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ヴィターリー・カネフスキー監督『動くな、死ね、甦れ!』

2011-03-14 00:03:00 | ノンジャンル
 蓮實重彦先生が絶賛している、ヴィターリー・カネフスキー監督の'89年作品『動くな、死ね、甦れ!』をDVDで見ました。
 極東の炭鉱の町は、暴力と悪意と欲望と哄笑で溢れています。少年ワレルカは、少女ガーリャが人込みの中でお茶を売っているのを見てマネますが、中々うまくいかず、ガーリャの商売の邪魔をします。商売で溜めた金を見つけた母は、子供が商売することを責めますが、ワレルカはそのお金でスケートを買います。スケートに誘ってもつれないガリーヤ。その夜、ワレルカはスケートを他の少年たちに強奪されます。スターリンを讃える行進をさせられる子供たちと、子供のいたずらで路上に溢れた汚水を汲み出す男たち。万年筆を盗んだ生徒を教師が探す中、ガーリャはワレルカが引越すことになったと嘘を言って、彼を連れ出します。ガーリャは盗まれたスケートのある家を教え、二人してスケートを取りかえします。またガーリャの商売の邪魔をしたワレルカは、彼女から追われて貨車に飛び乗りますが、車掌に見つかり殴られます。情事にふける母から締め出されるワレルカ。もらった小麦粉を泥とこねて作った団子を食べる、モスクワから来た狂った学者を子供たちは取り巻きます。ワレルカとガーリャは、町から出るため男にセックスを迫る少女を覗き見、ガーリャは妊娠した女囚が解放されることをワレルカに教えます。日本人捕虜の燃える首吊り死体。ワレルカが学校のトイレにイースト菌を入れたことを母は校長に謝りますが、校長は許そうとしません。ワレルカは線路にいたずらをすると、汽車は横転してしまいます。彼が持っていたパチンコの持ち主を子供たちに訪ねる刑事。ガリーリャはワレルカの仕業だと見抜き、ワレルカは母の情事の相手からもらった女の死体の写真をワーリャに見せます。逃げなきゃというワレルカに、ガーリャは大丈夫だと言いますが、ワレルカは刑事に目をつけられ、貨車に乗り込みます。彼の後から貨車に乗り込もうとして彼に助けを求める女や、留まったまま動こうとしないフクロウに、ワレルカは脅えます。祖母の家に着きますが、警察に捕まり留置場へ連れて行かれます。そこを脱走し、窓から塔に侵入すると、そこは秘密組織のアジトでした。宝石店の窓から押込まれ、それを見つけた店員が外に彼を出そうとしたところを、アジトの仲間が店員を殺して店に押し入ります。やがてガーリャが現れ、村に帰ろうと言いますが、口封じのために彼らを殺そうとするアジトの仲間たちから逃げ出し、貨車に乗り込みます。途中で降ろされ線路沿いに歩いていると、二人は何者かに銃撃され、ガーリャは死に、ワレルカは病院に担ぎこまれます。ガーリャの死体を見た女は、全裸になって箒に跨がり叫び回るのでした。
 強いコントラストの白黒画面で、バックには常にロシア人の酔っ払いの歌や、日本人捕虜の「よさこい節」「炭鉱節」「五木の子守唄」などが歌われていて、不思議な空間を形作っていました。主人公二人の表情や動作が素晴らしく、確かに『大人は判ってくれない』の上を行く映画かもしれないと思いました。映画ファンなら必見の映画です。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/^m-goto)