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斎藤美奈子さんのコラム・その61&前川喜平さんのコラム・その22

2020-06-19 11:52:00 | ノンジャンル
 恒例となった、東京新聞の水曜日に掲載されている斎藤美奈子さんのコラムと、同じく日曜日に掲載されている前川喜平さんのコラム。

 まず6月10日に掲載された「国際ニュースの闇」と題された、斎藤さんのコラムを全文転載させていただくと、
「NHKが日曜日に放送している国際ニュース番組「これでわかった!世界のいま」がツイッターに投稿した動画を削除して謝罪した。七日放送の番組で使われたCGアニメで、テーマは「拡大するデモ アメリカでいま何が」。いかつい風貌の黒人男性が「俺たち黒人と白人の貧富の格差があるんだ」などと話すがデモの背景の説明はなく、人種差別だとして抗議が相次いだという。
 国際ニュース番組とはいうものの、この番組は子どもの視聴者を意識した作りである。今回は黒人差別だったが、前から私が気になっていたのは嫌韓反中の姿勢である。特に最近は中国を悪役にした内容が多い。
 中国を批判してきた香港を弾圧する国家安全法制(5月31日)。WHOとてドロス事務局長は中国のいいなり(4月19日)。中国がEUの一部の国に資金援助をしているという話も最後は「こうやって経済的に苦しい国を助けて中国寄りにしてきたんだよ!」(5月24日)。一面の事実を含んではいるとしても、竜の姿で描かれた中国は常に世界支配を狙う悪の帝国扱いだ。
 複雑な国際情勢を語るのに、そもそも善玉悪玉を設定した一分半程度のアニメはそぐわない。いちいち国家間対立を煽(あお)るような描き方をする意図も図りかねる。子ども向け番組なのに、ネトウヨの頭の中を覗(のぞ)き見している気分。」

 また、6月17日に掲載された「これも民意」と題された斎藤さんのコラム。
「河野太郎防衛相がイージス・アショアの配備計画のプロセスを停止すると唐突に表明した。
 イージス・アショアに関しては、もともと批判が百出していた。なぜ秋田と山口なのか。
 秋田は北朝鮮とハワイを結ぶ線上に、山口は北朝鮮とグアムを結ぶ線上に位置している。ほんとは日本の国土ではなく米国の防衛のためなんじゃないの? あまりにおもしろすぎるので、いまでは日本中の人が知ってるイージス疑惑だ。
 配備候補地の選定に際し、防衛省の調査報告書に事実と異なるデータが記載されているとスクープしたのは秋田魁新報。昨年の六月五日だった。これで秋田の世論は反対に傾き、七月の参院選でも野党統一候補の寺田静氏が当選。2019年の日本新聞協会賞は、同社のスクープと一連の報道に与えられている。
 河野防衛相はゴチャゴチャ言い訳しているが、要は「高い・危ない・使えない」ってことですよね。わが国の弾道ミサイル防衛には絶対必要だと強弁してきたが、じつはそうでもなかった、と。「高い・危ない・使えない」ならほかにもある。オスプレイとは、ステルス戦闘機F35とか。もちろん沖縄県名護市辺野古に建設中の新基地も。
 政権は絶対違うというだろうけど、結果的には民意の力。強気だった政権でも、支持率が下がればサプライズが起きるのだ。」

 そして、6月14日に掲載された「小池都知事とコロナ」と題された前川さんのコラム。
「小池百合子東京都知事の新型コロナウイス対策には、首をかしげることが多い。東京オリンピック・パラリンピックの延期が決まるや、翌3月25日の記者会見でいきなり「感染爆発の重大な局面」と言い出した。オリ・パラの開催まで感染拡大を隠そうとしていたのではないか。
 都立学校の休校は三カ月に及ぶ。一時九月入学論を唱えたが今は黙っている。段階的に分散登校を行う方針だが、6月15日からやっと週三~四日の登校だ。学習塾への休業要請は6月1日に解除した。学校の再開の方が先ではないのか。
 「夜の街」を問題視してきた小池氏は、6月7日の西村康稔担当相との会談で、ホストクラブのホストが定期的にPCR検査を受けられる態勢作りを確認したという。それなら介護士、保育士、教師などにも同様の措置をとるべきだろう。
 6月2日にレインボーブリッジを赤く照らした「東京アラート」は、11日深夜に解除したが、12日零時にカラオケやパチンコ店への休業要請も解除した。19日には接待を伴う飲食店も緩和するという。これも解せない。何のための「アラート」だったのか。同じ12日、小池氏は都知事選への出馬を表明した。休業要請解除は出馬表明の「お土産」なのではないか。小池氏はコロナ禍を自分の選挙に利用しているのではないか。」

 どれも一読に値する文章だと思います。

 →サイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto