WEBマスターの読書日記

「木戸さんがこんなマメだったなんて」と大方の予想を裏切って続いているブログ。本、映画、感じたことなどをメモしています。

『宇宙に命はあるのか』(著者:小野 雅裕)

2018-05-04 15:17:16 | 本と雑誌

サントリーホールがお気に入りで、月に2、3回は必ず演奏を聴きに行く。会社から近く、平日の夜など開場時にまだ仕事をしていても、急いで向かうと開演時にはちゃんと席に着いていられるのも便利。たびたび行くので場の雰囲気になじんでいるのか、この前、開演まぎわにすべりこんだところスタッフの方に「関係者の方ですね」と言われてあやうく違う席に案内されそうになった(苦笑)。

ブルックナーをライブで全曲聴きたい!と、こまめに探しているのだがこういうときにはなかなかタイミングがあわず、やっと二週間ほど前に新日本フィルで6番。いい演奏だった。美しい音楽のためにつくられた広いホールいっぱいに気持ちよく音が響きわたる。ブルックナー、構成も音の使い方も壮大すぎて、聴いてて収まりきらないところがすごい。この人が書き直し続けた交響曲はほんとに人智を超えている気がする。6番はことにとってもきれい。バレンボイムまた来日してくれないかしら。

演奏のあいまの休憩時間にカウンターで白ワインをもらい、姿勢を正しながらこの本を読む。NASAジェット推進所に勤務されている研究者の著作で、歴史的・科学的なエピソードが満載、文章もうまくて評判通りおもしろい。木星の衛星エウロパの地中に深く広がる海、火星の空を染める青い夕焼け、太陽圏を脱して永久に恒星間を漂うボイジャー、・・・空を抜けた向こうをどうしても知りたいという全人類の壮大なイマジネーション、読むときっと、小さいときわくわくしながら見つめた星がいっぱいの夜空を思い出す。と、夢中になって読んでいたら近くのテーブルの老婦人から「お若いのにひとりで聴きにいらしたの、素敵ねえ」と話しかけられた。(若くないですけれど・・・笑)サントリーホールはこういうゆったりした触れ合いもあって好きである。

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