3月12日の1号機水素爆発
3月14日の3号機水素爆発、2号機の深刻化。そして、撤退問題
3月16日から17日にかけての、燃料プールへの自衛隊機の放水失敗と成功
すでに、東京電力福島第一原発は最悪の事態を迎えていましたが、私は「最悪の最悪」は何かを知る必要があると考えるようになっていました。4号機燃料プールが干上がるという「最悪の最悪」のシナリオの作成を依頼したのはそのためです。原子炉の水素爆発という極めて考えにくい仮定に基づいたシナリオでしたが、あえてそれをつくることで、「最悪の最悪」を阻止することに、死力を尽くしました。
今でも数日に一度は、あの時のことを思い出します。それは、苦い檻のような記憶です。国家の存亡をかけた戦いを身を持って体験した政治家は数人。私は、その一人です。
対応を誤ると国家の存続を危うくする原発。わが国は、原発を完璧にコントロールすることはできるのか?そして、原発にどこまで依存するのか?
エネルギーは国の生命線です。電力は国民生活に直結しています。現実を見極める視点が必要です。
判断しなければならない時が迫っています。