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幽霊たち

2006-05-15 16:52:23 | ノンジャンル
 ポール・オースターの「ニューヨーク3部作」の第2作目「幽霊たち」を読みました。
 出だしは1作目とそっくりです。私立探偵にある男の部屋を監視してほしいという依頼がきます。通りを隔てた向いの部屋を取ってあるので、そこから監視してくれればいい、というのです。監視を始めますが、その男はほとんど部屋から出ず、本を読んだり、書き物をしたりしかしません。探偵は、段々疑心暗鬼になってきて、ついに監視している相手と接触を試みます。そして分かった事実とは‥‥。
 一応、意外な結末が用意されているのですが、「だからどうしたの?」といった感じです。というのも、どうしてそういう結末になるのか、何の説明もされていないからです。なんか肩透かしを喰った感じで、脱力感に襲われました。
 文体自体はすっきりしていて、決して嫌いでは無いし(というか、「ムーン・パレス」があれほど良かったんだから、私はこの人の文体は好きなはず)、ストーリーも面白いのですが、肝心なところが抜けてしまっていると思いました。他の読まれた皆さんは、どんな感想をお持ちでしょうか?