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オットー・プレミンジャー監督『月蒼くして』&『黄金の腕』

2012-07-17 07:46:00 | ノンジャンル
 オットー・プレミンジャー監督・製作の'53年作品『月蒼くして』と'55年作品『黄金の腕』をWOWOWシネマで見ました。
 『月蒼くして』は、建築家のウィリアム・ホールデンがエンパイア・ステート・ビルディングの展望台でナンパしたマギー・マクナマラを自分のアパートに招いたことから、彼の婚約者ドーン・アダムズとその父デヴィッド・ニーヴンとの間に騒ぎを起こし、最後はまた翌朝、展望台で二人が結ばれるという映画で、冒頭と最後のシーン以外は室内劇でした。もともとブロードウェイの芝居だったものの映画化で、若い女性が性的に際どい発言をするということで評判を取ったものでしたが、台詞自体は「処女」という言葉が何回か出て来る程度のもので、そちらよりも芸達者が揃い、マギー・マクナマラのとぼけた味もそれなりに楽しめましたが、芝居が好きな方はより面白かったのではないでしょうか?
 『黄金の腕』は、麻薬の更正施設から半年ぶりにフランキー(フランク・シナトラ)が町に帰ってくるところから始まります。酒場の皆から歓迎され、特に相棒のスパローに歓待されるフランキーでしたが、ヤクの売人のルイから早速声をかけられ、胴元にもこれまでと同じように『黄金の腕』と言われたディーラーとして働くように言われますが、警察のガサ入れが入る危険を考えて彼は手を引くと言います。自分の酔っ払い事故で歩けなくなった妻のゾシュ(エレノア・パーカー)にドラマーとして再出発すると言うフランキーでしたが、ゾシュはディーラーの仕事を勧めます。愛人だったモリー(キム・ノヴァク)はビリヤード屋の用心棒をしているジョニーと暮らすようになっていました。医師からドラマーの仕事を紹介されたハリー氏に会うため、フランキーは新しい背広の調達をスパローに頼みますが、彼がそれを万引きしたことを胴元に密告され、フランキーは警察に連行され、結局胴元に保釈金を出してもらい、1回だけディーラーを引き受けることになります。拘置場で暴れるヤク中の男を見て動揺するフランキー。
 キャバレーで働くモリーの元を訪れたフランキーは、ジョニーが彼女に金をたかるのを見ます。ハリー氏と面接しますが、その後約束の電話が来ません。ゾシュを診に来た医者に事故の顛末を彼女が話していると、フランキーは堪らずアパートを出て、ルイからヤクを1回限りとして買います。ゾシュと気まずくなったフランキーはモリーに会いに行き、もう一度ハリー氏に連絡するよう彼女から勧めらると、ハリー氏がこちらの連作先をなくしていたことを知り、オーディションを改めて受けられるようになります。ゾシュが嫌がるのでモリーの部屋でドラムの練習をするフランキー。胴元はディーラーに戻るように彼に詰め寄り、ルイの仲立ちもあってフランキーは一晩だけ250ドルの報酬ですることになります。ルイの誘いに乗り、またヤクをやったフランキーはモリーにそのことを見抜かれ、彼女は彼の元から去ります。またルイからヤクを買うフランキー。
 一晩限りの勝負は大勝し、一旦は家に帰りますが、禁断症状からまたルイのもとを訪ねると、自分が去った後の胴元とルイは大負けをしていて、そこにまたフランキーは巻き込まれます。ヤクを打ちながら2晩徹夜し、結局イカサマを相手に見抜かれて殴り倒されるフランキーとスパロー。そんな状態でオーディションに行きますが、散々の出来で帰路につきます。ゾシュは訪ねてきたルイに立っているところを見つかり、脅迫されると、ゾシュは彼を階段から突き落として殺してしまいます。転居先のモリーを訪ねていたフランキーは、そこに現れたジョニーからその事件のことと、自分が犯人として追われていることを知ります。警察に行くことを勧めるモリーに、ヤク欲しさから警察の言いなりになってしまうと言うフランキー。彼はモリーの勧めでついに自力でヤク中を治す決心をし、部屋に閉じ込めてもらい、禁断症状と戦います。何とかそれを乗り越えたフランキーはゾシュに彼女の元を去ると告げますが、彼を引き止めようとしたゾシュは思わず立ってしまい、そこに現れた警官とモリーの前で逃げ出します。非常階段から転落し、死ぬゾシュ。フランキーとモリーは二人並んで歩き始めるのでした。
 ルイとゾシュの転落のシーンが印象的な映画でした。白黒スタンダードの画面も引き締まっていたと思います。

→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/