今日の東京新聞に「息子に厳しく『逆療法』 『梨薗の妻』三田寛子に聞く」と題された記事が載っていました。全文を転載させていただきます。
「中村橋之助の八代目芝翫(しかん)襲名興行がいよいよ来月から始まります。三人の息子たちの同時襲名もあり、一家の大イベントに向け準備に奮闘しているのが妻で母のタレント三田寛子(50)。今年は結婚二十五周年、陰になり日向になり支えています。激務といわれる『梨薗(りえん)の妻』の思いを語っていただきます。(聞き手・前田朋子)
今は差し迫った時間の中、家族全員がフル回転している状態ですね。私は努力しているつもりですが『気付いていないこともあるのでは』と眠れない日もありました。それまで失敗しても前向きだったのに結婚してから初めて『乗り越えられないかも』と、義母(七代目芝翫夫人、橋之助の母)の元に駆け込みました。襲名は『命を削る』といわれるほどの一大事。負担をかけないよう遠慮していましたが、一から指揮監督をお願いしています。
主人とは映画への出演を機に知り合いました。結婚から引退という山口百恵さんの雰囲気が頭にあり『ここからは第二の人生、好きな人と恋愛して、周りにも認めていただいて幸せ、うれしいわー!』って思いしかなかったんです。お嫁に来てから初めて知りました。こんなに大変なんだって(笑)。
でも、歌舞伎界のすごいところは、男性陣が本当に努力をして、寝ても覚めても歌舞伎のことを考えて、ものすごく精進しているんです。主人だけでなく義父や先輩方のそうした姿を見ると『私も何かやんなきゃ』って自然に腰が上がるんですよ。ちょっとでも役に立てないかって。
自分が十五歳で上京してつらくても仕事を続けられたのも『好きだ』という気持ちがパワーになったからだと感じます。だから、環境が整ってるからって生半可な気持ちで歌舞伎役者になられたらとんでもないと思って、子どもたちには、寝る時に『もっと楽しい商売いっぱいあるわよ』『海外に行ったら?』なんてささやいていました。逆療法ですね。学校との両立が大変で弱音を吐いた時は『そんなんだったらやめちまいなさいよ!』と叱ったことも。でも『絶対やりたい、どうしてもやらせてくれ』って泣くほど三人とも熱い思いがあります。
襲名に向け、家族それぞれ目いっぱい頑張っているんですが、その原動力はやっぱり感謝なんですよね。皆さんが良くしてくださるのは、義父や義母が頑張って成駒屋を守ってきたからこそ。『神谷町のお兄さん(七代目芝翫)やお姉さん(夫人)にお世話になったから』と皆さんがかわいがってくださる。私たちも次にバトンをつなげなきゃというのはありますね。」
現在の中村勘九郎の襲名興行の時の様子はWOWOWで見ていて、それ以来勘九郎のファンなのですが、先日亡くなった中村勘三郎の舞台も当然やはりWOWOWで見ていて、その時に共演していた中村橋之助もいい役者だなあ、と思っていました。八代目中村芝翫襲名興行の様子も是非WOWOWで流してもらいたいものです。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
「中村橋之助の八代目芝翫(しかん)襲名興行がいよいよ来月から始まります。三人の息子たちの同時襲名もあり、一家の大イベントに向け準備に奮闘しているのが妻で母のタレント三田寛子(50)。今年は結婚二十五周年、陰になり日向になり支えています。激務といわれる『梨薗(りえん)の妻』の思いを語っていただきます。(聞き手・前田朋子)
今は差し迫った時間の中、家族全員がフル回転している状態ですね。私は努力しているつもりですが『気付いていないこともあるのでは』と眠れない日もありました。それまで失敗しても前向きだったのに結婚してから初めて『乗り越えられないかも』と、義母(七代目芝翫夫人、橋之助の母)の元に駆け込みました。襲名は『命を削る』といわれるほどの一大事。負担をかけないよう遠慮していましたが、一から指揮監督をお願いしています。
主人とは映画への出演を機に知り合いました。結婚から引退という山口百恵さんの雰囲気が頭にあり『ここからは第二の人生、好きな人と恋愛して、周りにも認めていただいて幸せ、うれしいわー!』って思いしかなかったんです。お嫁に来てから初めて知りました。こんなに大変なんだって(笑)。
でも、歌舞伎界のすごいところは、男性陣が本当に努力をして、寝ても覚めても歌舞伎のことを考えて、ものすごく精進しているんです。主人だけでなく義父や先輩方のそうした姿を見ると『私も何かやんなきゃ』って自然に腰が上がるんですよ。ちょっとでも役に立てないかって。
自分が十五歳で上京してつらくても仕事を続けられたのも『好きだ』という気持ちがパワーになったからだと感じます。だから、環境が整ってるからって生半可な気持ちで歌舞伎役者になられたらとんでもないと思って、子どもたちには、寝る時に『もっと楽しい商売いっぱいあるわよ』『海外に行ったら?』なんてささやいていました。逆療法ですね。学校との両立が大変で弱音を吐いた時は『そんなんだったらやめちまいなさいよ!』と叱ったことも。でも『絶対やりたい、どうしてもやらせてくれ』って泣くほど三人とも熱い思いがあります。
襲名に向け、家族それぞれ目いっぱい頑張っているんですが、その原動力はやっぱり感謝なんですよね。皆さんが良くしてくださるのは、義父や義母が頑張って成駒屋を守ってきたからこそ。『神谷町のお兄さん(七代目芝翫)やお姉さん(夫人)にお世話になったから』と皆さんがかわいがってくださる。私たちも次にバトンをつなげなきゃというのはありますね。」
現在の中村勘九郎の襲名興行の時の様子はWOWOWで見ていて、それ以来勘九郎のファンなのですが、先日亡くなった中村勘三郎の舞台も当然やはりWOWOWで見ていて、その時に共演していた中村橋之助もいい役者だなあ、と思っていました。八代目中村芝翫襲名興行の様子も是非WOWOWで流してもらいたいものです。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)