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深作欣二監督『仁義なき戦い・頂上作戦』その1

2014-06-25 08:54:00 | ノンジャンル
 深作欣二監督の'74年作品『仁義なき戦い・頂上作戦』をWOWOWシネマで見ました。
 昭和38年秋、暴力団追放の世論が巻き起こり、警察は取締本部を設置し、組長レベルを逮捕する“頂上作戦”を展開する。広島は東西に分断され、山守組と打本組が対峙することとなる。山守(金子信雄)は多数の護衛を付けて朝から風呂屋通いをし、呉では山守組傘下の槙原(田中邦衛)組と広能(菅原文太)組が対決することになり、若者たちが躍動してゲリラ戦を展開した。“早川組員 杉本博”(夏八木勲)。早川の許には病気を押して松井が応援に来る。
 広能が廃墟に行くと、そこでは子分たちが銃器を作っている。“広能組員 竹本繁”(黒沢年男)。“同組員 河西清”(八名信夫)。青酸カリ入りの銃弾。仮釈中の広能は槙原が元親筋なので、こっちからは殴り込めないと言う。広能は打本(加藤武)に会いに行くと、“川田組々長 川田英光”(三上真一郎)も来ていて、明石組の岩井(梅宮辰夫)も一緒にやろうと言ってくれる。広島の“義西会々長 岡島友次”(小池朝雄)は穏健派でこれまで中立を保ってきていた。“義西会幹部 藤田正一”(松方弘樹)。広能らは岡島に会うが、岡島は喧嘩をしても誰も得しないと言う。広能らは喧嘩は避けられないと説得するが、岡島はなかなか同意せず、しびれを切らした藤田は中座し、外で待つ“川田組々員 野崎弘”(小倉一郎)の野球賭博に出資する。
 岡島は広能に「こっちからは手を出すな」と言うが、河西は路上で槙原組に射殺される。“昭38.9.10 広能組 河西清死亡”。葬儀で打本はすぐに帰ってしまい、広能が自分で山守を取ると言うと、大久保(内田朝雄)は「警官は全員をパクるつもりなので止めろ。槙原は広島に逃げ、山守の資金源は呉なのだから、呉を守れ」と言う。“上田組々長 上田利男”は広能を応援すると言うが、岩井は「山守は元親。応援できない。明石組も関東進出でごたごたしている」と言う。大久保は上田を呼び出し、「わしと縁を切ってから加勢しろ」と言う。山守組の武田(小林旭)は大久保に「広能に話をつけてくれたんだろうな。もし広能が広島に出てきたら、あんたの首をもらう」と言う。大阪からの応援の宿代から飲食代まで武田が払い、山守は一銭も出そうとしない。
 警察は資金源を根絶し始める。山守は広能を潰そうと言うが、武田は広能のバックには明石組がいるし、応援の者を養う金も尽きたと言う。早川は心配することはないと言い、山守に競艇の金を回してもらおうと言うが、山守は拒否する。武田は「これは守る喧嘩なので、若い者が跳ねっ返りしないよう注意してくれ。向こうは動かないようにする。岡島も任せろ」と言う。
 金を貸せと言ってきた市民に、打本会の若者が拳銃を発射し、暴力団追放の世論が巻き起こり、警察は記者の突き上げを食い、新聞社も暴力団反対のキャンペーンを張る。打本会の若者に早川が襲われ、新聞記事になり、打本は東京の代議士に相談に出かける。早川は松井の見舞いに来るが、打本組の若者は松井の女と寝る。女は松井の許に戻るが、キスマークを杉本に見つかり、杉本は打本組の若者を刺殺する。“昭38.9.17夜 打本組 福田泰樹死亡”。これを機に両陣営の若者が激突し、江田はそれを焚き付ける。“昭38.9.20夜 打本組 森田勉死亡”。住民運動が起き、検挙が相次ぐ。“早川組 杉本博 懲役18年”。
 広能組は警官を前にしてバリケードを築く。広能は警察に包囲されて身動きができない。明石組も関東進出で地元の反発を食い、広能の応援ができない。一方、“神和会二代目会長 伊丹義一”は力のバランスによる共存を図る。広能に武田から電話がかかり、「堅気になって新聞に発表しろ」と言ってくる。広能は「そっちも堅気になるならな。このままだと山守は警察と新聞によって潰されるだろう」と答える。広能は山守が神和会の襲名披露に出ると聞き、警察の包囲網から脱出するが、途中で運転手の竹本らに逃げられてしまう。
 “昭38.9.25 神和会二代目襲名披露宴”。杉本と相棒は山守が来たのを確かめ、拳銃を腹に差して出発しようとするが、取り押さえられる。杉本らを叱る相原。岩井は河西の本葬が終わった後、広能、打本、岡島で広島に繰り出そうと言い、全国から呉へ1600名の助っ人が集まる。しかし打本が喫茶店で拉致され、岩井側の作戦が皆武田側にばれ、山守は警察にタレこみ、広能は暴行傷害の罪で逮捕される。(明日へ続きます‥‥)

