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高橋秀実『おすもうさん』

2011-03-29 08:41:00 | ノンジャンル
 竹中直人監督の'09年作品『山形スクリーム』をWOWOWで見ましたが、演出意図がよく分からない場面がかりで、見ていてとまどいました。

 さて、高橋秀実さんの'10年作品『おすもうさん』を読みました。相撲とは何かについて書かれたノンフィクションです。
 この本を読んで初めて知ったことは、総勢12人で呼び出しが土俵を掃くこと、相撲の稽古は号令ひとつなく、自然に流れるように事が進んでいくこと、稽古中練習しているのは土俵の中の二人だけであり、他の力士は外で休んでいること、入門の動機は頭が悪く体がでかいからという消極的なものがほとんどであること、相撲部屋で食べるものは全て“ちゃんこ”と呼ぶこと、歴史上一番初めの相撲は、天皇が女性たちを裸にして取らせたものであること、しこ名とは、大地を踏みつけて地中の邪気(しこ)を追い払う神事を行う者の名称を指したということ、相撲の世界には書がなく、すべて言い伝えであること、ラジオ放送以前には「待った」を54回、立ち合うまでに1時間37分もかかった仕切りがあったこと、土俵の東西南北は建物の玄関を正面として決められていて、実際の方角とは関係ないこと、相撲が国技となったのは、国技館の名前が由来で、それは建物の完成案内状にたまたまその名が書かれていたからだということ、そして相撲が国技とされたことにより、力士は相撲道や品格を求められるようになったことなどでした。また、面白いと思ったのは、放送のアナウンスが七五調であること、取組の合間に流れる各社の宣伝文句も七五調であること、正面からぶつかるのを力士は怖がっているということ、体重を増やすには昼寝をするのがいいと言われているのに、昼寝をすると夜眠れなくなるからと言って昼寝をしない力士がいること、稽古中の黒海はほとんど何もしていなかったこと、3月以外に入門してくる者は、遊んでいた子や、仕事をせずにブラブラしていた子が楽かなと思って入ってくることなどでした。
 いつもの高橋さんの本と同じく、読んでいてつい笑ってしまう箇所がたくさんありました。楽しく相撲について知ることのできる本としてオススメです。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/^m-goto)