WEBマスターの読書日記

「木戸さんがこんなマメだったなんて」と大方の予想を裏切って続いているブログ。本、映画、感じたことなどをメモしています。

『ロボット・イン・ザ・ガーデン』(著者:デボラ・インストール 訳:松原 葉子)

2017-07-16 17:41:35 | 本と雑誌

湿気が強くて蒸し暑いのに、なかなか雨がふらない空梅雨。そしてこんなに忙しい夏があっただろうかというほどの仕事の立て込みよう。ここ例年、7月に沖縄で美しいエメラルドグリーンの海と空をたっぷり堪能するのだけれども、今年はもう早々にあきらめた。平日まったくスケジュールの隙間がなく、土曜日は掃除と洗濯に料理と忙しく、日曜もコンサートに誘われたり映画を観に行ったりして6月があっという間に終わる。

なんだか心がだるくなって、先週は久しぶりに日曜の夕方、ごはんを食べるのとお風呂に入る以外はベッドにごろんと転がり、心ゆくまで読書を楽しんだ。この本はタイトルと素敵な表紙のイラストに惹かれてジャケ買い。そして期待を裏切らない最高な中身。両親を亡くしてから無為に引きこもる34歳の主人公が、ある日庭に迷い込んできたボロボロのロボット、タングと世界を半周する旅に出る。このタングがめっちゃめちゃカワイイ!!いろんな表情やしぐさ、キュートな行動、一生懸命に学んで成長するけなげさにハートをぐっと鷲掴みにされたのは私だけでなく、ベルリン国際映画祭での映画にしたい本に選ばれたそう。うう、これはぜひとも精緻なアニメーション映画で見たい。

家事や車の運転をしてくれる家庭用のアンドロイド、ホテルに常備されていて服を洗濯してくれる最新式ロボットなど、ハイテクな未来が舞台だが、一番すごい感情と学習能力をもつAIの冷却装置がじつは家庭用の油で動いて(!)いたり、どこかなつかしい秋葉原の街が出てきたり、全体的にほんわかしていて癒される。今年は読む本にどれもハズレがない当たり年。あとはもっと時間を作らなきゃ。