徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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書評:横山秀夫著、『第三の時効』(集英社e文庫)

2016年09月17日 | 書評ー小説:作者ヤ・ラ・ワ行

なんとなくミステリーを読みたいと思い、「このミステリーがすごい」とかで薦められているものはないかと探した結果、横山秀夫の『第三の時効』にぶつかりました。

この文庫は、F県警捜査第一課を舞台にした短編集で、『第三の時効』は収録作品の一つ。収録作品は全部で6作:

  • 沈黙のアリバイ
  • 第三の時効
  • 囚人のジレンマ
  • 密室の抜け穴
  • ペルソナの微笑
  • モノクロームの反転

どれも何らかの殺人事件を扱っています。捜査第一課、強行犯係を舞台にしているので当然と言えば当然ですが。捜一には一斑から三班まであり、三人の班長達はそれぞれ癖があり、競争意識が激しく、互いにいがみ合ってる状況で、捜一課長の悩みも深いもよう。そうした捜一内の人間関係の絡みを描きつつ、担当事件のホシを挙げていく過程を割と淡々と描写しています。

登場人物はほぼおっさんばっかりなので、絵的にかなりむさくるしい感じですね( ̄∇ ̄;) それぞれのキャラも濃くて、どちらかというとうっとうしい。刑事だから仕方がないのでしょうけど、そうした濃ゆいキャラで執念深く事件を挙げていくんですね。

『第三の時効』と『密室の抜け穴』は特に真犯人が意外で、面白かったです。

難を言えば、どれも短すぎるということでしょうか。

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