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京都、相国寺の承天閣美術館で開催されている「ハンブルク浮世絵コレクション展」の記念イベントのひとつとして行なわれた
「伊藤若冲の木版画 実演と体験」に参加したミモロ。
そのイベントに協力しているのが、日本で唯一の木版本の出版社である「 版元 芸ソウ堂(うんそうどう)」*ソウの字は、草の旧字ですが、ワードで出なくて、すみません。ホームページで確認を・・・。
木版画の全般のお話にはじまり、特に摺りの方法などを、詳しく伺いました。
今回、実演に使われた作品は、伊藤若冲の「かきつばた」。
(全体は、芸ソウ堂さんに行くと、見られます)
木版画(浮世絵など)は、絵師、彫師、摺師の技が集約されて初めて完成するもの。
それぞれの技術、力量が、作品の良し悪しを左右します。
絵師の描いた作品は、
彫師により、作品の微妙なラインが忠実に彫られてゆきます。
木版画の版木は、表面の滑らかさ、弾力、耐久性などから、桜の木が使われます。
そして、完成した版木は、摺師さんのもとに。
まずは、骨摺りという墨のラインから摺られ、それから次々に色が重ねられてゆきます。
絵具を版木に伸ばし、紙を載せ、バレンで摺るという作業が、次々に流れるように澱みなく続きます。
若冲の「かきつばた」は、7版で完成。(7回摺り重ねる)
作業に見蕩れていたら、あっという間に摺り上がってしまいました。
一連の仕事の中で、特に驚くのは、
版木に寸分の違いもなく、次々に紙を載せ、細かい部分にも決してズレがないこと。
摺師さんは、なんの迷いもなく、潔く紙を版木に載せてゆきます。
「なんかすごく簡単そう・・・」そう思うのは、素人の浅はかさ。
熟練した職人さんの完成した技だから、簡単そうに見えるのです。
摺りに使うバレンも、よーく見せていただきました。
小学校の図画の時間に使うスクールバレンとは、全く質が違い、
バレンだけを作る職人さんも、かつてはたくさんいらしたそう。
バレンの中味は、竹皮を細いひも状にして、グルグルとトグロ状態にして糸でとじて作ります。
外側は、竹皮と黒い当ての部分は、薄い和紙を四、五十枚重ね、漆を塗って仕上げたもの。
バレンひとつでも、立派な工芸品という感じ。
木版画は、まさに職人さんたちの技の結晶。
世界に誇るべき、日本の技だと改めて思います。
さぁ、次は、いよいよ木版画の摺りの体験の時間です。
「若冲の版木が使えるなんて、感激!」
ミモロは、嬉しくてたまりません。
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