三木市議 大西ひできの方丈記

日常生活と三木市議会議員の日常記
「人は宝、子どもは希望」
三木市の再生は人材育成から。

6月議会所信表明(市長)

2021年06月15日 | 三木市政

6月8日、三木市議会が開会され、三木市長の所信表明が行われました。

 

令和3年6月8日
第 3 6 5 回 三 木 市 議 会 定例会 に お け る所 信 表 明
三木市長 仲田 一彦


1 はじめに
第365回三木市議会定例会に当たり、議員の皆さま、市民
の皆さまに、所信の一端を申し述べる機会をいただきました
ことを大変光栄に存じます。
このたびの市長選挙におきまして、多くの市民の皆さまか
らの力強いご支援をいただき、2期目の市政を担わせていた
だくこととなりました。
コロナ禍の真っただ中にある今、この 未曽有の脅威から市
民の命と生活を守り、安心を届けることが今の私に課せられ
た最大の使命であり、2期目となる市長の重責に改めて 身の
引き締まる思いとともに、決意を新たにしているところでご
ざいます。
私はこれまでの4年間、三木市の発展と 、市民誰もが「三木
市民」であることに「誇りを持って暮らせるまち」を実感して
いただけるよう、全力投球で真っすぐに走ってまいりました。
市長就任後は、明日を示す羅針盤である「三木市総合計画」
を策定し、地域の総意を聞く場である「市政懇談会」の復活を
もって、私の市政運営の第一歩としました。
市民の皆さまとともに将来のまちづくりを議論し、地域の
抱える課題解決を図りながら、 持続可能な三木市の土台とな
る公共施設や 道路や河川など 社会インフラの整備を進め ると2
ともに、風通しの良い市役所をめざし、職員と一丸となって全
身全霊で市政運営に当たってまいりました。
中でも、雇用対策の決め手となる「ひょうご情報公園都市次
期工区」の事業化や、農家の皆さまに甚大なる被害を及ぼして
いる鳥獣害対策として「(仮称)兵庫県立総合射撃場」の整備
などは、県・市協調を旗印に、私にしか実現できなかったこと
であると自負しています。
これからの4年間は、 新型コロナウイルス感染症の 拡大防
止と社会経済活動の再生、活性化を図るとともに、コロナ禍は
あらゆることを見直すチャンスと捉え、アフターコロナの三
木市が、これまで以上に良いまちとなっていくことを信じ、本
日ここに、私の所信の一端を申し述べ、市民の皆さま並びに議
員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。


2 市を取り巻く環境
4月25日以来、 緊急事態宣言期間が 2度の延長を挟み6
月20日まで延長されております。
新規陽性患者は徐々に減少してきているとはいえ、 より感
染力の強い 新たな 変異株流行の兆候が見られるなど、まだま
だ予断を許さない状況が続いています。
三木市が今、最優先に取り組むべきは、言うまでもなく新型3
コロナワクチン接種に全力を挙げることであります。
行政の使命として、市民の生命と健康を「まもる」ことであ
ります。
6月22日からは、集団接種会場を現在の総合保健福祉セ
ンターから旧志染中学校へ移し、1日で接種できる人数を2
倍以上に増やし、ワクチン接種を加速します。
高齢者へのワクチン接種を7 月末までに完了させるととも
に、それ以降も引き続いて、希望される全市民の接種が完了す
るまで、医療関係者の皆さまのご協力を得ながら気を緩める
ことなく進めてまいります。
また、緊急事態宣言やまん延等防止措置などの影響により、
困窮する市民や停滞する市内経済活動に対し、 市独自の対策
をタイムリーに打ち出し、全力で 三木市を守り抜いてまいり
ます。
日本に新型コロナウイルスの 初感染が確認されてから1年
半もの長期に及ぶ コロナとの戦いが続き、社会全体が大きな
うねりをもって構造の変化を遂げようとしています。
社会不安を起因とした結婚、出産控えにより少子化は 深刻
度を増し、密を避ける新しい 行動様式の浸透から人や企業の
地方回帰の現象が生まれ、 デジタル社会の 実現に向けた動き
が加速するなど、本市を取り巻く環境は目まぐるしい変化を4
見せています。
新型コロナウイルス対策に 全力を傾注する一方では、これ
までから積み上げてきた三木創生への取組 についても、「希望」
を持って着実に進めていかなければなりません。
都会に近い自然豊かな都市として、無限の 可能性を持つま
ち三木市の未来の 発展に向かって 、職務に邁進してまい る所
存であります。


