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山崎豊子『運命の人 一』

2010-03-26 20:42:00 | ノンジャンル
 今朝のスポニチに映画の美術監督・木村威夫さんの死去が報じられていました。間質性肺炎のため享年91才での旅立ちだったそうです。木村さんと言えばやはり鈴木清順監督作品での仕事が有名ですが、私は「東京流れ者」のラストシーンの造形が一番に頭に浮かびます。木村さんの仕事をまだ見たことない方で、映画好きの方は必見です!

 さて、朝日新聞の特集記事「深いテーマ 忘れえぬ一冊」で取り上げられていた、山崎豊子さんの'09年作品「運命の人 一」を読みました。
 '70年代初頭、沖縄返還を前にして、毎朝新聞の政治部記者・弓成亮太は、外務省経済担当審議官・安西に沖縄の米軍基地返還リストを流してもらいスクープします。沖縄返還を置き土産に首相を降りると見られる佐橋首相の後を狙って、自由党の4人の大物政治家が火花を散らしていますが、弓成はそのうちの1人である小平と親しくして情報をもらい、小平を応援する政治家・鈴森からは小平の著書のゴーストライターをしれくれと頼まれます。そんな折り、安西は明後日米原潜が日本に初寄港するという情報を弓成に流し、‥‥。
 ここまで読んだところで先を読む気力がついえました。一巻250ページ中70ページというところです。理由は退屈な会話が延々と続くのに耐えられなくなったということでしょう。文章に破綻はないのですが、あまりにスタンダードで、やはり古びている印象はいなめませんでした。事実に基づいた小説とのことなので、沖縄返還前後の政治状況に興味のある方は楽しく読めるかもしれません。