昨日にアメリカで行われたアカデミー賞授賞式は、盛り上がったようですね。主演男優賞を『ボヘミアン・ラプソディー』に主演した俳優さんが受賞して、スピーチの中で「私はエジプトからの移民第一世で……」ということを話され、また『ブラック・クランズマン』で、黒人として初めて脚本賞を受賞したスパイク・リーは「寛大な世の中を取り戻すため、次回の大統領選挙では正しい選択をしよう!」と熱烈にアピールしていました。また外国語映画賞および監督賞は、1970年代のメキシコを舞台にした『ROMA ローマ』が選ばれ、作品賞には、1960年代を舞台に天才黒人ピアニストに雇われた粗野な白人運転手が、2人で人種差別の色濃い米南部へコンサートツアーに出る『グリーンブック』が、脚本賞と助演男優賞も合わせて受賞しました。トランプ大統領はさっそくツイッターで反論をしていたようですが、白人至上主義、アメリカ・ファーストを掲げるトランプ大統領は大分旗色が悪くなってきたようです。来年のアメリカ大統領選挙が、今から楽しみです!!
さて先日、新宿の「K’s cinema」で、キン・フー監督・製作の1979年作品『山中傳奇』の3時間12分版を見ました。パンフレットの「Story」を転載(一部改変)させていただくと、
「11世紀、宋の時代。若い学僧・雲青(シー・チュン)は、戦乱で死んだ者たちの鎮魂のための写経を頼まれる。写経に集中できる静かな場所を求め、崔という男から案内されたのは、山奥の城跡にある廃屋であった。近所に住む世話好きな王夫人は、その夜雲青を宴席に招き、妖艶で美しい娘・楽娘(シュー・フォン)を紹介する。酒に酔った雲青は、その楽娘と一夜を共にしてしまい、強引に彼女と結婚させられる。新婚生活を送っているうちに、周囲で奇妙な出来事が起こり始める。王夫人は雲青の持つ経典を盗もうとあらゆる手立てを仕掛ける。楽娘は時おり現れる道士に対して神経をとがらせつつ怖れる。ある日、崔と二人で麓の村に向かった雲青は居酒屋に立ち寄り、酔っぱらった崔から『お前の女房は妖怪だ』と告げられる。崔の酔いが醒めるまでの間、気晴らしに居酒屋の娘・依雲(シルヴィア・チャン)と散歩するうちに、ようやく心も落ち着き、清楚で可憐な彼女に親愛の気持ちが芽生える。妻の楽娘は、夫が依雲に会ったと知るや眉をつりあげて怒り、雲青に金縛りの妖術をかけ部屋に閉じ込める。崔の言ったとおり、彼女は妖怪だった。雲青が託された、霊界を支配できるという経典を奪おうとしていたのだ。そうはさせまいとする道士が現れる。そして、妖怪・楽娘と道士との壮絶な戦いが始まる。武器は剣でなく、太鼓やシンバル。大きく小さくまたは軽妙に大胆に打ち続けられる音。激しい戦いのなかで何度も窮地に追い込まれる道士。しかし最後には道士が楽娘を倒し、妖怪の楽娘の首が落ちて燃え尽き、映画は終わる。
圧倒的に面白い映画でした。3時間越えの映画というのは普通は敬遠するものですが、この映画の場合、あっという間に見終わってしまったという感じです。なお、キン・フー監督の映画に興味を持たれた方には、山田宏一さんと宇田川幸洋さんの共著『キン・フー 武侠電影作法』という素晴らしい本があるので、そちらの本もオススメしたいと思います。(ちなみに今ならアマゾンで中古が3000円(送料別)、またはほぼ同じ内容での1997年刊行のものでいいのでしたら、やはり送料は別ながら1580円で手に入ります。)
さて先日、新宿の「K’s cinema」で、キン・フー監督・製作の1979年作品『山中傳奇』の3時間12分版を見ました。パンフレットの「Story」を転載(一部改変)させていただくと、
「11世紀、宋の時代。若い学僧・雲青(シー・チュン)は、戦乱で死んだ者たちの鎮魂のための写経を頼まれる。写経に集中できる静かな場所を求め、崔という男から案内されたのは、山奥の城跡にある廃屋であった。近所に住む世話好きな王夫人は、その夜雲青を宴席に招き、妖艶で美しい娘・楽娘(シュー・フォン)を紹介する。酒に酔った雲青は、その楽娘と一夜を共にしてしまい、強引に彼女と結婚させられる。新婚生活を送っているうちに、周囲で奇妙な出来事が起こり始める。王夫人は雲青の持つ経典を盗もうとあらゆる手立てを仕掛ける。楽娘は時おり現れる道士に対して神経をとがらせつつ怖れる。ある日、崔と二人で麓の村に向かった雲青は居酒屋に立ち寄り、酔っぱらった崔から『お前の女房は妖怪だ』と告げられる。崔の酔いが醒めるまでの間、気晴らしに居酒屋の娘・依雲(シルヴィア・チャン)と散歩するうちに、ようやく心も落ち着き、清楚で可憐な彼女に親愛の気持ちが芽生える。妻の楽娘は、夫が依雲に会ったと知るや眉をつりあげて怒り、雲青に金縛りの妖術をかけ部屋に閉じ込める。崔の言ったとおり、彼女は妖怪だった。雲青が託された、霊界を支配できるという経典を奪おうとしていたのだ。そうはさせまいとする道士が現れる。そして、妖怪・楽娘と道士との壮絶な戦いが始まる。武器は剣でなく、太鼓やシンバル。大きく小さくまたは軽妙に大胆に打ち続けられる音。激しい戦いのなかで何度も窮地に追い込まれる道士。しかし最後には道士が楽娘を倒し、妖怪の楽娘の首が落ちて燃え尽き、映画は終わる。
圧倒的に面白い映画でした。3時間越えの映画というのは普通は敬遠するものですが、この映画の場合、あっという間に見終わってしまったという感じです。なお、キン・フー監督の映画に興味を持たれた方には、山田宏一さんと宇田川幸洋さんの共著『キン・フー 武侠電影作法』という素晴らしい本があるので、そちらの本もオススメしたいと思います。(ちなみに今ならアマゾンで中古が3000円(送料別)、またはほぼ同じ内容での1997年刊行のものでいいのでしたら、やはり送料は別ながら1580円で手に入ります。)