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スティーヴン・ナイト監督『オン・ザ・ハイウェイ  その夜、86分』その2

2016-09-08 07:41:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 カトリーナからの着信。「信じられない、今度の話」「何カ月も苦悩したんだ。電話で知らされた。“幸せへの最後の望みだから産む”と。予定より2か月早く破水し、それで事前に話すつもりが、こんな形に。私の父親のこと、知ってただろ? あのロクデナシは家にいなかった。ちゃんと認知するつもりだ」
 ドナルから着信。「C6は確認した。もし1台だけC5ならどうなる?」「ホワイトボードには?」「C6と」「書類には?」「C6」「55階建ての建物だ。22万3000トンのコンクリート。地下水位や地盤に影響を与える」。
 自宅へ電話。「ママは?」「トイレ」「エディ、ショーンは?」「出そうか?」「いや、いい。落ち着いたらお前とも話す」。
 「聖メアリー病院の産科病棟の者です。一人きりで辛そうなので」「あと1時間で着く」「自然分娩は難しいようです。救急受付から入ってください。感情的になって、怖がっています」。
 ドナルから着信。「ポンプの確認は終わった。C6でテストした。工場、トラックもOKだ」「6500立法メートルのコンクリートだ。遅延剤は?」「準備した」「引き出しの中にファイルがあるだろう。それがこれからお前の聖書代わりだ。道路封鎖の件で警察に連絡しなければならない。ヒーターの上の引き出しだ」「ヒーターはハンガリー人が持って行った」「ウソだろ? 違う。ここにあった」「10年でこんなあんたは初めてだ」「少し時間をくれ」。
 カトリーナから着信。カトリーナ、怒り狂い、泣き出す。
 ドナルから着信。「今、ファイルを開く。ベルモント警察の担当者に電話してくれ」。
 ベッサンから着信。「赤ちゃんの首にへその緒がからまってるって」「あと45分で着く」。
 またバックミラーでバックシートを見ながら、死んだ父を罵倒するアイヴァン。
 自宅へ電話。子供たちは試合に夢中。「ママはトイレに入ったままだよ」。
 警察に電話。なかなか相手が出ない。「出てくれ。あ、デイヴィス巡査? パークプロジェクトのロックだ」「問題が一つある。一ヶ所だけ駐車許可が出ない。役所にかけあってくれ」「役所はもう閉まってる!」。
 ドナルから着信。「問題発生だ」「分かってる。型枠の確認をしてくれ」。
 自宅へ電話。「ショーン、お願いだ。コートにノートがある。役所のカミディの電話が掲ってる。メールを打ってくれ。いいね」「分かった。ママは大丈夫?」「朝にすべて説明する」。
 「聖メアリー病院の産科医です。本人があなたに連絡をと」
 カトリーナから着信。「ショーンから聞いたわ。電話番号を捜せと? このタイミングで? 子供が産まれるのに?」「過去を正すためだ」「さようなら」。
 ドナルから着信。「役所の担当者の電話番号を見つけた」。
 カンディに電話。すぐに切られる。再度電話。「ああ、必ず期限内に書類を提出してくれるあんたか。分かったよ。警察に電話しとくよ」。
 またバックミラーでバックシートを見ながら、死んだ父を罵倒するアイヴァン。
 ドナルから着信。「6番の型枠の鉄筋がしっかり固定されてない。手抜きだ」「消防署の近くの現場のポーランド人ステファンに500ドルずつ出すと言え」「できない」「また飲んだろ?」「警察に捕まったらムショ行きだ」「走れ」。
 ベッサンに電話。「頑張れ」。
 また死んだ父を罵倒するアイヴァン。
 自宅から着信。ショーン「勝ったよ。3対1だ。ママが皿を割ってる」「お前とエディが一緒の時にちゃんと話す」「“パパは出てった”ってママは言ってるよ」「ママは悩んでるんだ」「帰るの? エディが泣いてる」「何とかする」。
 ドナルから着信。「作業をしてるのが見える」「ステファンに500ドルずつだからな」。
 「問題ない。この一族の名を正しくしたのは私だ」と独り言を言うアイヴァン。
 ドナルから着信。「3人車に乗ってる。1人600ドルを要求しているが」「いいよ」。
 カトリーナから着信。「姉妹と話して決断したの。一度な訳ないわ。もう帰ってこないで。子供には会わせる」。
 “クソ野郎”から着信。「新しい現場監督がドナルと連絡が取れない」「5時25分には無事に始まる。寝ろ、ガンス。俺は今晩家も仕事もすべて失った。残ったのはこの車と体だけだ」「シカゴが黙ってないぞ」「俺は今晩学んだ。“シカゴはクソ”ってことを」。
 自宅から着信。「エディだよ。ベッドに隠れて電話してる。ゴールの話をしたいんだ。ママは泣いてて見てない。試合は録画してあるから、生中継のつもりで見ようよ」。
 一般道に入り、車は停まる。
 ベッサンからの着信。「ねえ、聞いて」。赤ん坊の泣き声。「来てくれる?」「ああ」。車は再び発進する。
 夜の街を俯瞰でパン。映画は終わる。

 リアルタイムで、ほとんど台詞のあるシーンばかりで占められた実験的な映画でした。流れゆく車のライトも美しかったことを付け加えておきたいと思います。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/