徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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ドイツ:非常用備蓄2週間分の目安~【緊急事態】ではありません

2016年08月25日 | 社会

先日ドイツで閣議決定した新民間防衛構想には各家庭で非常用に食料等を備蓄するよう推奨する文言が含まれていることで妙な誤解を招いたり、日本のSNSでは「ドイツは緊急事態!」等のデマが流れたりしていましたが、非常用備蓄の勧めは今に始まったことではなく、それこそ戦後ほぼ一貫して存在していました。第二次世界大戦及び冷戦時代を知っている世代は非常用備蓄をかなり真剣に実施していますし、冷戦時代しか知らない世代も食料等の備蓄はごく普通のことと捉えています。本当に備蓄を余念なくするかどうかはまた別問題ですが。

ドイツ国内では民間防衛構想の更新に対する反応は概ね落ち着いたもので、「なんで今更?」と考える人が多かったようです。中にはもちろん何かあったのかと不安に思う人たちもいたでしょうが、買いだめパニックようなことは一切起こりませんでした。そもそもドイツ人は日常的に買いだめをします。1週間に1度大きな買い物に行き、それ以外は、買い忘れを補ったり、生鮮物を買ったりしますが、毎日その日の分の食料品を買いに行く人は少数派です。水にしろビールにしろダース買いが普通です。

新民間防衛構想に対するドイツ人のツイッター反応

政府が発表した新民間防衛構想及び少量品等の備蓄に対するドイツ人たちの反応はツイッターのタグ#Hamsterkaeufe #Zivilschutzkonzeptでざっと見ることができますが、ジョークのネタになっていることが多いようです。

下のツイートは8月21日のもので「【ハムスター買い】を日曜日に話題にする。まさしく俺的ユーモア。」いわゆる「買いだめ」をドイツ語では「ハムスター買い(Hamsterkäufe)」と言います。日曜日にそれを話題にすることがなぜおかしいのかと言えば、ドイツでは日曜日はガソリンスタンドなどを除く全てのデパート・スーパー・商店が閉まっているからです。

 

次のツイートは「今私のハムスターを太らせているところ。こういう時代の純粋な事前の備え」とコメントしてます。「ハムスター買い」に引っ掛けたジョークであることは言うまでもありません。

次のツイートはスマートに一杯詰まれたバナナの写真。コメントは「連邦政府はハムスター買いを推奨。最初のストップは八百屋。これで10日分足りる。」

次のツイートは独紙南ドイツ新聞の2016年8月22日の記事へのリンク。コメントは「新民間防衛構想をアルバート・シュミットは全く評価していない。彼はとっくにプライベートブンカー(貯蔵庫)を持っている」

ドイツでは買いだめパニックこそ起こりませんでしたが、少々の混乱や議員たちの議論のエスカレートがあるにはあったので、特に野党議員から民間防衛構想の更新のタイミングが悪いという批判が出ていました。

 

今日ご紹介したいのは2013年度の連邦国民保護・災害支援庁による非常用備蓄の指針です。

上のグラフィックは当局の推奨する2週間分の備蓄の一人当たりの目安です。

  • 飲み物 28ℓ
  • 野菜類 5.6㎏
  • 穀類・ジャガイモ・麺類・米 4.9㎏
  • 乳製品 3.7㎏
  • 果物類・ナッツ類 3.6㎏
  • 魚・肉・卵 2.1㎏
  • 脂肪・油類 0.5㎏

乳製品3.7㎏にはちょっとびっくりですが、ヴィーガンでないドイツ人の標準的な消費量はこんなものかもしれません。


ドイツ:新民間防衛構想、本日(2016.08.24)閣議決定~【緊急事態】ではありません!

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