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リリー・フランキーさんの2册

2006-05-26 17:30:10 | ノンジャンル
 リリー・フランキーさんの「日本のみなさんさようなら」と「増量・誰も知らない名言集・イラスト入り」を読みました。
 前者は日本映画を一本ずつ取り上げ、批評(?)をするというもの。かなり笑える部分があり、私が一番爆笑したのは、「主演・俵万智。タイトル『ガンガー 俵万智イン・カルカッタ』と聞けば、この映画を知らない人でも多少の常識と判断力さえあれば、『ああ、俵万智扮する怪獣ガンガーがインドに上陸。カルカッタの町を破壊してゆくってカンジかな』と想像できるであろう。」の一文でした。ただ、リリーさんはこの本を単に笑える本として書いている訳ではないようなので、その点ははっきりさせておいた方がいいと思います。
 後者は筆者の日常から実際に聞くことのできた名言を、それにまつわるエピソードとともに紹介していくもので、奇人変人のオンパレード(ウ●コを食べるのが趣味という人まで出てきます)といった感じですが、中でも心に残ったのは、決まった女子高生を毎日痴漢するオジサンがいて、段々やることがエスカレートしてきて、ナマであそこを触ろうとするところまで来たので、さすがに女子高生が電車を降りて逃げると、オジサンは彼女を追いかけながら、裏返った声で「しよっ!! しよっ!! しよっ!! なっ!! しよっ!!」と叫び、「やめてください!! なんですか!?」と彼女が言うと「オレはここでいいからっ!!」と言ったという、すごい話でした。

ロバート・キャパの命日

2006-05-25 17:11:29 | ノンジャンル
 ポール・オースターの「最後の物たちの国で」を読み終わりました。やりました。やっと「ムーン・パレス」に匹敵する面白さの本に出会えました。詳細は「Favorite Novels」の「ポール・オースター」の項を御覧ください。

 さて、突然話題は変わりますが、今日からちょうど52年前、ロバート・キャパはベトナムで地雷を踏んで死亡しました。享年40歳でした。
 ロバート・キャパ、ご存じでしょうか? 最近は知らない人も増えてきたようです。彼は戦争写真家の第一人者で、初めて戦場の写真というものを世に広めた人です。コペンハーゲンで演説するトロッキーの写真でキャリアを始め、スペイン市民戦争を市民側から、日本占領下の中国、メキシコの初の選挙などを撮った後、第二次世界大戦ではアメリカ軍とともにノルマンディ上陸作戦に参加しました。(「プライベート・ライアン」を思い出して下さい。)戦後もハリウッド、ソ連、イスラエル、日本と取材し、最後のベトナムまで、常に世界の最もダイナミックなシーンを撮影し続けました。
 彼の写真の特徴は、必ず人が写っていることです。そこには常にナマの人間が写っています。彼の写真には演出がありません。そこにあるものを撮るだけです。ただ、撮る瞬間とフレーミングの選び方がとにかく素晴らしい。天才的です。彼の写真集はちょっと大きな本屋さんなら手に入ると思います。この文章を読んで興味を持った方、ぜひご自分の目で見て確かめてください。損はさせません!

孤独の発明

2006-05-24 17:10:19 | ノンジャンル
 ポール・オースターの処女作「孤独の発明」を読みました。二部構成で、一部の題名が「見えない人間の肖像」、二部が「記憶の書」です。
 一部は自分の父の話で、いかに他人とコミュニケーションをとるのが下手か、という話が延々と続きます。二部は今までに関わった様々な人物の話が語られます。
 結論。つまらない。あのすばらしい「ムーン・パレス」を書いた人の処女作がこれとは信じられない。一部は、父の様子が詳細に語られますが、そのエピソードがつまらないものばっかり。悪意をもって筆者が書いたとしか思えない。二部は一部よりはましですが、哲学的な文章が多く、やっぱりエピソードも今一つ面白く無い。
 しかし、これはあくまでも私個人の感想であって、文庫化もされてるということは単行本がそこそこ売れた、つまり人気があったことを示してもいるということでしょう。ポール・オースターの他の本を読んで面白かった方は、自分で読んで判断されることをオススメします。
 ということで、私は次なるポール・オースターの本「最後の物たちの国へ」へ希望を探しにでかけます。

