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ジェフリー・ディーヴァー他『ショパンの手稿譜』

2011-03-17 08:40:00 | ノンジャンル
 加藤泰監督の'68年作品『みな殺しの霊歌』をスカパーの日本映画専門チャンネルで見ました。同郷の青年が5人の女性になぶりものにされて自殺したことから、その5人に復讐を遂げていく男を描いた映画でした。奥行きのある“縦の構図”がふんだんに使われ、背後にスキャットの流れる硬質な画面が魅力的だと思いました。

 さて、ジェフリー・ディーヴァー他の'08年作品『ショパンの手稿譜』を読みました。ディーヴァーがリーダーとなって15人の作家のよって書かれたリレー小説です。
 ワルシャワのピアノ調律師ヘンリクが殺され、その直前に彼に会っていたアメリカ人の音楽研究家ミドルマンがポーランドの空港で身柄を拘束されます。ミドルマンは'99年にコソボへ情報将校として派遣され、そこでナチスが第二次世界大戦中に略奪した多くの美術品が隠されているのを発見し、その目録作りを行いますが、その美術品が隠されていた教会で、コソボ解放軍の司令官ルゴヴァによる虐殺が起こり、美術品も行方が分からなくなります。ミドルマンはその後も戦争犯罪人の追及を続け、ルゴヴァの逮捕に成功しますが、今回の事件の直前にルゴヴァは拘置所で毒殺され、彼の妻も殺されていました。ミドルマンはルゴヴァの部下だった者の写真を見せられ、そのうちの一人が空港で隣の席に座っていたことを思い出します。イタリアで叔父ヘンリクの死を知らされたフェリシアは、危うく路上で絞殺されそうになりますが、しばらく前から付きまとわれていた浮浪者に助けられ、豪華な一室に連れて来られます。フェリシアはその謎の男“ファウスト”から偽名のパスポートを渡され、アメリカのワシントンに一人で向かうように言われます。一方、ワシントンの空港に着いたミドルマンは、警官の服を着た写真の男が近づいてくるのに気付き、咄嗟に身構え、男が撃ってきた拳銃の弾を避けるとともに、勘違いして自分を撃とうとした本物の警官を自衛のために撃ち、逃げた男を追いますが見失い、娘が待っているはずのホテルに向かうのでした‥‥。
 その後、娘夫婦、元同僚のテスラ、ヘンリクの旧友エイブ、FBI副長官カームバックなどなど、多くの登場人物が、ヘンリクからミドルマンに委ねられた未発表のショパンの手稿譜をめぐって、テロリストによる神経ガスの製造や、コンサートホールの放火などの真相に迫っていきます。ラストにはディーヴァーらしい二転三転の展開があるのですが、登場人物が多すぎてストーリーが複雑すぎ、あまりノレませんでした。ディーヴァー個人の最新作『ロードサイド・クロス』に期待したいと思います。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/^m-goto)