北尾トロさんの ‘14年作品『ニッポン超越マニア大全』を読みました。
本文から引用させていただくと、「無線や電波、電子機器の専門誌として創刊され、現在は警察、消防からミリタリーまで、多彩なジャンルを呑み込むマニア総合誌に進化している『ラジオライフ』(三才ブックス)という月刊誌がある。本書はそこで連載中の『超越大陸』(2008年~)から23名のマニアを選抜。追記とオリジナル原稿を加えて構成したものだ。『ラジオライフ』には暗黙のルールがある。誌面に登場するマニアは、そのジャンルで日本屈指でなければならないのだ。読者がマニアックなので、基準を甘くしたとたんに、『ラジオライフはこのレベルで剛の者とするのか』『自分のほうが上だ』とクレームがつきかねない。だから必然的に、取材対象はハイレベルなマニアに限定される。もうひとつのルールは、趣味を仕事としないことだ。金のためではなく、好きな気持ちだけで10年、20年と時間を積み重ねる、マニアとしての純度の高さ、ストイックな姿勢が、読者の共感を得る」。
次に紹介されている方々を目次の章立てで見てみると、「すべてを鉄道に捧げ、鉄道に愛された永遠の鉄道少年」、「取りも取ったり、200種類オーバーの資格取得マニア」、「『ラジオがいた時代』そのものを愛する真空管ラジオコレクター」、「家族の思い出も運命の恋も、国道標識とともに」、「“自力”で大空を舞った30年 素晴らしき飛行機野郎」、「実践派ならぬ『実食派』!戦闘糧食コレクター」、「『鉄道無線解析』ってどんな世界なんだ?」、「動態保存がこだわり!ボンネット型消防車マニア」、「50歳過ぎて覚醒 電話コレクターの深すぎ人生哲学」、「BBMカード収集家 休日は全部、サイン収集に捧げてきた」、「4時起きで生活と両立 うまい棒コレクターを支える『責任感』」、「紙に命を与える魔法の手 ティッシュ昆虫アーチスト」、「バス降車ボタン蒐集家 これは趣味ではない、『任務』である」、「永遠の工作少年とともに巨大なカブトムシロボは『成長』を続ける」、「イチから戦車を再現した男に、現役軍人も感服!」、「バス愛爆発!たったひとりでバス会社を作ったマニアの意地」、「夢のお告げで特急あずさを買った男 幸福な正夢は終わらない」、「ゴム銃作って、協会作ったら、仲間ができた」、「美しきアキバ案内人 私の居場所は秋葉原“電気街”!」、「マニアの血はかくも濃い!親子2代のマニア道」、「苦節19年、たったひとりで姫路城を作り上げた男」、「24時間無線音声を追い続ける『無線受信界の鉄人』」、「プロ野球ぬりえ画家 自称・ヤクルト選手の奇妙な夢」となります。
興味深かったエピソードは、「公園の砂場に電車を走らせるトンネル作りを提案。企画案から掘削機の自作、地質・土壌調査、そして開通に至るまで、豊富な現場写真を交えて徹底的にリポートしているのだ」、「(資格取得については)目標を立てて、計画を立てますよね。それをこなしてって。私は3サイクル、問題集があれば3回くらいやるんですけど。1サイクル目は40点くらいしか取れないですよ。2サイクル目になると60点くらいは取れる。最後の3サイクル目になると80点ぐらい取れるんですね。だんだん上がっていくわけです。これが楽しいんですね。着実に登ってるって言えば分かります? そしてゴールインでだいたい合格」(これ、私の勉強法と同じでした)、「和歌山では、野宿の場所探しをしていて危険な目にも遭ったと利正さんが思い出語り。そのときは、いつの間にか防波堤を海のほうに向かって走っていて、ふと下を見たら釣り船が目に入った。あわててブレーキをかけたら、目の前と両サイドはすべて海。『あれはよく止まった』って笑っているけど、命がけですか!」、「いろいろ食べて分かってきたのは、戦闘糧食っていうのは、その国の食に対する考え方が出るということ。フランスやベルギーはさすがに戦場でもゆとりがあるのか、味が上品ですね。どんな時でも食事を楽しもうとする文化の豊かさがありますよ。イタリアもいい。戦闘糧食に酒が入っているのはイタリアくらいじゃないですか。スペインは単純においしいですね。逆にヨーロッパでもポーランドはいただけません。朝・昼・晩の内容が同じで、内容も乏しい。(中略)そしてウクライナ。問題外です。あれを最後まで食べ切るのはキビシかった(遠い目)そうそう、1番うまかったのは意外なことにモンゴルなんです。肉だらけですけど、うまいものはうまい。(中略)思うにモンゴルのような小国の場合、わざわざ軍隊のために戦闘糧食を開発するようなことはしないのではないかと。つまり、モンゴルの伝統的な携帯保存食に近いものがメニューになっている可能性が高い」などでした。
気楽に読める楽しい本です。値段も安くお勧めです。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
