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鈴木則文監督『トラック野郎 熱風5000キロ』その5

2019-02-10 03:58:00 | ノンジャンル
 先週の木曜日から、1996年に刊行された山根貞男さんの映画評論集『映画の貌』を読んでいるのですが、小さい活字で650ページを超えるこの大著のうち、今560ページまで読み終わった段階で、その行間から立ち昇る熱気にやられ、やはり山根貞男さんの本「日本映画批評集成1976---1989」と「日本映画批評集成1990---1999」と「日本映画批評集成2000---2010」をアマゾンで衝動買いし、それでまた以前から思っていたのですが、鈴木清順監督の初期作品を強烈に見てみたいという思いにかられ、「SEIJUN SUZUKI THE EARLY YEARS VOL.1」と「SEIJUN SUZUKI THE EARLY YEARS VOL.2」と「鈴木清順監督自選DVD-BOX 壱<日活から大目玉をくらった作品>」までも衝動買いしてしまいました。
 「SEIJUN SUZUKI THE EARLY YEARS VOL.1」に収録されている映画は(かっこ内の数字は公開年)「踏みはずした春」('58)、「峠を渡る若い風」('61)、「ハイティーンやくざ」('62)、「悪太郎」('63)、「悪太郎伝・悪い星の下でも」('65)、また「VOL.2」の方は「8時間の恐怖」('57)、「けものの眠り」('60)、「密航0ライン」('60)、「東京騎士隊」('61)、「散弾銃の男」('61」であり、「鈴木清順監督自選DVD-BOX」の方は(公開年ははぶきます)、「東京流れ者」、「関東無宿」「8時間の恐怖」「素ッ裸の年齢」「港の乾杯 勝利をわが手に」「殺しの烙印」となっていて、この16作品のうち、まだ見ていない作品が9作品もあったので、数万円の出費になりましたが、買った甲斐はあったと思いました。
 ちなみに「VOL.1」と「VOL.2」の方はアマゾンでの在庫があとわずかしかないので、私と同じように「清順監督のプログラムピクチャー時代の映画が見たい!」と思われている方は、急いでアマゾンで買った方がいいと思います。

 さて、また昨日の続きです。
 ジョナサン「桃さんか? 俺だよ。大至急ヨーコを大津港へ。荷を下ろしたついでにサロメに寄ったら、ハルエさんはもう辞めちゃってる。どこ行ったか分からない。分かったことは、今日の午後5時に大津港から出る南シナ海行きの漁船に乗せてもらって、沖縄の石垣島に帰っちまうんだよ。ハルエさんは後悔してる。ヨーコをすぐ連れてきてくれ。4時間しかない。汽車だと6時間かかる」「よし、分かった。ヨーコ、お母ちゃんが待ってるぞ」。後ずさりし、ジュンゾウに抱かれるヨーコ。桃次郎「おやじ、辛いだろうけど、連れてくぞ」「うん」「よーし、(ヨーコを抱き上げ)お前が一番星に戻った初仕事か。来い」。
 100キロオーバーで運転する桃次郎。車をどんどん追い越して行く。玉三郎、ネズミ捕りの検問を自分が突破して、桃次郎を助ける。ジョナサンが無線で誘導。道なき道を行く桃次郎。デコレーションが次々に壊れていく。
 やがて雪国へ。「ヨーコ、その毬はお母ちゃんにもらったんだろ?」「うん」「お母ちゃんはな、本当はずっとヨーコのこと思ってるんだぞ」。
 黒部高山アルペンルートを走るトラック。ジョナサンが無線でヨーコに「母ちゃんを恨むんじゃないぞ。一人っきりの親なんだからな」。トラック、魚津市に到着。
 船員、ハルエに「出港ですよ」。桃次郎のトラック到着。「あっ、お母ちゃん」桃次郎「ヨーコ、さよならだな。幸せになれよ」。「母ちゃん!」「ヨーコ!」。2人は駆け寄り、抱きしめ合う。泣き崩れるハルエ。ジョナサン、やって来る。「桃さん、よかったな」。感無量のジョナサン。厳しい顔で2人を見つめる桃次郎。桃次郎「おい、行こうか?」。
 テーマ曲。「男の道はひとり旅♪~」大俯瞰で2台のトラックが走る様子が撮られる。そして最後曲調が明るくなり、映画は終わる。

 たこ八郎らが出演する宴会の場面の活気は、森崎東監督を想起させるものでした。シリーズ最終作品だけに、見せ場がたくさん用意されていたと思います。