gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

ワシーリー・グロスマン『人生と運命 2』その1

2012-07-23 07:01:00 | ノンジャンル
 トッド・ヘインズ監督・原案・共同脚本の'07年作品『アイム・ノット・ゼア』をDVDで見ました。“ボブ・ディランの音楽と彼の多様な人生に触発されて”と題されたこの映画は、ディランの音楽が中心に流れる中、'60年代から'70年代を生きたカントリー・シンガーら数人の人生をコラージュ風にまとめたもので、ケイト・ブランシェット、リチャード・ギア、シャルロット・ゲインズブール、ジュリアン・ムーアら豪華な俳優陣が見られる映画でした。

 さて、ワシーリー・グロスマンの'80年に刊行された『人生と運命 2』を読みました。
 ノヴィコフの戦車軍団は前線へと向かっていました。彼らは戦争の帰趨を決する作戦に参加していることをまだ知りませんでした。ノヴィコフは途中で滞在した町からエヴゲーニヤを訪ねます。元の夫のクルイモフの消息を心配するエヴゲーニヤでしたが、ノヴィコフのプロポーズに対して心が動くのでした。隊に戻ったノヴィコフには目的地がスターリングラードであることが知らされます。
 ドイツ軍のバッハ中尉は銃傷で軍の病院に入れられていましたが、これまでの考えを一変させ、入党を考えていました。ドイツ軍第六軍司令官のパウルスは、否応無しに攻撃命令に署名させられます。
 ソ連軍のダーレンスキーは、スターリングラード方面軍の南東翼に当たる部隊に到着していました。彼は連隊参謀長のボヴァ中尉と官僚主義を批判し合います。一方、ドイツの収容所にいたモストフスコイは警備隊長のリース少佐にざっくばらんに話しかけられ、とまどいます。ドイツ軍に包囲されながらも踏みとどまっていた《第六号棟第一号フラット》では、セリョージャと女性通信士のカーチャが愛を確かめ合っていましたが、カーチャに思いを寄せる上司のグレーコフはそれを知ると、彼らをそこから脱出させてやります。クルイモフは軍コミサールとして、《第六号棟》でのグレーコフの反ボリシェヴィキ的行動を正すため、そこへ派遣されることになります。
 クルイモフはグレーコフがセリョージャらを立ち去らせた翌日に《第六号棟》に到着しますが、グレーコフの非ソヴィエト的な考え方に対し、彼の解任を決心します。しかし、クルイモフは眠っている間に敵の弾が頭をかすり、担架でそこを運びだされますが、後で自分をグレーコフが撃ったと信じるようになります。その後、パウルス将軍はスターリングラードのトラクター工場地区への攻撃命令を下し、とくに強力な攻撃が加えられた《第六号棟》の兵士は全滅します。
 ヴィクトルの一家は妻リュドミーラの母アレクサンドラをカザンに残し、1年ぶりにモスクワに戻ってきますが、ヴィクトルの理解者であったチェプイジンはアカデミーの指導的立場を解任され、ヴィクトルを目の敵にするシシャコフが後任となります。
 ドイツ収容所のリース大佐は機械工場と化学工場、そして絶滅収容所の建設現場を視察し、親衛隊のアイヒマン中佐に状況報告をします。ソ連の新編成部隊のスターリングラード前線への移動は極秘に進められ、ドイツ軍の右肩に位置する南への兵力集中がなされていました。パウルスの諸師団を包囲する準備がなされ、ノヴィコフの戦車軍団もスターリングラードより南のヴォルガ川右岸に渡河されていました。病院から出されたクルイモフは自分の部屋に戻り、《第六号棟》に関する報告書を書こうとしますが、なかなかうまく書けません。そこへまた右岸への出張が命ぜられ、グレーコフら《第六号棟》の兵士が全滅したことを知らされるのでした。(明日へ続きます‥‥)

→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/