フリスコ・キッド

2006-05-23 17:14:36 | ノンジャンル
 NHK・BS2でロバート・アルドリッチ監督'79年作品「フリスコ・キッド」を見ました。
 1880年、ポーランドのユダヤ教の修道院で成績がビリのラビ、アブラム(演じるは、メル・ブルックス映画の常連だったジーン・ワイルダー)はアメリカのサンフランシスコに派遣されることになります。ニューヨークについた途端、3人組の詐欺師にひっかかり一文無しになりますが、たまたま旅するユダヤ人の一団に出会い、旅費を恵んでもらいます。
 それで列車に乗って、トイレに立ったおかげで列車強盗トニー(演じるは「スターウォーズ」の2年後の若きハリソン・フォード)に会わずにすみます。列車を降り、鉄道人夫をしてためた金で馬を買いますが、昼寝をしている間に狸に食料を食べられ、魚を捕ろうと池でバシャバシャやってると、たまたま通りすがりのトニーが見るに見かねて拳銃で魚を仕留めてやり、それ以後二人は一緒に旅することになります。
 途中の町でトニーは銀行強盗を働き、後でそれを知ったアブラムは怒りますが、とりあえず逃げます。金曜日は乗り物に乗ってはならないという戒律を守り、馬から降りて歩くアブラム。迫る追手にトニーは気が気ではありません。それでも何とか追手から逃れたと思ったら、今度はインディアンにつかまり、火あぶりにされそうになりますが、アブラムの信仰心の強さに感心した酋長に許されます。祝いの踊りを踊っているうちに失神したアブラムは気が付くと無言の行を続ける修道院に寝ています。そこでも純真素朴なアブラムに修道者は一斉に笑ってしまいます。
 その後立ち寄っった町でアブラムは詐欺師達に再会し、トニーの助けもあって金を取り返します。が、執念深い詐欺師達は、海水浴中の二人を襲い、アブラムはトニーを助けるため、仕方なく奴らの一人を打ち殺してしまいます。
 やっとサンフランシスコに着いた二人は訪問先を訪ねますが、アブラムは人を殺したことを気に病み、他人のふりをしてポーランドから持ってきた律法を末の娘に渡します。娘の通報で、ラビの到着を待ち望んでいた人たちは、レストランにいたアブラムを探し出し、アブラムもラビとして生きていく決心をします。そこへまた詐欺師の生き残りが乗り込んできますが、アブラムの一言で町の外へ追放され、くだんの娘とアブラムが結婚し大団円を迎えます。
 次から次へとエピソードが続き、見てて少しも飽きませんでした。ジーン・ワイルダーもハリソン・フォードも彼らにしか出せないいい味を出していたと思います。まだ見て無い方、オススメです。

はなうた日和

2006-05-22 17:35:21 | ノンジャンル
 三省堂書店の店員さんの推薦で山本幸久さんの「はなうた日和」を読みました。
 世田谷線(2両の単線電車)の沿線を舞台にした8つの短編からなっています。第一話「閣下のお出まし」は自分の母と離婚した俳優の父を訪ねていったら、腹違いの少年に歓待され、父が自分がファンの特撮ヒーローものの悪玉をやっているのを知る、という話。第二話「犬が笑う」は、バーで働く若い女性が、なじみ客の植木職人の棟梁と散歩中にたまたま会ったことがきっかけで親しくなり、恋を始めよう、と決心する話。第三話「ハッピー・バースデイ」は、昔のなじみの取引先を相手に、人まねのうまい美人の部下に頼まれて、その女性を弄んだ副社長をなぐったことを語るという話。第四話「普通の名字」は、校正が本職で雑貨屋の店番をバイトでやってる女性が店長にお見合いを勧められますが、店のテレビ取材をしている時に、相手の男性が来て、お見合いをドタキャンするつもりだと告白されます。同じことを考えていた主人公は、お見合いとは別に一緒に買い物をすることにし、うきうきしながら出かけるという話。第五話「コーヒー・ブレイク」は、会社でのつまらない会議中に、散歩させていた犬が逃げ出したのを目撃して、会議を抜け出て犬を探すうち、散歩させてたのは散歩代行業の人で、奥さんが社長の会社で働かせてもらってることが分かるという話。第六話「五歳と十カ月」は、年をごまかしてお姉様キャラのアイドルをしている女性が、撮影会の後デパートで小さい女の子を連れた中学生時代の恋人にあって、昔を回想する話。第七話「意外な兄弟」は、製紙会社に勤める主人公が特撮オタクの3人と定例会を開いているうち、最近親しくなったバナナから紙を作る研究をしている美人の同僚のために、その紙を使うアイディアを思い付く話。第八話「うぐいす」は、自分の夫との思い出がつまっている作業所をリフォームでまもなくつぶされてしまうおばあさんが、一人で和菓子を買いに行って道に迷い、警官から徘徊老人に間違われ、それからは散歩代行業の人とでないと外出できなくなってしまう話。
 特撮ヒーロー・キャタストロフィン、ガヤガヤ雑貨、飲み屋「狸」、バナナマンなど、それぞれの話に複数出てくるアイテムがあり、それぞれの話の関連性を感じさせる仕組みになってます。話自体はたわいもないもので、日常でのふとしたことを読みやすい文体で書いてあり、それなりに楽しめて、暇をつぶしたい人には最適の一冊だと思いました。