WEBマスターの読書日記

「木戸さんがこんなマメだったなんて」と大方の予想を裏切って続いているブログ。本、映画、感じたことなどをメモしています。

『ドリアン・グレイの肖像』(著者:オスカー・ワイルド 訳:仁木 めぐみ)

2013-03-02 14:50:19 | 本と雑誌
ドリアン・グレイの肖像 (光文社古典新訳文庫) ドリアン・グレイの肖像 (光文社古典新訳文庫)
価格:¥ 780(税込)
発売日:2006-12-07

お気に入りでよく行くイタリア料理のシェフが今朝の「食彩の王国」に出演したので、見ようと思っていたが、完全な二日酔い。ベッドから出てよろよろしながらとりあえず録画ボタンだけ押し、すみやかにベッドに戻る。昨晩はブランドチームの新春会で、ワインと紹興酒をたくさん飲み、二次会はお台場でボーリング。その前に残業続きで寝不足だったため、お酒がよくまわってご機嫌な夜になった。


心の引き出しをもっと広げて、楽しいこともいろんな経験や知識、考えをたくさん、その中に入れられるといいと思う。大人になると、その結果は不思議なほど外見に出てくる。つまらないと思う人は顔つきが貧相になるし、豊かな人生を過ごしている人は表情がきらきらしている。人相学の専門家に聞くと、人の顔の面積を大きく占める目と口もとが楽しそうで柔らかいから、魅力的な表情になるそうである。


オスカー・ワイルドの最高傑作は、その心の引き出しに悪いものだけを一杯に詰め込みすぎた美青年の話。自分の美貌と若さを愛するあまり運命に呪われてしまったイギリスの若い貴族は、少女を絶望のどん底に突き落とし自殺させたのを手はじめに、退廃と無生産、麻薬、友人を殺すといった行いの代償を生き写しの肖像画に受ける。「芸術がうつしだすものは、人生ではなくその観客である」名声の絶頂から投獄へとジェットコースターのような人生を駆け抜けたワイルドの、ピリリと風刺の効いた警句がふんだんに盛り込まれている。美しい詩のように繰り返し読みたい本。

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