を継続していきます。
<連絡先>亘理農業改良普及センター 0223-34-1141
※「桝井ドーフィン」「ビオレソリエス」は,各々いちじくの品種名