ヴィターリー・カネフスキー監督『ひとりで生きる』

　蓮實重彦先生が絶賛する、ヴィターリー・カネフスキー監督の'91年作品『ひとりで生きる』をDVDで見ました。
　雪の中で行軍の訓練をするワレルカは、下着もはかず手袋もしていないので指導者から体を摩擦され笑い転げます。飼っていた豚を殺されて暴れるワレルカ。駅で見かけた強盗はガーリャを殺した奴だと知っていたと、ガーリャの妹のワーリャにワレルカは告白します。ワレルカは学校の宿舎の不良グループのリーダーの部屋へ行くと、不良仲間の中にはセックスしている者がいました。ワレルカを追ってその部屋へ入って行ったワーリャをリーダーは犯そうとし、ワレルカはそれを阻止しようとしますが、そこへ校長がやって来て、皆が逃げ出す中、ワレルカだけが捕まってしまいます。彼は服を全て脱ぐように言われ、全裸になった彼は校長を罵倒し、逃げ出します。全財産を夫に持ち逃げされ、線路の脇で泣き叫ぶ女。ワレルカは船に乗り、叔母宅へ行きますが、叔母は留守で、その隣人の家にやっかいになります。やがてワーリャが現れ、彼女は子供を産んだことをワレルカに告げます。二人は船に乗りますが、ワレルカはワーリャによって途中で船を降ろされ、二人は別れます。ネズミを燃やす男に反抗して燃えるネズミを蹴散らしたワレルカは、爆発によって失神します。やがて刺青をしたワレルカは、これから一人で生きて行くことをカメラに向かって語るのでした。
　今回はカラー映画でしたが、沈んだ色調で、フェイドアウトが多様され、闇に浮かぶ白い尻が印象的でした。全裸の人物が多く写されているのも面白く見ました。『動くな、死ね、甦れ！』の続編です。前作よりは印象が薄い感じもしましたが、映画好きの方にはオススメです。