本文から引用させていただくと、「無線や電波、電子機器の専門誌として創刊され、現在は警察、消防からミリタリーまで、多彩なジャンルを呑み込むマニア総合誌に進化している『ラジオライフ』(三才ブックス)という月刊誌がある。本書はそこで連載中の『超越大陸』(2008年~)から23名のマニアを選抜。追記とオリジナル原稿を加えて構成したものだ。『ラジオライフ』には暗黙のルールがある。誌面に登場するマニアは、そのジャンルで日本屈指でなければならないのだ。読者がマニアックなので、基準を甘くしたとたんに、『ラジオライフはこのレベルで剛の者とするのか』『自分のほうが上だ』とクレームがつきかねない。だから必然的に、取材対象はハイレベルなマニアに限定される。もうひとつのルールは、趣味を仕事としないことだ。金のためではなく、好きな気持ちだけで10年、20年と時間を積み重ねる、マニアとしての純度の高さ、ストイックな姿勢が、読者の共感を得る」。
次に紹介されている方々を目次の章立てで見てみると、「すべてを鉄道に捧げ、鉄道に愛された永遠の鉄道少年」、「取りも取ったり、200種類オーバーの資格取得マニア」、「『ラジオがいた時代』そのものを愛する真空管ラジオコレクター」、「家族の思い出も運命の恋も、国道標識とともに」、「“自力”で大空を舞った30年 素晴らしき飛行機野郎」、「実践派ならぬ『実食派』!戦闘糧食コレクター」、「『鉄道無線解析』ってどんな世界なんだ?」、「動態保存がこだわり!ボンネット型消防車マニア」、「50歳過ぎて覚醒 電話コレクターの深すぎ人生哲学」、「BBMカード収集家 休日は全部、サイン収集に捧げてきた」、「4時起きで生活と両立 うまい棒コレクターを支える『責任感』」、「紙に命を与える魔法の手 ティッシュ昆虫アーチスト」、「バス降車ボタン蒐集家 これは趣味ではない、『任務』である」、「永遠の工作少年とともに巨大なカブトムシロボは『成長』を続ける」、「イチから戦車を再現した男に、現役軍人も感服!」、「バス愛爆発!たったひとりでバス会社を作ったマニアの意地」、「夢のお告げで特急あずさを買った男 幸福な正夢は終わらない」、「ゴム銃作って、協会作ったら、仲間ができた」、「美しきアキバ案内人 私の居場所は秋葉原“電気街”!」、「マニアの血はかくも濃い!親子2代のマニア道」、「苦節19年、たったひとりで姫路城を作り上げた男」、「24時間無線音声を追い続ける『無線受信界の鉄人』」、「プロ野球ぬりえ画家 自称・ヤクルト選手の奇妙な夢」となります。
興味深かったエピソードは、「公園の砂場に電車を走らせるトンネル作りを提案。企画案から掘削機の自作、地質・土壌調査、そして開通に至るまで、豊富な現場写真を交えて徹底的にリポートしているのだ」、「(資格取得については)目標を立てて、計画を立てますよね。それをこなしてって。私は3サイクル、問題集があれば3回くらいやるんですけど。1サイクル目は40点くらいしか取れないですよ。2サイクル目になると60点くらいは取れる。最後の3サイクル目になると80点ぐらい取れるんですね。だんだん上がっていくわけです。これが楽しいんですね。着実に登ってるって言えば分かります? そしてゴールインでだいたい合格」(これ、私の勉強法と同じでした)、「和歌山では、野宿の場所探しをしていて危険な目にも遭ったと利正さんが思い出語り。そのときは、いつの間にか防波堤を海のほうに向かって走っていて、ふと下を見たら釣り船が目に入った。あわててブレーキをかけたら、目の前と両サイドはすべて海。『あれはよく止まった』って笑っているけど、命がけですか!」、「いろいろ食べて分かってきたのは、戦闘糧食っていうのは、その国の食に対する考え方が出るということ。フランスやベルギーはさすがに戦場でもゆとりがあるのか、味が上品ですね。どんな時でも食事を楽しもうとする文化の豊かさがありますよ。イタリアもいい。戦闘糧食に酒が入っているのはイタリアくらいじゃないですか。スペインは単純においしいですね。逆にヨーロッパでもポーランドはいただけません。朝・昼・晩の内容が同じで、内容も乏しい。(中略)そしてウクライナ。問題外です。あれを最後まで食べ切るのはキビシかった(遠い目)そうそう、1番うまかったのは意外なことにモンゴルなんです。肉だらけですけど、うまいものはうまい。(中略)思うにモンゴルのような小国の場合、わざわざ軍隊のために戦闘糧食を開発するようなことはしないのではないかと。つまり、モンゴルの伝統的な携帯保存食に近いものがメニューになっている可能性が高い」などでした。
気楽に読める楽しい本です。値段も安くお勧めです。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)