WEBマスターの読書日記

「木戸さんがこんなマメだったなんて」と大方の予想を裏切って続いているブログ。本、映画、感じたことなどをメモしています。

『白痴(上)』(著者:ドストエフスキー 訳:木村 浩)

2013-08-03 13:55:23 | 本と雑誌
白痴 (上巻) (新潮文庫)白痴 (上巻) (新潮文庫)
価格:¥ 935(税込)
発売日:2004-04


暑い夏の健康は食と睡眠から。野菜と果物をたくさん摂るようにし、ベッドのファブリックを買い換えた。新しい枕が、前に使っていたオーダーものよりはるかに素晴らしい。夜、頭をそっとのせると、もっちりした何ともいえない極上の感触で受けとめてくれて、朝までぐっすり眠れるようになった。



東山紀之さんが何かの番組で、入ったお風呂がお湯ではなく冷水だったらどうする?という質問に、「もし見ている人がいたら平気な顔でそのままゆっくり浸かっています」と答えていた。ええ恰好しいなどという次元を超越して、自分のイメージを完璧にコントロールするという美学、その徹底ぶり。ドストエフスキーやトルストイの小説を読むと、真逆なのでいつも思い出してしまう。



登場人物がみな自制のきかない愛すべきキャラクター。突然キレて怒鳴り、泣くわめく、エキセントリックな行動に出る。お国柄、肉と乳製品ばっかり食べてるから?それともロシアでは睡眠が足りないのか?感情の起伏や欲望を自制するのが心得とされてきた同時代、明治・大正の日本人は、辞書をひきひき読みながらさぞアンビリーバボーな衝撃を受けただろう。でも最高におもしろい。「白痴」は特にドタバタと賢愚と愛憎の交錯するにぎやかな展開で、読むのがやめられない。



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