3 市政運営の基本姿勢
市政運営に当たっての私の基本姿勢 、心構えは、2期目とな
った今も、これまで同様、決して変わるものではございません。
「強い志、高い志、そして何より正しい志 」を持って、ブレ
ることなく市政運営を進めてまいります。
第一に、「政治は市民のもの」 という強い信念 であります。
政治は市民と 行政との信頼関係の上に成り立つものであり、
行政には透明性が求められ 、説明責任を果たす義務がござい
ます。
市長である私は、世情を読み、バランス感覚を持って大局的
に、且つ俯瞰して物事を捉え、公平公正に判断する能力が求め
られています。
市長には権限がある。権力がある。だからこそ、一層謙虚な5
気持ちで市政運営に当たっていかなければなりません。
「凡そ事を 作なすには 須すべからく天に 事つかうるの心有るを要すべ
し。人に示すのは念有るを要せず。」
何か物事を成し遂げようとするときは、決 して、他人に自慢
しようと思うのではなく、天に仕える気持ちで事に臨むこと
が大切である。
私の座右の銘であります。
第二は、「まちづくりは、ひとづくり」ということでありま
す。
市政懇談会や若者ミーティングなどによ り市民のまちづく
り参画を促し、地域の皆さまと共に地域の課題を話し合い、共
有し、一歩ずつ、着実に、安全で住みよいまちの発展に繋げて
まいります。
人なくして、また人材なくして、三木市の未来を描くことは
できません。
「未来をつくる人材が集うまち」
人材を育て、力を結集し、市民の皆さまとともに三木創生を
成し遂げてまいります。


