WEBマスターの読書日記

「木戸さんがこんなマメだったなんて」と大方の予想を裏切って続いているブログ。本、映画、感じたことなどをメモしています。

『翻訳夜話』(著者:村上 春樹+柴田 元幸)

2010-01-23 17:05:25 | 本と雑誌
翻訳夜話 (文春新書) 翻訳夜話 (文春新書)
価格:¥ 777(税込)
発売日:2000-10

今週は、優雅に仕事するポリシーを捨てざるをえないヒドイ激務で、昨晩ピアノを1時間弾いてやっと心の平穏をとりもどす(笑)。

こちらも推薦本、柴田元幸さんは現代アメリカ文学の研究では有名な方と知った。村上春樹のマニアックぶりとちょうどいいバランスの対談がとてもおもしろかったので、この人の翻訳を新しく何冊か買ってみる。

原書で読んでも、母国語の訳で読んでも、同じ世界観を感じるのが第一級の翻訳ということ。だから訳すときには文章の深い奥まで徹底的に探りながらの作業になるという、「翻訳は究極の読書」にふむふむと納得。この本は英訳についてだけれど、仏訳についても読んでみたいなあ。

フランス語は、「そういうつもりじゃありませんでした」なんてコミュニケーションミスが許されない外交官の公用語(la langue diplomatique)、すなわち、ものすごーく正確な言語。名詞や形容詞の種類が英語より多く、性・数・格の語尾変化も時制用法も厳しく決まっていて、ロジカルで体系的(・・・だから好き)。英語より正確な意味を理解しやすいので、訳者のセンスが言語変換のデキを左右する幅があまり広くないような気がする。

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