michi のひとりごと

日々のつぶやき、あれこれ。

老々介護で 100歳になった母を見送りました。
こちらは重度の難聴。

詩集『くじけないで』 (その2)

2010-03-28 07:50:44 | Weblog
きのうの、
柴田トヨさんの詩のつづきです。


        



      あなたにⅠ


   出来ないからって

   いじけていてはダメ

   私だって 96年間

   出来なかった事は

   山ほどある

  父母への孝行

   子供の教育

  数々の習いごと

  でも 努力はしたのよ

  精いっぱい

  ねえ それが

  大事じゃないかしら


  さあ 立ちあがって

   何かをつかむのよ

  悔いを

  残さないために




        



――‘精いっぱい’、自分なりの‘努力’、
ここなんですね。

そうして‘何かをつかむ’、自分なりの。



        



  

        忘れる


  歳をとるたびに

  いろいろなものを

   忘れてゆくような

  気がする


  人の名前

   幾つもの文字

   思い出の数々

  それを寂しいと

  思わなくなったのは

  どうしてだろう


  忘れてゆくことの幸福

   忘れてゆくことへの

   あきらめ


  ひぐらしの声が

  聞こえる




        


 
蝉にも色々ありますが‘ヒグラシ’なんですよね、
趣ふかい鳴き声――。

‘あきらめ’とありますが、
なにかを超えた、という感じかしら?
と、想像しています。
そういうものに、こだわらない、というような。

身軽になるような感じ…?


これは、
障がいをもつ自分への
応援歌。

そっと肩に
あったかい手をおいてもらったような
そんな気がしています。



コメント
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