工藤栄一監督の'80年作品『影の軍団 服部半蔵』をWOWOWで見ました。画面の圧倒的多くを黒が占める珍しい映画でしたが、音楽の使い方などはテレビドラマのようで、ちょっと興醒めでした。
さて、朝日新聞で紹介されていた、高橋昌一郎さんの'08年作品『理性の限界 不可能性・不確定性・不完全性』を読みました。
第一章では「選択の限界」として、アロウの不可能性定理が、第二章では「科学の限界」としてハイゼンベルクの不確定性原理が、第三章では「知識の限界」としてゲーデルの不完全性定理が説明されていました。
様々な人々が自由に発言しながら話が進んでいく形式を取っていて、前半は楽しく読めましたが、後半は内容の難しさについていけませんでした。それでも、複数の選択肢から単数を選ぶ際、いかなる投票の仕方を取っても完全に民主的な結果は得られないケースが出て来ることや、単記投票方式や上位二者決選投票方式だと味方もいるが敵も多い両極端タイプ(言い換えれば強力なリーダーシップがあるタイプ)が選ばれ、候補を一つずつ少なくしていく方法や順位評点方式だと無難な八方美人タイプが選ばれること、戦略的操作ができないような投票方式を考えると、必ず独裁者が生まれてしまうこと、「囚人のジレンマ」ゲームに臨む際、いかなる複雑なプログラムよりも、前回相手が出した物と同じ物を出すという単純なプログラムが勝利を収めるということ、勝者の利得と敗者の損失の合計が常にゼロになるようなゼロサムゲームの場合、常に損失が少なくなるように配慮する、あるいは勝とうとせずにまず負けないようにするという「ミニマックス戦略」が最も有効であること、ミクロの対象の位置を精密に測定しようとすると光の波長を短くしなければならず、そうすると振動数が高くなり、エネルギーが高くなって、対象の位置を乱してしまうということなどは、勉強になりました。アロウの不可能性定理、ハイゼンベルクの不確定性原理の易しい説明を求めている方にはオススメです。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/^m-goto)
さて、朝日新聞で紹介されていた、高橋昌一郎さんの'08年作品『理性の限界 不可能性・不確定性・不完全性』を読みました。
第一章では「選択の限界」として、アロウの不可能性定理が、第二章では「科学の限界」としてハイゼンベルクの不確定性原理が、第三章では「知識の限界」としてゲーデルの不完全性定理が説明されていました。
様々な人々が自由に発言しながら話が進んでいく形式を取っていて、前半は楽しく読めましたが、後半は内容の難しさについていけませんでした。それでも、複数の選択肢から単数を選ぶ際、いかなる投票の仕方を取っても完全に民主的な結果は得られないケースが出て来ることや、単記投票方式や上位二者決選投票方式だと味方もいるが敵も多い両極端タイプ(言い換えれば強力なリーダーシップがあるタイプ)が選ばれ、候補を一つずつ少なくしていく方法や順位評点方式だと無難な八方美人タイプが選ばれること、戦略的操作ができないような投票方式を考えると、必ず独裁者が生まれてしまうこと、「囚人のジレンマ」ゲームに臨む際、いかなる複雑なプログラムよりも、前回相手が出した物と同じ物を出すという単純なプログラムが勝利を収めるということ、勝者の利得と敗者の損失の合計が常にゼロになるようなゼロサムゲームの場合、常に損失が少なくなるように配慮する、あるいは勝とうとせずにまず負けないようにするという「ミニマックス戦略」が最も有効であること、ミクロの対象の位置を精密に測定しようとすると光の波長を短くしなければならず、そうすると振動数が高くなり、エネルギーが高くなって、対象の位置を乱してしまうということなどは、勉強になりました。アロウの不可能性定理、ハイゼンベルクの不確定性原理の易しい説明を求めている方にはオススメです。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/^m-goto)