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鈴木則文監督『トラック野郎 熱風5000キロ』その3

2019-02-08 05:25:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。
サロメ。ジョナサン「ハルエさんは?」「ママは二階」。客、2階から下りてきて「水くれ、水。じゃあ、またな」。下着のようなドレスを着たハルエが現れる。「私に何か?」「小林太一さんが亡くなった」「あいつ、死んだの」。濃い酒を飲むハルエ。「香典でもよこせって言うの?」「この子」「この子がどうしたの?」「ヨーコちゃんです」「何だか不思議な気持ちだわ」「この子が頼れるのはあんただけ。抱きしめてやってくれ」「何の権利があって私に指図するの? 今頃になって子供を引きとれ、抱いてやれ? 冗談じゃない。事故の借金を返すために夜の商売についたのに」「それでも親か! 自分の子供がかわいくないのか!」「いいかげん帰ってよ」。(中略)
 夜の浜辺。ヨーコの寝顔を見る桃次郎。海に向かって歌うナツ。“雪の下北”“はぐれ鳥”のトラック看板。ナツの足元に波。桃次郎、ナツに近づき「いい歌だなあ」(中略)「父ちゃんがよく歌ってくれた。本当の父が。北海道の開拓団から満洲へ」「俺は東北だ」「今はいい季節ね」「もうダムの下だがな」「さっきの歌、国の中にも国の外にもふるさとがない人の歌よ」。2人を捉えたロングショット。
 “聖徳太子”の看板を掲げたトラックを、ジョナサンの妻(春川ますみ)が運転し、9人の子を乗っけてくる。「父ちゃん!」「母ちゃん!」「皆、挨拶なさい。久しぶりのハンドル気分だわ。川島さんが車を返してくれたの」。
 “寝覚の床”“馬籠宿”の字幕。遊ぶジョナサン親子と桃次郎。
 記念写真。ジョナサン「ヨーコをうちで引き取りたい」子供たち「さんせーい!」桃次郎「おナツに相談しないと。おナツはヨーコの母になるつもりだぞ」「父ちゃん、家に帰ったら驚くことあるわよ」。
 ジョナサンが帰宅すると、ドアに「松下塾」と書かれた部屋ができている。泣くジョナサン。「いい子だ。高級マンションみたいだ。ワッショイ、ワッショイ」。皆で喜んでジャンプしてると、その揺れで壁が倒れてしまう。笑うジョナサン。「今度は丈夫な檜で作ってやる」。
 インベーダーゲーム。玉三郎「ナウなアイディアでしょう?」店主「仕入れ値が半分というのが気になる」客「このインベーダー故障してるぞ」「こっちも動かないぞ」「早く直せ」。玉三郎が直してると、煙が上がる。店主の娘「玉三郎さん、だましたの? だまされたの?」皆、リンゴを玉三郎に投げ出す。玉三郎がインベーダーゲームの的に。店主「このイカサマ野郎。クビだ!」。
 着物姿のハルエ、ヨーコに会いに来る。「この前はごめんね。やり直すことにしたの。迎えに来たの。一緒に石垣島のおばあちゃんのところへ帰りましょう。これ、お土産」と毬を渡す。毬を放って走り出すヨーコ。
 ナツにヨーコ「コロッケおいしい。山猫母ちゃんが大好き」桃次郎「風呂から上がったら俺はビールだが、ヨーコは?」「コカ・コーラ」。その様子を隠れ見て泣くハルエ。
 ナツ、父の写真を発見。北海道開拓団。その様子を覗くノサップ。
 清流の水で頭を洗うナツ。そこへノサップが現われ、無理やり抱こうとする。2人とも激流の中へ。川から上がり、ノサップがキスすると、ナツは平手打ち。「あんた一体誰?」「お前と同じ開拓団の生まれ。俺が小5の時、お前は小1。お前の写真を見たろ?」「じゃ、あんたは? この傷はカッチャン? カッチャンなんだね」「お前がお嫁さんになりたがっていたカツヤだ」。
 白黒。牛からナツを守るため、背中を牛の角に刺されるカツヤ。
 「なぜ黙ってたの?」「何も知らない人だな。なぜ開拓村を追われたか」「大企業の進出」「それもあるがもう一つ。伊吹ジュンゾウが裏切ったからだ。村を売った」「まさか。孤児だった私の育ての親なのに」「何年もかけてジュンゾウを探し当てた。そこにお前が一緒にいた。お前のこと、忘れなかったぜ」。ノサップ去る。
 嵐の夜。台風の被害を報じるテレビ。ジュンゾウ「雨よ降れ。風よ吹け。これで一気に材木の値が高騰する。8年前に鉄道の廃止を見込んで、大量のトラックを増車した。木曽一の運送会社にした。今度は木曽一の材木商人だ。嬉しくないのか?」ナツ「ノサップの顔、覚えてない? ユーフツの生まれ。村を追われた後、苦労した。あなたのことを恨んでる」「本名は?」「黒田カツヤ」。
 ビールを飲むノサップ。ジュンゾウ「お前、ソーゴローのせがれだな? 何の目的で来た?」「てめえの胸に聞け」「弁解しない。だが聞いてくれ。俺とお前の親爺は満蒙団の仲間だった。敗戦で国から見捨てられた時、俺たちは熊笹しか生えねえユーフツの開拓村に望みをつないだ。働きづめで15年。やっとわずかな収穫が得られるようになった頃、国家の後押しで大企業が進出。俺たちは2度も国に裏切られた」(また明日へ続きます……)