4 市政に取り組む決意
20年、30年先の三木市のあるべき姿を大局的に描き、人6
の和の市政により、三木市の未来に必要な地域人材の育成・確
保の好循環を生み出してまいります。
子育て世代には手厚い子育て 支援と雇用の場の確保を 、子
ども世代には故郷に対する 愛着が持てる教育 を、シニア世代
には地域の指南役として「頼れるおじいちゃん、おばあちゃん」
としての役割を、3世代すべての市民が活躍し、安心安全に暮
らし続けることができる「持続可能な三木の未来づくりプロ
ジェクト」を進め、未来をつくる人材が集う三木のまちづくり
を構築してまいります。
このたびの選挙で私は、公約として「三木をまもる」と申し
上げました。
まさしく世代を超えて人材が循環するまち、「未来へ続く好
循環」を生み出す仕掛けが、今後の三木市の発展には欠かすこ
とができない重要な要素であると思っております。
数十年かけて成果が表れる この壮大な目標に対し、 これか
らの4年間でまずは取り組むべき「三木をまもる」具体的な決
意を5点申し上げます。
(1) 子どもたちをまもる
まず1つ目の決意は「子どもたちをまもる」ことであります。
三木市独自の特色ある教育を構築、展開し、豊かな人間力と7
誇りを持つ子どもたちを育て、「子ども、子育て世代が住みた
くなるまち」の好循環を生み出します。
変化の激しい時代を生き る子どもたちにとっては 、やはり
幼少期からの一定の集団教育が必要である という ことを教育
委員会と合意し、学校再編に取り組んでまいりました。
次なる高みへ向け 、義務教育期間9年間を通じ て教科ごと
に効果的な学習計画が 立てられるよう 、小中一貫校体制への
移行を進めてまいります。
併せて、金物、農業、自然、防災、ゴルフなど豊かな地域
資源や特性を生かし、地域に応じた三木市独自の体験重視型
で郷土愛を育む教育を推奨してまいります。
子育て支援の分野では、高校生までの医療費無償化を実現
します。
また、子どもの貧困対策にも積極的に取り組みます。
地域の協力を得るなかで子ども食堂を全市的に広げ るとと
もに、地域人材を活用した体験学習や教育支援により、地域
の子どもは地域が育てる「三木モデル」の環境整備を行いま
す。
三木で育った若者たちが、進学や就職、結婚などで一旦三木
市を離れたとしても、出産を機に、あるいは小学校への入学を
機会として、再び生まれ育った三木市に戻ってくる。8
我が子の教育は三木で受けさせたい と思ってもらえる よう、
「教育のまち三木」として、教育を通じて世代の好循環を生み
出し、子どもや子育て世代が集 う活力あるまちの未来を守っ
てまいります。
(2) 市民の安心安全をまもる
2つ目の決意は「市民の安心安全をまもる」ことであります。
自治会と協力し、地域の危険箇所の把握に努め、防犯カメラ
や防犯灯の充実による犯罪のないまちづくりを進めます。
また、危険空き家や悪臭問題などの解消を図り、市民の 皆さ
まの快適で安全安心な生活環境を守ってまいります。
三木市はこれまでから 災害の少ない住みやすいまちとして
内外から高い評価を受けておりますが、 南海トラフや山崎断
層を起因とする大地震がいつ起こるとも限りません。
その備えとして、起こりうる最悪の事態を想定し 、あらゆる
自然災害からの被害を最小限度に食い止めることができるよ
う、本年3月に国土強靭化地域計画を策定いたしました。
計画に則り、道路、河川、急傾斜地や密集市街地の解消 など
社会基盤の整備、強靭化を着実に進め 、市民の安心安全な暮ら
しを守ってまいります。
この国土強靭化を 縁の下で支えているのは伝統ある三木の9
金物産業であり、確かな技術 を伝承してきた金物 職人であり
ます。
「防災のまち三木」として、足元の地盤をしっかりと固め、
災害に強い強靭なまちづくりを進めるとともに、 防災公園所
在市としての強みを生かし、また、防災教育に優れた知見をも
つ地元関西国際大学 と連携し 、災害支援にも先頭に立 って社
会貢献ができる三木の誇りを、今後も繋ぎ守ってまいります。
(3) 地域の活力をまもる
3つ目の決意は「地域の活力をまもる」ことであります。
三木で働き、定住してもらう。
雇用創出の決め手となるひょうご情報公園都市次期工区 、
100ヘクタールの開発が動き出しました。
「情報公園都市」の名にふさわしい5G 通信網が 実装され
た次世代型産業団地を県・市共同により整備し、地域企業、地
元経済の活性化に繋がる企業誘致をめざし、若者 が魅力を感
じる雇用創出を生み出してまいります。
三木の永続的発展に欠かすことができない 神戸電鉄粟生線
については、 私自らが県や関係市町の 先頭に立って存続の協
議を前進させるとともに、三木駅再生をきっかけとして、三木
市中心部の更なるにぎわいを創出し、 駅前の発展へと導いて10
まいります。
農村地域の公共交通には 、4月から導入したデマンド型交
通をより効率 化し、無駄のないシステマチックな運行形態へ
と発展させ、地域の隅々まで行き届いた「便利な足」として定
