懐かしい昭和の情景を追って

過去に撮影したネガをフィルムスキャナーで電子化しています。蒸気機関車、古い町並み、茅葺民家を投稿します。

十三七つ

2016年09月26日 | 日記
私は昭和をテーマにした写真が多い。
You Tubeで昭和の歌謡曲を聞きながらイメージする。
昭和の歌謡曲には知らない言葉がポンポンでてくる。
三橋美智也のおんな船頭唄の三番に「利根で生まれて十三七つ」という歌詞がでてくる。
13歳と7歳で20歳かなと思った。
ネットで調べると「お月さんいくつ」という数え歌から来ているそうだ。
13夜の七の刻で夕方四時頃の月でまだ若いと意味するものだそうだ。
13夜は15夜信仰とともに古来から信仰されているようだ。

日本は明治までは太陰暦で明治以降も旧暦の行事は残っていた。
群馬や長野に行くと二十三夜信仰や庚申信仰の石碑を見る。
最近は道路拡張で邪魔になると片隅に追いやられている。
月を信仰するのは女性の生理とも関わりがあり女性が支えたところがある。
江戸時代の農民は搾取で苦しめられ一揆を起こす恐れがあったため集会の自由が制限されていた。
しかし農民もしたたかである。信仰をする目的でいろいろな行事を作っては会食をして集まった。先祖の供養にと墓の前に集まりおどりだす。鳥取県の岩美町には墓の周りに集まり子供から大人まで回って踊る風習がある。そうすると先祖も喜ぶのだろう。どの墓の周りに通路がある。これが盆踊りの原型であろう。

江戸時代の人は何かにつけて集まって語ったり芋や漬物をつつき話したと思う。特に主婦には息抜きの場所が必要であったと思う。庚申信仰などは庚申の夜は寝ると腹の虫が体から抜け出し悪い行いを告げ口されるので朝まで寝ずに語らった。

欧米は満月など忌み嫌う。その点、中国、日本には月を愛でる風習がのこっている。月齢に応じて名前がついている。
月齢と名前を書く
1.新月 3.三日月 7.上限の月 13.十三夜 14.小望月 15.十五夜、満月、望月  16.十六夜(いざよい 出るのをぐずぐずためらう様子) 17.立待ち月  18.居待月  19.寝待月  20.更待ち月  23.23夜 (23夜講) 26.26夜 28.晦日(みそか)月

15夜の満月だけを愛でるのではなく欠け行く月も楽しんだ風流さがうかがえる。
特に十六夜以降のことばが素晴らしい。こんな感性は和歌や俳句により培われたのか

満月を望月(もちづき)というのは鏡餅のようにまんまるい餅を月に見立てた言葉、人名にも望月姓はいる。
西行は死ぬときは満開の桜の下で望月の宵がいいと書いている。


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