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スティーヴン・スピルバーグ監督『アミスタッド』その3

2016-09-15 06:55:00 | ノンジャンル
 今日はビル・エヴァンスの37回忌に当たります。すばらしい演奏を残してくれた彼に改めて感謝するとともに、ご冥福を祈ろうと思います。

 さて、また昨日の続きです。
 房。静寂。聖書が分かってきたと言う青年。「苦しんだ人がいたが、この人で変わった」と青年。教会で祈る判事。
 首の鎖の検査。足の鎖。窓から見物する人々。シンケは仲間に「頭を上げろ」と言う。十字架に見えるマスト。
 開廷で皆起立。シンケの導きで黒人も皆立つ。判事が着席し、皆座る。判事は「告発側には否定しがたいものがある。スペインのイザベラ女王はスペインのカルデロン大使を通して誠意をもって立場を主張している。しかしルイズ氏とモンテス氏は出生地を誤解している。ゆえにスペイン女王に所有権はない。ミードとゲドニー両士官の申し立ても無効。ルイズ氏とモンテス氏は逮捕。罪は奴隷売買。囚人たちはただちに釈放。アメリカ政府の費用で一日も早く祖国アフリカへ」と述べ、大騒ぎに。
 大統領の晩餐会。カルデロン大使もいる。不愉快なカルフーン上院議員が現れ、「南部を下に見ている。内戦の可能性も出てきた」と言う。
 タパンとジョッドソンは刑務所の外に馬車をつけると、タパンは「最悪の展開だが、殉死が必要だ」と言う。刑務所の中で踊り狂う黒人ら。「大統領は最高裁に控訴した」と告げられ、激しく怒るシンケ。
 ボールドウィンは、マサチューッツ州の下院議員のアダムズに手紙を書く。手紙を読んだアダムズは「最高裁の判事の9人中7人が奴隷の所有者だ」と言い、「助力を」と書かれている手紙を握りつぶす。
 ボールドウィンのもとにコヴィが現れ、シンケが会いたくないと言っていると伝える。
 シンケのもとを訪れたボールドウィンは、依頼人は君だけになったと言い、脅迫の品々を見せ、いつまでも自由にここにいられるので、君が話を始めるまで待つと言うと、そこにアダムズが現れる。
 カルフーンは仲間とアダムズの悪口。
 シンケとコヴィ。
 アダムズとボールドウィンのもとにコヴィ。シンケが「管轄権について知りたいと言っている。公海上で船を奪った」と言っているというが、アダムズは「管轄権を超える条約がある」と答える。
 シンケとコヴィ。
 「法的にルイズとモンテスの所有物なら条約との関係は?」というシンケの問いに、アダムズは「条約は両国民にも及ぶ」と答え、「その条約に優先する条約がイギリスと西アフリカ間に?」「アメリカとイギリス間に?」「アメリカと西アフリカ間に?」と次々と問うと、アダムズは「もう止めなさい!」と言う。
 「鎖を外せ」とアダムズ。「規則なので」と兵隊が言うと「いいから外せ」とアダムズ。自分が栽培している花を次々と見せ、シンケが一つの花に反応すると、「それはアフリカ・スミレだ」とアダムズ。
 「君は最高裁に呼ばれる。君の問題というより我々の問題だ。君の国ではチーフは死んでもチーフ。この国は違う。賢さと強さに欠けるチーフがいることも。この国を2つに分裂させようとしているライオンに戦いを挑むんだ。武器は石ころ。前途は多難だ」とアダムズが言うと、シンケは「祖先が味方だ」と答える。
 最高裁。アダムズはボールドウィンとともにシンケを弁護。アダムズは書簡の写しを示し、「これはフォーサイス国務長官とイザベラ女王間のものです。女王はさかんに“アメリカの無能な司法”と書いています。司法への行政の介入は独立宣言を破ることになります」と言う。
 ボールドウィンは夜の自室で落ち着かない。
 最高裁。判事は言う。「条約の適用は不可能だ。アフリカ人は積荷ではない。彼らは奴隷でない。商品でも。故郷であるアフリカへ」。鎖が外される。アダムズ、シンケに「説得は君の言葉だ」と握手。シンケはジョッドソンにお守りを渡す。ホールドウィンにも「ありがとう」と英語で言い、握手。ボールドウィンもメンデ語で返す。
 “コンボコ奴隷砦の陥落”の字幕。黒人は解放され、船の大砲が砦を破壊する。
 “ヴァン・ビューレンは選挙に敗れ、ウィリアム・ハリソンが第9代大統領に”の字幕。
 アメリカ海軍の将軍は側近に「口述を」と言い、「合衆国国務長官フォーサイス殿  閣下の言葉は事実でした。シエラ・レオーネの奴隷砦は存在しません」と言い、大砲で砦を破壊。
 朝日に向かって進む船。アフリカへ。
 ベッドの上でジャンプしてはしゃぐイザベラ女王。“イザベラ女王はその後も7代大統領にこの問題を抗議!”。
 “1864年の南軍の敗北でスペインの補償請求はついえた”の字幕。
 “シンケはシエラ・レオーネに帰国。そこは内乱の最中で、彼の村と家族は跡形なく消えていた。家族は奴隷として売られたのであろう”の字幕。逆光の船から朝日を捕らえたショットが暗転して映画は終わる。

 画面の映画というより、演出の映画でした。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/