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深作欣二監督『仁義なき戦い・代理戦争』その3

2014-06-24 10:50:00 | ノンジャンル
 '07年に刊行された『作家の読書道2』の「西加奈子」さんのところを読みました。特に印象に残った文章は、エジプトから日本に帰った時、給食が、何百人もの生徒が全員同じものを同じプラスティックの食器で食べさせられるのにびっくりし、囚人みたいだと思ったこと、日本では、女の子がもうオンナって感じで、授業中に手え挙げへんし、マラソンなんかもわざと頑張らんで、友達同士で手えつないで走ったり、トイレも連れションしてたこと、遠藤周作の新潮文庫の背表紙が全部緑色やから、本棚を緑になるのが嬉しくて、買い揃えたこと、「皮膚病のようにただれた壁」という言葉を遠藤周作が何度も使っていること、西さんの高校時代のお気に入りの小説家がオースターだったこと(自分のサイトを見返して気づいたのですが、オースターを私が読み始めたには、西さんの影響でした)などでした。他にも、森見登美彦さん、桜庭一樹さん、古川日出男さん、山本幸久さん、法月綸太郎さん、馳星周さん、三浦しをんさん、荻原浩さん、野中ともそさん、辻内智貴さん、中場利一さん、吉村萬壱さん、島本理生さん、池上永一さん、平安寿子さん、山本一力さん、片山恭一さん、絲山秋子さん、中原昌也さん、町田康さんについての「読書道」が載っています。
 また、明日はビル・エヴァンスとスコット・ラファロがヴィレッジ・ヴァンガードで伝説的なセッションを行ってから、ちょうど53年目に当ります。改めて、このセッションによって生まれた2枚のアルバム『ワルツ・フォー・デビー』と『サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』を聞き直したいと思います。

 さて、また昨日の続きです。
 広能らは明石組の待ち受ける部屋に通される。広能が「打本との盃は蹴る」と言うと、停電になる。気色ばむ双方。ロウソクの炎が灯されると、相原が「そもそも岩崎と小森が原因だ。打本も指を詰めたろ?」と言う。武田「こっちも一度詫びを入れた」宮地「縁が切れることになるぞ」相原「武田だけが反対なんじゃないか?」。そこへ大久保が来て、取り持ち人になることを申し出、武田は頭を下げる。打本は広能とは盃できんとだだをこねるが、連れていかれる。2人残る武田と広能。武田「お前が大久保を引き込んだんだろ?」広能「わしは山守を的と思っとる。明石組と神和会の間に山守を引きずり出して引退させ、お前が跡目を継いだら、どこまでで付いていく。山守がトップであるうちは、組はまとまらん」。
 明石組は反対派の早川を破門させ、山守組と復縁する。神和会は副会長の伊丹を送り、山守の責任を追及し、広能の思い通りに決着した。しかし、この話が山守によって豊田に持ち込まれることで、予想外の展開となる。山守組と神和会の間の話で、広能に堅気になれということになったと、大久保が広能に伝えてきた。山守は破門状まで用意していた。
 広能は武田にバッジを返し、「首を洗って待っとれ」と捨て台詞を言って山守組を去る。広能の首をすぐに取って来いと言う山守に対し、松永は中立を保とうとするが、武田は山守側に付くか堅気になるか、どちらかを選べと言う。広能の手下の西条は臆病風に吹かれ、女に一緒に東京に行こうと言うが、女は自分はもう倉元のものだと答える。槙原は西条に金を渡す。
 相原は打本に「あんたのせいで広能は破門された。あんたも山守に絶縁状を出せ」と言う。武田は早川に土産を要求する。
 “山守組系早川組、明石組系打本組を襲撃。広島抗争事件、起る”。
 広能は電話を受け、槙原が映画館にいることを知り、兵隊を集める。西条からそれを聞いた倉元は映画館に急ぐ。西条は槙原に密告する。映画館に着いた倉元は待ち構えていた槙原の手下に射殺される。
 倉元の葬儀。参列する広能は槙原の手下に襲撃され、倉元の骨壷は車に踏みつぶされる。まだ熱い倉元の骨を握り潰す広能。「若者の命がまず失われ、報われることはない」というナレーションで映画は終わる。

