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光石富士朗監督『大阪ハムレット』

2010-03-21 13:57:00 | ノンジャンル
 山根貞男さんが'08年の日本映画ベスト3に入れていた、光石富士朗監督の'08年作品「大阪ハムレット」をDVDで見ました。
 父(間寛平)が急死し、その葬式に父の弟だという男(岸辺一徳)がやってきてそのまま居着いてしまいます。中3の長男マサシは塾の帰り道で知合った、教育実習のために東京から大阪に戻ってきたという由加(加藤夏希)に自分は大学生だと嘘をついて付き合うようになります。次男のツッパリのユキオは自分の置かれた状況がハムレットと似ていると教師に指摘され、ハムレットを読み1人悩みます。三男で小学生のヒロキは女の子になりたいと本気で思っていて、母フサコ(松坂慶子)の妹でガンで入院しているアキに自分の気持ちを大切にするように励まされます。由加はファザーコンプレックスの悩みをマサシに打ち明け、自分の父親になってほしいと言い、あーたんと呼んでいいかとまで言います。やがて母は妊娠6ヶ月であることが分かり、ユキオの悩みはますます深くなり、他の兄弟も男が家族に溶け込もうとする態度を素直に受け入れられません。マサシは由加と旅行に行きますが、ふとんの中では絵本を読まされ、マサシが子守唄を歌ってやると由加は泣き出します。ユキオとヒロキは死んだアキの骨を持って島に住む祖母を訪ねると、祖母はフサコの浴衣をヒロキに着せて近所の男の子と花火をさせ、散骨の時には生きてるだけで上等だとヒロキの女性志向を認めてやります。夏休みが終わり、ヒロキは同級生たちの理解によって学芸会でシンデレラをすることになりますが、一方マサシは自分のクラスの教育実習生として由加が来てしまい、年齢をごまかしていたことがばれ、由加は混乱のうちに別れの言葉を言います。ヒロキの学芸会の日、マサシは由加に会いに駅に行き、彼女の父親になるからと彼女をおんぶし、自分の気持ちを正直に伝え、由加もそれを受け止めて東京に帰って行きます。ヒロキは最初は会場からの悪意ある態度に打ちのめされそうになりますが、アキがガンと闘った気持ちを思い出して最後までシンデレラの役をやり抜き、満場の拍手を浴びます。マサシも、そして敵対する不良グループをやっつけた後駆けつけたユキオもその場に間に合い、ヒロキのうれしそうな姿を見ます。そしてフサコの出産の日、廊下で待つユキオは男を家族の一員として認め、産まれたという知らせを受けた皆はフサコの元へと廊下を走るのでした。
 マサシが駅に向かう時にユキオが「兄ちゃん、きばってや」というシーンと、駅でのマサシと由加のシーンで不覚にも泣いてしまいました。ヒロキはバナナマンの日村君に似ていて、また彼のエピソードは周囲の人間も演技過多のように思え、感情移入ができませんでしたが、全体的に縦の構図が多く、撮影も素晴らしかったと思います。映画好きの方にはオススメです。