マキノ雅弘監督の'60年作品『おしどり駕篭』をスカパーの東映チャンネルで見ました。
正気を失っている姫・千鳥(櫻町弘子)を遠巻きにする町人たちは、姫の父が横領をした報いだと噂します。殿が逝去し、家老の兵部(月形龍之介)は市井の人になり失踪した長男の弦二郎君ではなく、次男の三之条を後継としようとしますが、家老の善兵衛の反対に会い、善兵衛が弦二郎君を江戸に探しに行くまで、自分が藩を取り締まることを承知させます。
「お江戸日本橋」の字幕。左官屋が歌い、そのうちの1人・源太(中村錦之助)は同僚の半次(中村賀津雄)に当り矢の小蝶(美空ひばり)が自分のことを好きと言わないと言い、恋の歌を歌う小蝶も同僚で半次と相思相愛のお市(中原ひとみ)に同じ悩みを打ち明けます。自分の娘・千鳥を三之条の嫁にしようと企む兵部。占い師は源太に相手はあなたに惚れているが、なかなか好きとは言わないと言い、剣難の相があり、それを解決しないと恋は成就しないと言います。当り矢の歌。そこを訪れた源太と小蝶は維持を張り合い、ケンカ別れします。そこへ善兵衛とその仲間・郷之進がやって来て、源太に藩が国難に陥っていることを知らせますが、跡目は三之条に譲り、自分には女ができたので跡目は継がないと言います。しかし兵部の悪政を正すため、源太は善兵衛らと藩に戻ることにし、翌朝歌う大名行列の駕篭の中から半次にそれを知らせます。半次にそれを知らされた小蝶らは、源太の後を追うことにします。三之条の前で、峠での源太の返り討ちを命ずる兵部に、気狂いと結婚するのは嫌だと三之条は言います。
小蝶らは源太に追いつき、一方善兵衛に逃げないように監視されていた源太は、千鳥が気狂いの芝居をしていると見抜きます。歌う小蝶と、それを聞いて喜ぶ源太。当り矢の歌が終わると、今日は存分に遊べと家来たちに郷之進は言います。半次とお市、郷之進らが見守る中で、源太と再会しった小蝶は、殿様ではなく左官屋の源太に惚れていたと言い、用事が済むまでしばらく江戸に帰っていてくれと源太に言われてしまいます。もう会わないと言って、源太の背中に矢を当てる小蝶。
大名行列を泣いて見送る小蝶でしたが、半次が消えているのをお市から知らされると、再び源太を追うことにします。大名行列に殴り込んだ小蝶でしたが、源太の駕篭は空でした。一方、源太と半次は旅人姿で峠を越えようとします。そこをすれ違った千鳥の侍女から返り討ちの件を聞いた源太は、半次と千鳥の侍女にそれを大名行列に知らせるよう命じます。小蝶とお市らに出会う半次。源太は1人で兵部が送った刺客たちを迎え討ち、袴田だけを残して、他を皆殺しにします。小蝶は源太に追いつき、二人は仲直りします。
袴田を盾にして兵部の屋敷に乗り込んだ源太は、切腹しようとする兵部を止め、三之条を後継ぎとし、千鳥をその嫁とすることを認め、これからは心を入れ替えろと言って、それまでの悪行を許します。
翌朝、改めて小蝶と馬に乗って入城する源太。彼は三之条に後継ぎを譲ることを発表し、その理由として片肌脱いで刺青を見せます。
歌う小蝶と二人で駕篭に乗る源太。多くの町民が見守る中、彼らは城から去っていくのでした。
美空ひばりの歌を全面に押し出した作りとなっていて、生きのいい中村錦之助の演技もあって、楽しく見ることができました。この時期のマキノ監督は次郎長ものもそうですが、歌が多く使われ、演出も流れるようで、まさに乗りに乗っていた時期だったのではと思います。美空ひばりの代表作の一つでしょう。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
正気を失っている姫・千鳥(櫻町弘子)を遠巻きにする町人たちは、姫の父が横領をした報いだと噂します。殿が逝去し、家老の兵部(月形龍之介)は市井の人になり失踪した長男の弦二郎君ではなく、次男の三之条を後継としようとしますが、家老の善兵衛の反対に会い、善兵衛が弦二郎君を江戸に探しに行くまで、自分が藩を取り締まることを承知させます。
「お江戸日本橋」の字幕。左官屋が歌い、そのうちの1人・源太(中村錦之助)は同僚の半次(中村賀津雄)に当り矢の小蝶(美空ひばり)が自分のことを好きと言わないと言い、恋の歌を歌う小蝶も同僚で半次と相思相愛のお市(中原ひとみ)に同じ悩みを打ち明けます。自分の娘・千鳥を三之条の嫁にしようと企む兵部。占い師は源太に相手はあなたに惚れているが、なかなか好きとは言わないと言い、剣難の相があり、それを解決しないと恋は成就しないと言います。当り矢の歌。そこを訪れた源太と小蝶は維持を張り合い、ケンカ別れします。そこへ善兵衛とその仲間・郷之進がやって来て、源太に藩が国難に陥っていることを知らせますが、跡目は三之条に譲り、自分には女ができたので跡目は継がないと言います。しかし兵部の悪政を正すため、源太は善兵衛らと藩に戻ることにし、翌朝歌う大名行列の駕篭の中から半次にそれを知らせます。半次にそれを知らされた小蝶らは、源太の後を追うことにします。三之条の前で、峠での源太の返り討ちを命ずる兵部に、気狂いと結婚するのは嫌だと三之条は言います。
小蝶らは源太に追いつき、一方善兵衛に逃げないように監視されていた源太は、千鳥が気狂いの芝居をしていると見抜きます。歌う小蝶と、それを聞いて喜ぶ源太。当り矢の歌が終わると、今日は存分に遊べと家来たちに郷之進は言います。半次とお市、郷之進らが見守る中で、源太と再会しった小蝶は、殿様ではなく左官屋の源太に惚れていたと言い、用事が済むまでしばらく江戸に帰っていてくれと源太に言われてしまいます。もう会わないと言って、源太の背中に矢を当てる小蝶。
大名行列を泣いて見送る小蝶でしたが、半次が消えているのをお市から知らされると、再び源太を追うことにします。大名行列に殴り込んだ小蝶でしたが、源太の駕篭は空でした。一方、源太と半次は旅人姿で峠を越えようとします。そこをすれ違った千鳥の侍女から返り討ちの件を聞いた源太は、半次と千鳥の侍女にそれを大名行列に知らせるよう命じます。小蝶とお市らに出会う半次。源太は1人で兵部が送った刺客たちを迎え討ち、袴田だけを残して、他を皆殺しにします。小蝶は源太に追いつき、二人は仲直りします。
袴田を盾にして兵部の屋敷に乗り込んだ源太は、切腹しようとする兵部を止め、三之条を後継ぎとし、千鳥をその嫁とすることを認め、これからは心を入れ替えろと言って、それまでの悪行を許します。
翌朝、改めて小蝶と馬に乗って入城する源太。彼は三之条に後継ぎを譲ることを発表し、その理由として片肌脱いで刺青を見せます。
歌う小蝶と二人で駕篭に乗る源太。多くの町民が見守る中、彼らは城から去っていくのでした。
美空ひばりの歌を全面に押し出した作りとなっていて、生きのいい中村錦之助の演技もあって、楽しく見ることができました。この時期のマキノ監督は次郎長ものもそうですが、歌が多く使われ、演出も流れるようで、まさに乗りに乗っていた時期だったのではと思います。美空ひばりの代表作の一つでしょう。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)