 乱闘シーンでの手持ちカメラと、金子信雄のカリカチュアライズされた演技が印象的でした。

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深作欣二監督『仁義なき戦い・代理戦争』その2

2014-06-23 09:10:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 2ヶ月後、村岡組と山守組は合併し、山守は村岡組2代目組長となる。“山口・豊田組々長 豊田良平”に山守は挨拶する。“岩国・岩崎組々長 岩崎由郎”には槙原が挨拶する。打本も来て、広能に喧嘩を売る。その夜、上機嫌の山守を広能はたしなめる。明石組の宮地にゴマをする山守。打本は槙原を呼び、岩国で揉めている小森は自分の舎弟なので口を挟むなと言う。江田は打本を山守のところへ呼び、山守の舎弟になれと言うが、打本は明石組の舎弟であることを理由に断ると、山守は打本をバカ扱いし、打本は悔し泣きする。皆が去った後、広能は打本を慰めるが、打本はいずれ山守をつぶすと言う。
 “昭和37年9月 山口県岩国基地特飲街”。小森組と岩崎組との抗争が始まり、それは山守組にも飛び火する。山守は明日の岩崎の葬式に合わせて小森組に殴り込みをかけようと言うが、松永はもう少し待った方がいいと言う。山守は泣き出し、結局槙原をリーダーに兵隊を送ることにするが、広能はいつもの山守の手だと言う。現場に着くと、槙原以外の幹部は皆手を引くと言い出し、槙原も彼らに同調する。槙原は早川を引き入れようとするが、打本の者が発煙筒を村岡組に投げ入れる。打本は知らないと言うが、松永と武田は打本に盃を返す。打本は早川に自分の指を山守に届けさせるが、早川は打本が神戸に逃げ出したと言う。そこに明石組から電話が入り、打本について聞きたいことがあるので相原らをそちらに向かわせると言ってくる。広能は明石組と一戦交えるしかないと言う。
 バリケードを作る村岡組。広能へ山守の妻から電話が入り、家の周囲を関西弁を話す者がうろうろしていると言ってくる。広能はすぐに駆けつけるが、いたのは酔った船員だけだった。山守の妻は槙原も来てくれなかったと言う。山守は、打本を明石組が抱いたのを知った早川は打本側に戻っていったと憤る。
 数日後、明石組の相原と宮地が広能を呼び、打本と仲直りしてくれと言ってくる。岩国は手打ちにする手はずができているらしい。組に持ち帰ると言う広能に、槙原は頭を下げに来たし、やる気なのはあんただけだと相原らは言う。広能は山守にケンカから自分は降りると言う。浜崎と小森の手打ちは実現し、山守組は敗北、打本も晴れて明石組の盃を貰う。
 その年の暮れ、山守は武田の見舞いに来て、若頭になってくれるように頼むと、武田はしたいようにさせてくれるならと言って、神和会との縁組の話が来ていることを明かす。“昭和38年1月 山守組幹部新年会”。武田は若頭になり、山口の豊田に仲立ちになってもらい、、神和会との盃を交わすと発表し、広能に仲介を頼むが、広能は断り、早川の店の女がここにいることから分かるように、親父は槙原と組んで、早川をまた抱き込もうとしていると言う。武田は「なら神和会との縁組がはっきりするまで明石組とは会うな」と言うが、広能は「親父があんなことしてるのに、自分だけ行動を縛られるのは納得がいかない」と言い、やがて江田と松永が喧嘩を始める。
 広能に刺客が送られ、西条は倉元に手柄を立てて早く盃をもらえと言い、刺客を送った槙原のところに案内してやると言い、自分の女を倉元に抱かす。槙原は打本に山守に会ってくれと言い、倉元は槙原を襲う。保釈で出てきた岩井は広能に会う。岩井「神和会との盃つぶせんか?」広能「できない」「せめて打本と縁を戻して山守を引退させろ」「俺は呉で収まってりゃいい」「後には引けない」。そこに電話が入る。広能は倉元を袋叩きにする。そこへ武田から電話が入り、岩井との話の内容を教えろと言ってくるが、広能は何もないと答え、神和会との縁組に手を貸すと言う。
 山守組と神和会は豊田の取りなしで五分の盃を交わし、1週間後、明石組と岡山最大の暴力団・小島組が客分の盃を交わし、さらに広島の幹部を送り、山守は打本との盃を求める。武田は広能に「打本の件を岩井から聞いていたとか」と言うと、広能は「言ってたって仕方がなかろうが」と答える。「打本の盃は受けられない」「皆の意見を伝えるが、その場から喧嘩になるかも」。(また明日へ続きます‥‥)

