皆様、あけましておめでとうございます。 日本では大晦日には年越しそばに除夜の鐘、正月にはおせち料理、お雑煮、おとそ、初詣、等々決まった行事や慣習がありますが、ドイツでは年越しパーティーと花火くらいしかありません。 大晦日はドイツ語でSilvester(ジルヴェスター)と言います。各地でパーティが開かれますが、一番大規模なのはベルリンのブランデンブルク門前のパーティーで、参加者は20万人以上になります。今回はテロのリスクもあるため、かなりの警戒態勢が敷かれたようです。 花火は市などの公の機関が打ち上げる大きなものもありますが、大抵は個人がめいめいに上げる花火で、早い人は既に昼間から始めてますが、通常は年明けカウントダウンをしてもおかしくないような時間、夜の11時50分辺りから打ち上げる人が多くなり、0時過ぎたら花火を用意した全員が点火し始めます。
我が家では自分たちで花火を打ち上げることはなく、0時にシャンパンを開けて乾杯し、ベランダから近所の人たちが打ち上げる花火を見物します。昨夜の写真です。
一般向けの爆竹・花火の販売は年末の3日くらいだけですが、毎年かなりの売り上げです。今年も前年度レベルの約1億2900万ユーロ(約168億円)になる見込みです。
花火はうちの近所では0:30くらいにだいたい終わりになりますが、街中では特に若い人たちが1時2時になってもまだ花火・爆竹をやっていたり、単にお酒を飲んで練り歩いていたり、朝までどんちゃん騒ぎ、ということもあります。
「初日の出」を見る、というこだわりは特にありません。元旦に関する縁起物もありません。
祭日は元旦のみで、2日から通常運転になります。今年は週末にかかっているので、私の仕事始めは1月4日になります。元旦から仕事をする人たちの代表は清掃業者ですね。
ジルヴェスターのごみの後始末をする清掃業者、ベルリン(rbbより)
清掃業者が入る前の街の状態は酷いものです。毎年のことですが、なんで打ち上げた本人たちがその残骸を片づけないのか疑問です。街中にあるごみ箱はすぐにいっぱいになるから無理だとしても、近所から出てきているだけなら、残骸を家に持って帰っても良さそうなものです。もっとも、市の清掃業も重要な単純労働者の雇用先なので、清掃の需要はあった方がいいともいえるのですが。
こうした市町村の単純労働は今後、失業者ばかりでなく難民申請者たちにも回されていくようです。少なくともアンドレア・ナレス独労相は10万人分の雇用を地方自治体の清掃や子供の遊び場などの修繕で創出すると宣言しました。具体的なことはこれから検討するようです。100万人の難民申請希望者に対して10万人の雇用、しかも単純労働のみで具体案無し、というのはあまりにも情けない状況です。トルコの怪しげな協力のおかげでヨーロッパに入る難民の数は減ってきていますが、既に入ってしまっている難民の数は200万をこえるので、この人たちの処遇はヨーロッパ各国、特に難民受け入れに積極的なスウェーデン、ドイツ、オーストリアにとっての大きな課題です。
ドイツの2015年度の今年の言葉に選ばれたのは『難民(Flüchtlinge)』でしたが、2016年も難民問題は大きな社会問題のままでしょう。