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セミョーン・アラノヴィッチ監督『北極圏対独海戦1944』

2011-03-08 06:53:00 | ノンジャンル
 蓮實重彦先生が『トルペド航空隊』の題名で絶賛していた、セミョーン・アラノヴィッチ監督の'83年作品『北極圏対独海戦1944』をDVDで見ました。
 赤ん坊の前で早朝、シューラの体を求める夫に対して、それをたしなめるシューラ。夫はトルペド航空隊の将校クラブに出発し、そこで仲間とくつろぎます。シューラの元へは、神経を病んで長らく入院していたベログロフが帰ってきますが、彼の恋人だったナースチャは他の男と結婚してしまっていました。将校クラブに司令官が車でやって来て、ドイツ軍の艦隊が発見されたので、すぐに全機出撃するように命じます。ドイツ軍の艦隊との死闘で、シューラの夫も、ナースチャの夫もドイツの戦艦に体当たりして死にます。夫の死を嘆くシューラ。ベログロフは偵察飛行で、墜落した敵機を発見し、着陸してその調査をしていると、敵機がやって来ます。小屋で曲芸を楽しむ将校たち。屋外で女性をくどく一人の将校。ダンスパーティで楽しむ将校たち。一人の将校は別れ別れになっていた息子が孤児院で見つかったと知らされ、仲間とともに船に乗って、息子を迎えに行きますが、その子は別人でした。ケンカで捕まった仲間を、司令官に扮して助け出す将校たち。シューラらと子供たちは船に乗って疎開していきます。司令官は、戦艦に曳航されている敵の潜水艦がいるとの情報を得て、ペログロフを先頭に出撃
命令を出します。向かう途中で、シューラらが乗っていた船が撃沈させられているのを発見するペログロフら。彼らは復讐心に燃えてドイツ軍に襲いかかり、戦艦と潜水艦を撃沈させるも、自分たちも砲弾を受け、ペログロフは操縦桿を握りながら炎に包まれ、海へと落ちていきます。実際に亡くなった兵士たちの写真が次々に示された後、作戦中の将校たちの写真が示されて映画は終わります。
 茶色を基調とした深みのある色彩の美しい画面は魅力的で、戦闘シーンには白黒の記録フィルムが挿入されて臨場感を盛り上げ、将校たちのくつろいだ日常がそれと対照的に描かれていました。控えめな表現が逆に、戦争の悲惨さを強調していたようにも思います。優れたソ連映画をまだ見ていない方には特にオススメです。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/^m-goto)