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深作欣二監督『仁義なき戦い・代理戦争』その1

2014-06-22 09:35:00 | ノンジャンル
 深作欣二監督の'73年作品『仁義なき戦い・代理戦争』をWOWOWシネマで見ました。
 米ソの代理戦争が世界で展開される中、ヤクザの世界でも代理戦争が始まっていた。“昭和35年9月広島市”の字幕。呉の広能組々長・広能(菅原文太)は“打本組々長 打本昇”(加藤武)と“広島・村岡組々長舎弟 杉原文雄”と路上を歩いている。打本は広能にプロレスの興行を勧め、広能は小屋探しをすると言うが、そこで杉原は何者かに射殺される。療養中の村岡に代わり、杉原は村岡組の実権を握っていた。杉原の葬儀には、村岡組の幹部の松永(成田三樹夫)や“武田明”(小林旭)が列席するが、栗山は遺体を見て吐く。杉原に殴られたことを根に持って栗山が殺したのではと噂する幹部たち。打本は栗山を殺るように迫られるが、栗山が村岡の客分であるとして二の足を踏む。
 “広島県呉市”の字幕。広能は自分の組を持ち、スクラップ業をしている。“広能組々員 西条勝治”(川谷拓三)はスクラップを横流しして広能に殴られる。“呉・上田組々長 上田利男”は長老の大久保(内田朝雄)に会いに来る。殺人の刑期が残っていた上田は大久保が唯一の相談相手だった。大久保は山守から身元引受人になりたいと言って来ていると伝えると、上田は数日間考えさせてほしいと言うが、そこに山守(金子信雄)と槙原(田中邦衛)がやって来る。西条は指を詰めるだけでは足りないと思い、手首を落として来るが、広能はそれではケンカをできないとまた叱る。翌日、広能は大久保の仲介で山守組に復帰する。
 広能のプロレス興行は大入りになり、打本と“早川英男(打本組幹部)”(室田日出男)がやって来る。外人に反則負けしてきたレスラーの頭を割り、因縁試合をもう1回やって来いと言う広能。“岩井信一(神戸・明石組幹部)”(梅宮辰男)も挨拶に来る。打本は広能に、村岡の跡目になるために、明石組に兄弟分になってくれる者を紹介してくれと言うが、広能は間違いの元だと断る。
 広能はレスラーにいい女を抱かせろと西条に言い、西条は嫌がる自分の女(池玲子)にレスラーのところへ行けと命じる。酔ったレスラーは“工員(のち広能組々員 倉元猛”(渡瀬恒彦)に暴力を働き、倉元は刃物を持って復讐する。倉元は恩師と母に連れられて広能を訪れ、広能に預けられる。
 暴れん坊で知られる“村岡組幹部 江田省一”(山城新伍)が釈放され、打本は村岡組幹部と兄弟盃をし、新興ヤクザのトップとなる。山守は広能のスクラップを持ち出し、広能に抗議されるが、知人の手形が落とせず助けたと言い訳をする。広能が知人とは誰かと追及すると、山守は怒り出し、広島へ行けと広能に言う。広能は今度邪魔したら勝手にさせてもらうと言うと、江田が山守に挨拶に来て、山守は江田に札束を渡す。横目で睨む広能。
 “昭和36年6月神戸”。広能は打本を連れて明石組を訪ねると、明石組は打本の盃の申し出を受ける。“明石組々長 明石辰男”(丹波哲郎)は“明石組舎弟 相原重雄”(遠藤辰雄)を打本の相手とする。“明石組若衆頭 宮地輝男”(山本麟一)。全国を支配しようとする明石組の前に立ちはだかったのは、同じ神戸の神和会だった。“神和会々長 神代巳之吉”“神和会副会長 伊丹義市”。明石組と神和会の代理戦争が各地で起こる。“昭和36年6月 大阪義友会事件”、アパートに殴り込み。“昭和36年7月 奈良石川組々長刺殺事件”、路上。“昭和36年8月 京都中京抗争事件”、路上で袋叩き。“昭和36年10月 鳥取檜山組々長刺殺事件”、白昼の列車内。“昭和37年5月 九州博多事件”、射殺。この事件で明石組は九州に集結。警察も大動員をかけ、九州での争いは静まったが、広島が双方譲れない拠点となった。
 広能は相原と話し、岩井を口説いてほしいと頼まれるが、打本が村岡の跡目になるつもりで自分は動くつもりだと言う。相原は打本が自分に断りなく村岡と盃していると不満を洩らす。松永は広能を呼んで村岡の引退を告げ、跡目を1年だけ山守にさせようと言う。打本が明石組と盃したことを村岡は怒っており、自分の幹部にも適任者がいないと言っているらしい。そこへ打本がやって来て、相原がへそを曲げ、明石組との盃が無期延期になったと言う。広能は打本にあちこちに安売りしない方がいいと言い、打本と袂を分かつ。(明日へ続きます‥‥)

