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黒沢清監督『リアル~完全なる首長竜の日~』その1

2014-06-08 09:33:00 | ノンジャンル
 黒沢清監督・共同脚本の'13年作品『リアル~完全なる首長竜の日~』をWOWOWプライムで見ました。
 食事する若い夫婦。“1年後”の字幕。1年前に自殺未遂したアツミ(綾瀬はるか)は昏睡状態が続き、夫のコーイチ(佐藤健)は医療機器を使ってアツミの意識下に入り込む“サイジング”を行ない、仮想現実の中で対話し、アツミを救おうとします。意識下で強く相手に拒絶されると中断されることを医師(中谷美紀)から聞くコーイチ。
 マンションの一室に入ったコーイチは、窓辺のデスクにアツミが座っているのを発見します。彼女はマンガのデッサンをしていてメ切りが迫っていると言い、夢で見た首長竜の絵を小学校の時に描いて、コーイチに渡していましたが、あの完璧だった絵をもう一度見ればマンガ家としての自信を取り戻せるので、探して来てと言います。するとアツミが持っていたペンが浮き、扉が壁にめり込みます。ここは現実ではないと言うコーイチは、アツミが仕事に行き詰まって自殺未遂したことを教え、どうしてあんなことをしたか教えてくれと言うと、アツミはマンガは自分の人生だと言い、2人の生活にマンガを取り入れる方法を考えようと言うコーイチに反抗し、2人は口ゲンカを始めると、アツミによる拒絶が起こり、サイジングは終わります。目覚めたコーイチは医師らに拍手で迎えられ、1回目のサイジングが成功したと知らされます。
 スカッシュを終えたコーイチは、サイジングで起こったことを医師に報告します。アツミの描いた死体が一瞬現実になったと語るコーイチに医師は、副作用で幻覚が起こったのだろうと話し、実生活の中にもイメージが入り込むことがあると警告します。
 マンガの編集者の高木はコーイチから首長竜の絵の話を聞いて、コーイチの実家かアツミの使っていた貸し倉庫にあるのではと言い、コーイチが見つけたアツミの未発表原稿を出版したいと言いますが、コーイチはアツミの確認を取りたいと答えます。アツミの故郷の飛古根島に父のリゾート開発の仕事のため3年だけ住んでいたと語るコーイチ。貸し倉庫を調べ、エレベーターに乗ると、そこに少年がいます。
 実家に戻ると、コーイチの母(小泉今日子)はアツミのことをコーイチの父に話していないと言い、コーイチは、意識が戻ったら母さんだけ会ってやってくれと言います。
 コーイチはまたマンションの一室に入っていきます。めり込んだ扉を開けると、水が溜まっていて、アツミは床に座りこんでいて、原稿が進まないと言い、首長竜の絵は?とも言います。とにかくここを出ようと言ってコーイチがアツミを部屋の外に連れ出すと、アツミはマンションから出たがり、コーイチは意識が戻る兆候かもと言って、外を見に行きますが、マンションは霧に包まれています。部屋に戻ると丸刈りの男が出てきますが、表情はなく、その男を交わして再び部屋に戻り「外には何もなかった。不用意に出ない方がいいかも。またマンガを描いてるの? 現実の君はもう1年間も眠ったままだ」と言うと、アツミは「知ってる」と言います。「マンガは社会復帰してから」「だから描き続けてるの。楽しいから」。3人の死体が現れ、起き上がります。死体は消え、アツミは振り向いて笑います。「ここは私の意識の中でしょ? だからどうにでもなるの」。2回目のサイジングが終わります。
 スカッシュの後、またサイジングの内容の報告を医師にするコーイチ。1面の霧はアツミの意識の限界で、マンションの廊下にいた男はフィロソフィカル・ゾンビという、意識が作り上げた外面だけの存在なので、気にしなくていいと医師は言います。
 博物館に現れた少年を追うコーイチは、その先に首長竜の骨格標本があるのを発見します。また死体の幻覚を見るコーイチ。
 編集長(オダギリジョー)はアツミの連載を一旦打ち切りたいと言いますが、コーイチは3ヶ月待ってくれと言います。編集長は読者もアツミが再起不能と考え始めていると言いますが、編集者の高木は自分が番外編を描き、アツミが健在だと証明すると言います。一応アツミの意思を確認させてほしいと言うコーイチ。(明日へ続きます‥‥)

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto