gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

スティーヴン・ナイト監督『オン・ザ・ハイウェイ  その夜、86分』その1

2016-09-07 07:35:00 | ノンジャンル
 今日の朝日新聞に、小津安二郎監督の『突貫小僧』の家庭向け短縮版の完全版が見つかったという朗報が掲載されていました。今から見るのが楽しみです。

 さて、スティーヴン・ナイト監督・脚本の13年作品『オン・ザ・ハイウェイ  その夜、86分』をWOWOWプライムで見ました。
 カメラが降りてきて、建設現場から出て来る労働者たちを捉える。そのうちの一人は安全靴を脱ぎ、作業服も脱ぐと車に投げ入れ、車を発進させる。信号で停まる車。左折のランプ。信号が緑に替わり、車が発進しないでいると、後ろのトラックがしきりにクラクションを鳴らす。車は右折のランプを出して、右折。
ベッサンへ電話し、留守電に「アイヴァンだ。1時間半したら、そちらに着く。病院の人間に聞いた」と吹き込む。
“クソ野郎”から着信。留守電に「ガレスだ。アイヴァン・ロック。コンクリートの件ですぐ折り返し電話するように」。
車、右に車線変更し、高速へ。自宅に電話。「エディ、ママは?」「買い物。試合はドイツビールだよね」「すぐに帰れそうにない」「ユニフォーム着て待ってるよ。ママまでユニフォーム着ちゃって、恥ずかしいね」「試合には間に合わない。ラジオで聞く」「約束したろ? 料理も作ってあるよ」「ママが戻ったら電話してくれ」。
ドナルから電話。「伝言は聞いた。冗談だろ?」「心配ない。私がサポートするから」「今、ガソリンスタンドで、皆降ろして帰るところだ」「家族の問題だ」「誰が亡くなった?」「仕方ないんだ。君に任せたい。コンクリートを流し込む間だけだ。終わりまで5分ごとに電話してくれ。状況確認をする」「5時45分には現場に350トンの生コンが届く。国中から200台のトラックが集まる」「正確には218台で355トンの生コンだ」「冗談なんだろ?」「仕方ない」「不幸があったとしても昼までには現場に来てくれ」「誰も死んでない。君に任せるしかない。朝に作業員と現場にいてくれればいい」「俺は単なる作業員だ」「ポンプは扱えるし、トラックの整理もできる」「現場が違う」「量が多いだけだ」「ガレスは?」「まだ話してない」「きっとキレる。クビになるのは分かってる」「最高の現場監督が一体どうした?」「力を貸してくれ。人員を集めてかけ直せ」。
ベッサンから電話。「今どこに?」「病院に着いて分娩室に入ったところ。今は5センチ」「何が?」「子宮口が」「出産はいつ?」「聞ける人がいない。トイレに行きたい。ひどく痛む」「看護師とは話した?」「どういうこと?」「痛み止めがほしいと」「“様子を見る”って」「とにかく痛み止めの薬を飲め。なんでもいい」「窓が開いていて、寒い」「閉めるように頼め。とにかくトイレへ。すぐ着く」「子供のこと、奥さんに話した?」「これからだ。やるべきことのリストに乗ってる」「愛してる?」「愛してない」。
妻のカトリーナから着信。「ドイツビール6本とソーセージを用意したわ。ユニフォームも着てるのよ」「告白する。15年で一度の過ちだ」。
 “クソ野郎”からの着信。「ドナルと話したが、どうなってる?」「明日、現場に立ち会えない」「理由は?」「ロンドンに行く」「“軍事核施設を除きヨーロッパで最大のコンクリート打設工事だ。成功を期待する。ミッチェルより”。ミッチェル・ディーン、シカゴ本社の社長だ」。怒鳴るガレス。「一緒にいられるのは私だけだ。傷つきやすい女性なんだ。今まで誠実でなかった。それにやっと気づいたんだ」「15分ごとに1000万ポンド、合計1億ドルだぞ」。アイヴァン、電話を切る。
 後部座席をバックミラーで見ながら、酒浸りだった父に向かって独り言を言うアイヴァン。
 ドナルから着信。「ポーランド人とハンガリー人を数名ずつ確保した。アルバニア人のアルビーにポンプのテストをやらせる」「君自身がポンプの確認をしろ。5時を過ぎたらアルビーは酔う。配合はC6、スランプは2.5センチ」「いつゲートを?」「寝ずに確認しろ」「許可書は?」「工場に連絡し、調査確認をファックスしろ」「ガレスとは?」「シカゴに電話するとさ。ガレスの電話に出るな。朝まで誰にも耳を貸すな。私と君で対処する」。
 ベッサンの留守電にメッセージを送るアイヴァン。
 ベッサンから電話。「窓は閉めてもらった。死ぬほど痛い」「渋滞がなければ1時間15分ほどで着く。俺が冒した過ちだ。お互い知らずに」「急いで。制限速度内で」。パトカーが速度違反の車を追っていく。
 “クソ野郎”からの着信。「シカゴ側が決断した。過去10年の貢献を訴えたんだが。君はクビだ」「金のためじゃなく、成功させたい。自分の信念と建物のため。明日間違いは絶対起こさせない」「他の現場監督を送る」。(明日へ続きます……)


 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/