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深作欣二監督『仁義なき戦い・広島死闘篇』その2

2014-06-21 09:06:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 村岡は山中にヤスコを引き合わせる。村岡から勘当されて身を落としていたと言うヤスコ。夜、村岡から電話をもらった山中は勝利が倉光を殺り大友連合会を乗っ取るつもりだと聞き、山中は大友組に殴り込みをかける。“昭30.4.5 大友組々員3名死亡”。山中は口笛を吹いて現場を去るが、警察に逮捕される。“山中正治 殺人罪 無期懲役”。
 村岡は倉光と血縁を結び、大友連合会を傘下に入れ、再び競輪場の利権を独占し、広島を支配するが、媒酌人の景浦は列車内で襲われる。“昭30.4.19 景浦辰次郎死亡”。大友組は景浦の殺しについて記者会見を行なう。山中は刑務所で高梨に出会い、村岡がヤスコを婚家の次男と結婚させようとしていると聞き、秘かに血を抜いて喀血のふりをし、脱獄する。村岡は山中の脱獄はヤスコが目当てだろうと見抜き、やって来た山中にヤスコを会わせ、高梨が嘘を言っていたと思わせる。拳銃で自分をぶち殺して下さいと村岡に懇願する山中。村岡は納得したならいいだろうと言い、松永は山中と2人になって、ヤスコの縁談を祝福してやらなきゃならないと山中を説得する。山中は村岡への恩義を果たすため、大友を取りたいと言うが、そこへ手下の光雄が大友に捕まったとの報が入る。大友は光雄をなぶり、山中の居場所を聞くが、結局光雄を木に吊るし、射撃の的にして殺す。死体を引き取りに来た村岡を大友は襲い、この銃撃戦は暴力反対の世論を巻き起こし、警察も取り締り本部を作り、暴力団員の一斉検挙を行なう。
 “広島・基町(通称原爆スラム)”。大友は明日競輪場で理事会があるので、ダイナマイトを仕掛けようと話す。そこへ山中が現れ、大友は足を撃たれる。医者を呼ぶために村岡と手打ちにしようと言う中原。大友組は村岡の店を襲撃する。やって来た中原に大友の居場所を松永が聞くと、帰りの車の中で中原は襲われる。“昭30.5.24 中原敬助死亡”。“昭30.5.25 大友勝利逮捕 無期懲役”。抗争は終結し、警察が次の標的となる。
 村岡に山中の居場所を聞いた広能は山中と会う。そこへ村岡から電話があり、高梨が仮釈になったと山中に言ってくる。山中は高梨を射殺する。“昭30.5.29 高梨国松死亡”。松永は高梨が言っていたことは本当だったと山中に言い、村岡の命令でわしがヤスコの段取りをしたと言い、取るならわしを取れと言う。安全なところへ連れていってやると松永は言うが、山中は姿を消す。警官から逃げ、空家に身を隠す山中。警察は付近の住民に退避命令を出す。タバコの火がつかず、泣く山中。村岡組事務所の前も警察が厳戒態勢を引く。ヤスコは村岡に「何で助けてやらんの? 叔父さんがやらせたんじゃないの?」と言って泣き崩れる。山中は拳銃に砂を詰めたりしていたが、やがて拳銃を口に食わえ、引金を引く。“昭30.5.29 山中正治自殺”。
 “昭30.6.15 故山中正治追悼花会”。見舞いに出された多額の札。広能も喪服で山守と同席する。山守は他の者と、山中が親分のことを言わず、警官とも撃ち合わずに死んだことを褒め、子分の見本だと言う。村岡が笑顔でいるのを見る広能。「山中は広島やくざの典型だったが、今は誰も墓を訪れない」とのナレーションで映画は終わる。

 乱闘シーンでの手持ちカメラや、光雄が吊るされて標的の的になるシーンの残酷さなどが印象的でした。

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