着を図ってまいります。
特産山田錦の生産にスマート農業の技術導入、 ブドウやイ
チゴなどの6次産業化への支援をおこな うとともに、有害鳥
獣対策を進め、活力ある農村の基盤づくりを進めます。
学校再編により廃校となった小・中学校は、地域の活性化拠
点としての利活用を、地域とともに築いてまいります。
また、ボランティア活動への支援制度を充実し、自治会や市
民活動、地域活動の活性化を支援するとともに、市内約2千人
の外国人住民との共生を 促し、市民の誰もが活躍できる地域
の活力を守ってまいります。
(4) まちのブランド力をまもる
4つ目の決意は「まちのブランド力をまもる」ことでありま
す。
三木市のブランドは、言うまでもなく「三木金物」、「 酒米山
田錦」、「ゴルフ」の3大地域資源であり、本年はこの地域資源
のフル活用を施政方針でも述べております。11
三木金物については、「みきかなもんプロジェクト」をはじ
めとする三木金物ブランド戦略により、市場の大きな 海外へ
目を向けるとともに 、コロナ禍でも伸び続ける ネット通販な
どEC業界への参入による国内外への新たな展開 を後押しす
るなど、販売力の強化を支援してまいります。
山田錦については、「酒米の王者山田錦の生産量日本一」を
誇りとし、最大の特A地区を有する 三木市の山田錦 ブランド
力の強化を図ってまいります。
地域活性化拠点として 山田錦の郷活性化構想を推進 すると
ともに、二十歳の酒プロジェクトや三木市産山田錦を使った
日本酒の海外 コンクール 出品など、山田錦ブランドのPR活
動を積極的に支援してまいります。
ゴルフについては、ひょうご観光本部と連携し、県や近隣市
町と協力したゴルフツーリズムを本格的に展開します。
加えて、ジュニアゴルファーの育成による底辺の拡大 とと
もに、生涯スポーツとして市内外の多くの人々にゴルフに親
しんでもらい、「ゴルフのまち三木」のブランド力でゴルフ客
の増加を図り、ゴルフ産業だけではなく、関連産業やサービス
産業への波及、発展、相乗効果を生み出してまいります。
2025年大阪・関西万博へ向け、 近畿経済産業局選定の
「地域ブランドエコシステム」を活用し、金物、山田錦、ゴル12
フという三木市の豊富な 地域資源 を一体的に情報発信 すると
ともに、まちのブランドを守り、育て、発展へと導き、次世代
へとしっかりと繋いでまいります。
また、青山7丁目を世代が循環するモデルタウンとして、公
民連携により開発を進めています。
特別養護老人ホームを併設したデイサービスセンターを民
間誘致し、多世代が交流できる拠点エリアに市のサービス・ス
テーションを置くなど、高齢世帯だけではなく、新婚世帯や独
身者にも便利なまちづくりを進め、高齢化した住宅団地を「住
み継がれていくまち」として域内循環を促し、まちのブランド
力を守ってまいります。
(5) 三木の未来をまもる
5つ目の決意は「三木の未来をまもる」ことであります。
持続可能な市政運営を再構築するため、新設した経営管理
課のもと、財政健全化計画を策定し、将来世代へ負担を残さな
い「選択と集中」により、5年間で赤字補填のための財政基金
の取り崩しをゼロにし、健全財政を築いてまいります。
また、人口減少社会に 見合った 公共施設再配置計画の具体
化を推進するとともに、並行して新たな デジタル 技術を積極
的に活用し、 行政のスマート化と 更なる市民サービスの向上13
の両立を図ってまいります。
その他、SDGsの精神や、脱炭素社会の実現など、社会貢
献活動に積極的に取り組む企業とタイアップを図り、ウィン・
ウィンの関係を構築し、行政単独では 実現困難な まちづくり
を一致協力して積極的に展開し、持続可能な 三木の未来を守
ってまいります。


5 むすびに
本日は、私が市政の舵取り役を担わせていただくに 当たり、
基本的な考え方や、早急に対応すべき課題についての対応策 、
そして「三木をまもる」ための取組の一端について 述べさせて
いただきました。
これらの事業を実現させるためには、言うまでもなく、まず
は市民のために働く市役所として、職員一人一人が市民を思
い、寄り添い、身近な存在として事業に取り組んでいかなけれ
ばなりません。
そして、議員各位をはじめ、市民の皆さまや企業、団体 と行
政とが力を合わせ、市全体が一丸となって「誇りをもって暮ら
せるまち三木」の将来像を描き、それに向かって進んでいく。
この素晴らしい三木の未来を、「チーム三木」の精神でしっ
かりと次世代に繋いでいこうではありませんか。14
ふるさと三木発展のため、これからも全力投球で、自分らし
く積極果敢にチャレンジしてまいりたいと存じますので、市
民の皆さま並びに議員各位に対しましては、なお一層のご理
解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、 私の所信といた
します。

 


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